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月刊現代 2004年7月号 ペ・ヨンジュン「私の家族であるファンのあなたへ」
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投稿者 とっぽ 日時 2004 年 9 月 01 日 20:47:54:OhNus5n6NGOT.
 

2004年7月号 ペ・ヨンジュン「私の家族であるファンのあなたへ」

“アジアの恋人”ペ・ヨンジュンが、韓国誌『月刊朝鮮』(5月号)のロングインタビューに答えた。極端なインタビュー嫌いで知られるペ・ヨンジュンが、自己の人生哲学から日本に対する思い、付き合い始めた彼女のことまで、はじめて赤裸々に思いを吐露した。本誌は『月刊朝鮮』の了解を得て、未掲載部分も含めてアジアNo.1スターの貴重な最新インタビューを加筆・再構成した。

 インタビューに現れたペ・ヨンジュン(31歳)は、レースのついた白シャツと薄いピンクのジャケット、白のズボンとシューズ、それにバイオレットカラーのサングラスというスタイルだった。アジアでは最近の若い女性が好きなタイプはどの国でも、「マイルドで整ったマスクに鍛えられたパーフェクトなボディの男性」といわれるが、私の前に現れたペ・ヨンジュンが、まさにそういった存在だった。
――新作映画『スキャンダル』(日本では現在公開中)のキャンペーンのため、1ヵ月の間にアジア各国を回って、最後に訪れたのが、4月3日の日本でしたね。この日が、NHK総合で連続テレビドラマ『冬のソナタ』が放映される初日ということもあって、日本での盛り上がりは大変なものでした。到着した羽田空港には7000人もの日本の女性ファンが殺到したとか、渋谷公会堂で行われた「ファンとの集い」には450社700人もの記者が詰めかけたとか、日本側は東京でもっとも高額の1泊1300万ウォン(約130万円)のスイートルームを用意したとか、韓国ではいろいろなエピソードが伝わっています。韓国を代表するスターとして、こうした現象をどう感じていますか。
「私は韓国の外交官として上出来でしょう(笑)。
 正直いって、今回アジア各国を訪ねて、私の体はもう自分だけのものではないんだなということを実感しました。私の人気が国際的に高まるにつれ、俳優として、また人間としての責任も大きくなり、そうした責任をまっとうしていくためには、さらなる努力が必要だと感じました。勉強すべきことが山積しています」
――韓国では依然として反日感情が根強いですが、日本人はいまや、皇族の人たちくらいにしか使わない「様」という敬称をあなたに付けて「ヨン様」と呼び、戦後初めて韓国人にひれ伏したという報道も韓国でありました。あなたは日本に対して、どういった感情をお持ちですか。
「われわれ韓国人が、日本から受けた過去の植民地支配を、『あれはすべて昔のことだ』と割り切って考えるには、あまりにも傷が深いと思います。しかし、過去よりも重要なのは現在であり、さらに現在よりも重要なのは未来であると、私は考えます。幸い日本の方々は、われわれ韓国人が作った『冬のソナタ』というテレビドラマに、強い共感を抱いてくれました。『冬のソナタ』がきっかけになって、韓日間で今後、多岐にわたる交流が生まれればと願っています」




