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離婚した夫の一方的な言い分を放送され、名誉を傷つけられたとして、埼玉県の女性(58)が日本放送協会(NHK)に訂正放送などを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(才口千晴裁判長)は25日、「被害者は訂正放送を求める訴訟を起こせない」と初判断を示した。そのうえで、東京高裁判決(01年7月)のうち訂正放送を命じた部分を破棄して女性側の請求を棄却し、NHKに対する130万円の賠償命令だけを支持した。NHK側の敗訴が確定した。
テレビ・ラジオなどの放送事業者が誤った放送をした場合、被害者が放送法に定められた訂正放送の実施を求める民事訴訟を起こせるかどうかが争点だった。
判決は、まず放送法について、「表現の自由の下で、放送の自律性を保障し、健全な発達を目指すもの」と位置づけた。そのうえで訂正放送について、「自律的に訂正放送を行うことを定めたもので、被害者に裁判を起こす権利を認めたものではない」と結論づけた。
NHK側は賠償命令の破棄も求めたが、小法廷は今年7月の決定で「上告理由に当たらない」と審理の対象から除外したため、賠償命令は事実上確定していた。
問題になったのは、総合テレビで96年6月に放映された「生活ほっとモーニング」。離婚した元夫の素顔を映し、「結婚21年目の朝、妻から突然『離婚してほしい』と宣言された。思い当たる理由が見つかりません」とのナレーションを流した。
東京地裁は98年11月、女性側の請求を棄却したが、2審は「元夫が家計を省みず子育ても放棄していたのに、一方的な言い分を放送し、女性が自己中心的であるかのような印象を与えた」として、名誉棄損とプライバシー侵害を認めた。【小林直】
原告の女性の話 報道被害に対する救済方法は、本来金銭で片づけることではない。訂正放送を否定した判決は残念で、市民の立場からはとても奇妙な理屈に感じる。法律を変えて被害者を守れる制度にしてほしい。NHKには、えりを正した放送を願っている。
NHK広報局の話 放送法による訂正放送の請求棄却は、主張が認められたと考えている。一方、名誉棄損とプライバシーの侵害については真摯(しんし)に受け止め、自主的に訂正放送するかどうか検討する。
【ことば】訂正放送 放送法4条で規定。虚偽の放送による被害者やその関係者から放送日の3カ月以内に請求があった場合、放送事業者に内容の真偽を速やかに調査することや、誤報と判明してから2日以内の訂正・取り消しの放送を義務づけている。総務省によると、89〜02年度に131件の請求があり95件が実施された。
毎日新聞 2004年11月25日 12時20分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/news/20041125k0000e040052000c.html