日本の警備員に感動しました




――それでは、反日感情を持ちつづける韓国人に対してはどう思いますか。
「われわれは反日感情とは別に、日本から学ぶべきことは学ぶという態度が大事だと思います。
 一つ、例を挙げましょう。3月下旬、ソウルで行われた百想芸術大賞(韓国日報主催の40年の伝統がある映画賞)の授賞式でのことです。この式典には、日本からも私を応援してくれる多くのファンの方が駆けつけてくれ、彼女たちは会場に着いた私を見つけたとたん、一斉に声を張り上げて手を振りました。すると、会場警備にあたっていたガードマンたちが、彼女たちを罵倒して、力ずくで制止したのです。私は、わざわざ外国から駆けつけてくれたファンに対して、どうしてあのような荒っぽい行動を取るのかと情けなく思いました。百想芸術大賞の授賞式といえば、韓国の大物スターが一堂に会する華々しい席であり、いまやアジアでも注目を集めています。そんな中であのような態度を取るとは韓国人の恥です。
 4月3日に私が訪日した際にも、羽田空港に多くのファンが詰めかけました。ところがリムジンの中から外を見ていて、私は驚きを禁じ得ませんでした。日本の警備員たちは、ファンたちが車中の私を覗き込んだり写真を撮るのを邪魔しないように、わざわざ腰をかがめて低姿勢になりながら、予防線を張っているのです。このような配慮は、韓国人も素直に学ぶべきだと思いました」
――映画『スキャンダル』のキャンペーンであなたが熱烈な歓迎を受けたのは日本だけではありませんでしたね。たとえば、台湾では空港に5000人ものファンが詰めかけ、総統選挙戦の真っ最中だったにもかかわらず、あなたが滞在した2日間は選挙戦がストップしたといわれたほどでした。シンガポールでの「ファンの集い」には11ヵ国のファンが殺到し、香港では中国大陸からも大勢のファンが詰めかけました。こうしたアジア全体で巻き起こっている大ブームを実際に肌で感じて、いかがでしたか。
「一言でいえば、『アジアが一つになった』と思いました。
 これまで長い間、韓国や日本を始め、アジアの人々は、欧米文化を享受してきましたが、韓国の文化を欧米人が受け入れるということはありませんでした。これは、欧米人の情緒が、韓国人の情緒とマッチしないからだと思います。ところが、『冬のソナタ』がアジア中でヒットしたということは、このドラマにアジア人の琴線に触れるものがあったわけで、つまり韓国人の情緒に近い感情をアジアの人たちが持っているということです。その意味で『冬のソナタ』は、アジアが一体となる絶好の機会になったと自負しています」
――文化的に、これからはアジアが一体となっていくということですか。
「その通りです。だから韓国の監督やプロデューサーには、映画やテレビドラマを制作する際に、韓国国内だけの市場にとらわれるのではなく、アジア全体を見据えた広い視野を持ってほしいのです。アジアというのは、世界最大の人口を抱えたマーケットなのだから、欧米を恐れる必要はありません。うまく育てていけば、ハリウッド映画の市場に対抗できる巨大な映画・テレビ市場が形成されるはずです」
――そのような「韓流」と呼ばれる昨今のアジアでの韓国ブームの中で、その渦の中心にいるあなたの元にはすでに、日本や他の国からの映画やテレビドラマへの出演依頼が殺到していると聞いています。たとえば、台湾のあるテレビ局は、1話当たり2400万ウォン(約240万円)ものギャラを提示したそうですね。この台湾のドラマは断ったと聞きましたが、今後はこうした依頼を受けることも考えていますか。
「外国からの出演依頼を受諾するには二つの壁がクリアになる必要があります。一つはその国の文化で、もう一つは言葉の問題です。ただ、活動の場を広げたいとは思っているので、今後、この二つの壁を克服するために努力していくつもりです」
――ということは、日本の映画やテレビドラマへの出演もあるということですか。
「出演依頼が来ることは、俳優として感謝すべきことです。しかしいま申し上げたように、日本の映画やテレビドラマに出演するためには、私自身が日本文化を深く理解し、日本語を特訓する必要があります。こうした一連の過程を経て初めて、日本のファンの前に顔見せできる資格を持つのだと思っています」

『スキャンダル』に出演した理由




――たしかにあなたは、他の俳優たちと比べると、作品を慎重に選び、役作りのために入念な準備をすることで知られていますね。デビューして今年で丸10年になるのに、単発の作品を含めても、テレビドラマがただの10本、俳優活動を2年間停止して、大学に通っていたことさえあります(99年に1年間受験勉強に専念し、2000年に成均館大学芸術学部映像学科に入学したが、1学年を終えたところで休学中)。
 映画のほうは、昨年韓国で公開された『スキャンダル』1本だけです。しかも、『スキャンダル』の後の出演作は、もう1年も決まっていない。まさに韓国の俳優の中では異色の存在ですが、競争の激しい芸能界に身を置きながら、これだけ露出が少なくて平気なのですか。
「ええ。毎日ボーッと過ごしているわけではないですから。撮影がないときでも、私は毎日何かを吸収していて、非常に忙しいんです」
――トップスターの地位から転げ落ちるのではないかと、不安にかられることもない?
「まったくありません。そもそも、自分がトップスターだなどと日々意識しているわけではありませんから。もしそんな意識でいたら、それこそあの作品もこの作品もと、一作品でも多く出演して人気を維持しようと汲々としているでしょう。そのような生き方は自分には合いません」
――初主演の映画として、80本以上のシナリオを検討した上で『スキャンダル』を選んだと聞いています。フランスやアメリカで何度も映画やドラマ化された『危険な関係』を、18世紀末朝鮮の宮廷に置きかえたリメイク版ですが、この映画はファンにとって二つの意味で衝撃的でした。それは、「メガネの貴公子」ペ・ヨンジュンがメガネを外したことと、全裸のベッドシーンに挑戦したことです。これまでのあなたのイメージとはだいぶ違いますが、なぜこの作品だったのですか。
「『スキャンダル』をお受けしたのは、端的にいえば、私自身、新しいイメージを見せたいと考えていたときに、たまたまあのような、いままでの演技とはまったく違った役柄の依頼が来たからです。この作品を観て、『ペ・ヨンジュンはあんな演技もできたのか』といってもらえれば嬉しいです」



私はもともと内向的な人間




――ところで、あなたが俳優として異色なのは、寡作なことだけではありません。公式のファンクラブも持っていないし、テレビのトーク番組やバラエティ番組にも絶対に出演しない。インタビュー嫌いも徹底しています。
「どのメディアに出るかといったことは、基本的にマネージャーに任せています。しかし、マスコミのインタビューに応じることは俳優の義務ではないと私は思っています。
 たしかに私の場合、他の俳優たちに比べると、ファンやマスコミと接する機会が少ないということは認めます。テレビドラマの宣伝用の取材すら拒否することがあります。『冬のソナタ』の撮影時がそうでした。俳優生活を続けているうちに、私はいつの間にか、撮影カメラに向かってだけ話をする(演技をする)癖がついてしまったのかもしれません。
 私はもともと内向的な人間で、人前で話をするのがとても苦手なんです。ただ、いつも逃げているわけではなくて、必要な場所にはきちんと対応しているつもりです」
――露出が少ないせいで、あなたはデビューから10年たってもベールに包まれています。ペ・ヨンジュンという男は、日々何を考えているんですか。
「こんなこと話していいか分かりませんが、人間はいつ死ぬか分かりませんよね。だから私には一日一日、その瞬間瞬間が、ものすごく貴重なものに思えるんです。
 たとえば、実はいまちょっと熱っぽくて、体調があまりよくありません。しかしあなたのインタビューを受けることで、私の心の中に潜んでいる何かを表出させることができる貴重な時間だと思っています。
 いつのことでしたか、いままでで一番幸福だったときと不幸だったときのことを教えてほしいと、人から聞かれたことがあります。そのときも同じように答えましたが、私にとっては、今日いまのこの瞬間が一番意味のあるものであり、こうした一生懸命何かに取り組んでいる瞬間が持続すれば、それだけで幸せな人生なのです。逆に、一日を無意味に怠けて過ごしたら、その日は私にとって不幸な日です。
 私は毎日夜、帰宅すると、今日一日がどんな日だったろうと振り返ることにしています。そうして反省することが、次の一日の糧になるからです」
――それでは撮影のない日は、具体的に毎日何をして過ごしているんですか。
「洗いざらい話さないとダメなんですか(笑)。朝起きて、テレビのニュースを見ながら朝食を食べます。午前中はだいたいジムへ通って運動していますね。毎日2時間半くらいでしょうか。その後、昼食を食べて、午後は読書したり、新聞やニュース雑誌を読んだり、インターネットを検索したり、ピアノを弾いたりしながら過ごします。それから、マネージャーや友人たちと会って……」
――ピアノがお上手なんですよね。昨年出演していたコーヒーのテレビコマーシャルの撮影時に、コマーシャルのBGMに使われていた曲「As I Close My Eyes」と、映画『めぐり逢い』のテーマ曲を、現場のピアノで即興で演奏して喝采を浴びたと聞きました。
「それは単なる噂話でしょう(笑)。ピアノは、正式に習ったことはないんです。映画『不滅の恋』でゲイリー・オールドマンがピアノの鍵盤に耳をくっつけながらベートーベンの『月光ソナタ』を弾く姿が何ともいえずかっこよく見えましてね、それで自分も『月光ソナタ』を練習しはじめたんです。あとは、映画『めぐり逢い』で、アネット・ベニングがハミングした曲を知人に楽譜に書いてもらい、練習したりしています」


写真はプロ級の腕前




――他には写真が趣味で、ご自分で現像までするとか。映画『スキャンダル』の撮影現場であなたがスタッフたちを気ままに写した写真が雑誌に掲載され、プロ級の腕前と話題になりましたね。
「実は、あのときに撮った写真は、いまではそれほどのものではなかったと思っているんです。当時は、強いコントラストを出そうと、いろいろと工夫して撮っていました。ところがその後、別の人が撮った写真を見たら、コントラストは弱いのですが、その代わり多彩なきめ細かい色合いを上手に引き出しているのです。数種類の色合いしか出せない自分の写真は、まだまだだと痛感しましたね」
――映画はよく観に行くんですか。
「映画は主に自宅でDVDを観ています。基本的に私は、外出が好きなほうではないですから」
――ゴルフはシングルの腕前とか。
「いえいえ、ゴルフは最近始めまして、いま集中的に練習しています。アン・ソンギ氏(韓国を代表するベテラン俳優)が会長を務める『シングル(「にこにこする」の意もある)の会』というゴルフサークルに入って、主に俳優仲間と回っています」
――ペ・ヨンジュンさんはたしかカトリック信者ですよね。それで今日はおみやげに、25人の有名な神父の説教を録音したテープと、『愛情が君たちを解き放つ』という本を持ってきました。宗教観について聞かせてください。
「(渡されたテープを見ながらにっこりして)私が一番尊敬しているクァク・ソンヒ神父の説教も入っていますね。どうもありがとうございます。
 実は私は、宗教に関する偏見は持っていないんです。教会にはもちろん行きますが、寺院にもたまに出向きます。私の家族は、両親はカトリックの信者で、弟はプロテスタントの信者です。叔父はプロテスタントの教会で牧師をしています。宗教に関しては、比較的自由な家庭だと思います」



ファンのお通夜に駆けつける




――あなたは、「忠武路」(ソウルのハリウッドといわれる地区)で映画会社のスタッフとして働いていたときに、留学費用を稼ぐために俳優になったんでしたね。『冬のソナタ』のユン・ソクホが94年に監督したテレビドラマ『愛の挨拶』でデビューし、翌年『若者の日向』が大ヒットしてKBSテレビの演技大賞優秀演技賞を獲得。その後、97年の『初恋』はテレビドラマ史上最高の視聴率65.8%を記録し、『スキャンダル』は韓国で350万人を動員、『冬のソナタ』の成功は言わずもがなです。きわめて寡作にもかかわらず、この10年間、トップスターとしての地位を維持しつづけてこられた秘訣は何ですか。
「その質問は、私にではなくて、ファンに聞くものでしょう(笑)。私が何か発言すれば、『偉そうに自慢しやがって』といわれるし、『秘訣などありません』と答えれば、『何をいい子ぶって』と非難される。すみませんがこの質問だけは、ノーコメントとさせてください」
――わかりました。では他のことを聞きます。2000年7月から放映されたテレビドラマ『警察特攻隊』の撮影の途中で、急に降板してしまいましたね。俳優が撮影途中に降板というのはきわめて異例の事態ですが、あのときの真相を教えてください。
「途中降板などという言い方は嬉しくないですね。私が『警察特攻隊』の出演を断念したのは、当初の契約と違うことが撮影中に行われようとしたからです。それで出演を最終的に拒んだのです。それをマスコミが悪意に満ちた偏見報道をし、多くの事実が誤って伝わっていったというのが真相です」
――当時の記事を見ますと、「すでに宣伝用ポスターなどの撮影を終えていたにもかかわらず、ドラマから降りてしまったペ・ヨンジュンは、俳優としての生命を自ら絶ったようなものだ」とあります。このときはどんなお気持ちでしたか。
「一度出演の契約をしさえすれば、俳優は契約内容と異なることでも強制されるのかと腹立たしい気持ちでした。法的に見ても、どちらに誤りがあるかは明白でしょう。それなのにマスコミは、私に対して悪辣に報道したのです」
――私は当時、ペ・ヨンジュンは自分の主張を明確に持った気骨のある俳優だと思いましたよ。実際、マスコミには散々叩かれましたが、翌2001年にテレビドラマ『ホテリア』で華々しく復活したではないですか。その後、『冬のソナタ』『スキャンダル』と大ヒット作が続きますね。
 初主演の映画『スキャンダル』では昨年、青龍映画祭(スポーツ朝鮮主催)と前述の百想芸術大賞の新人男優賞をダブル受賞しました。印象的だったのは、これらの受賞挨拶のなかで、あなたがファンのことを指して、「私の家族」とか「わが保護者」などと表現したことです。
「何といっても、私はマフィアのボスですから(笑)。というのは冗談ですが、私は本当に、ファンの方々を自分の家族だと思っているんです。なぜなら私のファンは、無条件で私を信じてくれるからです。私の身に何が起ころうとも私を信じつづけてくれるからです。そんな関係が築けるのは家族だけではないですか。おそらく、ファンの方々も私のことを、自分の家族の一員のように思ってくださっているはずです。私とファンの方々とは、お互いに心が通じ合っているのです」
――あなたがファンを非常に大切にするということは、よく知られています。たとえば昨年、ファンの一人がガンで亡くなったと聞くや、釜山まで駆けつけたというエピソードがありますが、これは本当ですか。
「本当です。私のことを愛し、大事に思ってくれているファンの一人が亡くなったと聞いて、お通夜に伺ったのです。別にパフォーマンスのためにそういうことをしたわけではありません。その方が、私のことを大切に思いながら他界されたことを考えると、いたたまれなくなって、釜山まで出かけたのです。考えてもみてください。もしも私が突然、ガンで他界したとしたら、私の葬儀には、ファンの方々も列席してくれるでしょう」
――それでは、3月下旬に報道されたタイの宝石商の女性の話は本当ですか。あなたの熱狂的なファンである15兆ウォン(約1兆5000億円)もの資産を持つ51歳のタイ人女性が、末期の乳ガンを患っていた。その女性は、ぺ・ヨンジュンにさえ会えれば乳ガンが奇跡的に回復するのではと考え、ソウルを訪問した。この話を聞いたあなたは、超多忙の合い間を縫って彼女が滞在するホテルへ駆けつけた……。
「その話はマスコミが大袈裟に報道しましたね。私は記事を見て、なぜそのように興味本位で書き立てるのかと、少し気分を害しました。たとえば、『15兆ウォンの資産』なんて、誰がどうやって調べたんですか?
 たしかに、そのタイの女性にお会いしたのは事実です。外国のファンの女性でも、私が何か助力できるならと思ってお会いしたまでです。実際、会ってみたら、彼女も少し元気を取り戻したように見えました。手術をすれば、まだ治療できる状態だということも分かりました。女性の心理からすれば、乳ガンの手術というのは辛いものでしょう。しかし、手術すればまだ助かると聞いて、私自身ほっと胸を撫で下ろしました。
 この一件があってから、周囲の人から、もっと行動に注意すべきだとアドバイスを受けました。しかし、その人にも言ったのですが、私はマスコミの報道など、いちいち気にしません。今後とも、自分の信じるままに行動するつもりでいます」



昨年末に新たな恋人を告白




――正確を期すためにも、聞いておきたいことがあります。タレントのキム・ミンとのスキャンダルをスポーツ新聞にスッパ抜かれた(ツーショットでお忍びゴルフを楽しんでいたことが発覚した)昨年12月21日のことです。あなたはその日のうちに、自身のオフィシャル・ホームページ(www.byj.co.kr)上で、2度にわたって、「ファンへの手紙」を掲載しましたね。
 1度目は午後3時ごろで、「顔を突き合わせ、目を見合わせながら話すと、誰でも相手との相互理解が進むものですが、その点、ゴルフは最適です」といった、新聞記事について釈明する内容でした。
 衝撃的だったのは、その日の晩11時ごろ掲載された2度目の手紙でした。
「皆さん、私……好きな人ができました。すごくいい子で、真面目な女性です。あらゆることに最善を尽くす聡明な人です。海外で映画の演出を学び、いまは帰国して映画の仕事を準備中です。まだ、多くのことを話せる状況ではありませんが、私はその人が好きです。いまはとても慎重にお付き合いを進めています……」
 その後の報道によれば、あなたがお付き合いしている彼女とは、ロンドンのフィルムスクール修士課程に在籍する23歳の女性ですね。父親が経営している雑誌の表紙モデルを務めたこともある美人で、ソウルの中央大学演劇映画学科2年のときにイギリスに留学したとのことです。
 あなたがホームページ上で告白したのは深夜だったにもかかわらず、あっという間に1万人以上のアクセスを記録し、「おめでとうございます」「よいお付き合いをしてください」といったファンからの祝福メッセージが殺到したと聞いています。あのときはどんな心境だったのですか。
「あのような告白をしたのは、一言でいえば、私の『家族』のためです。『家族』というのは、さきほども申しましたが、私のファンのことです。
 私にとってはマスコミよりも、『家族』のほうが何倍も大事な存在です。私の『家族』は、マスコミがどれほど私のことをひどく書き立てても、それを信じません。私が直接発したメッセージだけを信じてくれます。
 本当は、まだ付き合い始めたばかりの彼女のことを明かす段階ではありませんでした。しかしあのとき、マスコミが私のスキャンダルを書き立てたことで、『家族』を傷つけたくなかったんです。面白半分で大袈裟に書き立てた記事を読んだ『家族』が受けるショックの大きさを考えると、知らぬ顔をしている自信がなかったんです」
――お気持ちは察します。それで、その方との関係はその後、どれくらいまで進展したんですか。
「まだまだ、友だちの段階ですよ(笑)」
――そうですか。それにしても、あなたがホームページに載せた2通の手紙は、素晴らしい文章でした。本当にご自分で書いたんですか。
「そうでなかったら、いったい誰が書いたというんですか? 先日も、ある雑誌に、あの手紙は誰かが代筆したのだと書かれましたが、事実無根です」
――分かりました。質問を変えましょう。
 いくらトップスターといえども、いったん結婚すると、「良き家庭人」に収まってしまうケースが多いように見受けられます。たとえば、結婚したとたん、テレビのトーク番組などに夫婦揃って出演して、家庭生活をつぶさに語ったりする。すると、それまでのかっこいいイメージとギャップがあるので、女性ファンはがっかりしてしまいます。ペ・ヨンジュンさんも結婚したら、「良き家庭人」になるのでしょうか。
「さあ……。私はいまはまだ、結婚のことは考えていません。結婚を急ぐつもりもないんです。ただ、将来結婚したとしても、プライベートな生活は一線を引いて守りたいと思っています。いくら俳優だからといって、プライバシーを侵害される理由はないでしょう」
――それはそうですね。でももう一つだけ、プライベートなことを聞かせてください。あなたは、『月刊朝鮮』(2004年1月号)に掲載された「韓国のトップブランド100」に、会社名や商品名に並んで、個人名で男優としてただ一人選ばれました。つまり、「ペ・ヨンジュン」は、もう立派なブランド名なわけで、今年の年収は、50億ウォン(約5億円)とも100億ウォン(10億円)とも囁かれています。この莫大な収入を、どうやって管理しているのですか。
「管理なんかしませんよ(笑)。収入は全部、両親に預けています。私はお金のことで頭を使うのが苦手なので、金銭面で悩んだりしたくないんです。きっと両親は楽しんで管理しているのではないですか。お金も貯まるでしょうし。実際、両親がどう管理しているのかは、よく知りません」



「誠実で真摯な人間」を貫く




――最近の政治状況についてはどうお考えですか。
「政治の話は、あまりしたくないんです。何だか、ばかばかしいじゃないですか」
――それでは政治に参加する芸能人たちについては? 俳優のシン・ソンイルは国会議員になりましたし、2年前の大統領選挙では、ムン・ソングンやミョン・ゲナムら有名俳優たちが盧武鉉候補(現大統領)を応援して話題になりました。
「政治に参加する俳優たちは、もちろんそれぞれが自分の意思で行動しているわけで、私がどうのこうのコメントする立場にはないでしょう。しかし私自身は、将来的にも、政治活動をすることはないと思います」
――そうですか。続けて将来のことを聞かせてください。ファンがあなたに抱いているイメージは、「知的でセクシーな男性」だといわれますが、今後年齢を重ねるにつれ、イメージチェンジを図っていこうとお考えですか。
「私のイメージは、『知的でセクシーな男性』ですか。それは大変な褒め言葉ですね。光栄です。
 私はつねづね、俳優というのは政治家と違って、固定されたイメージに固執する必要はないと思っています。ただ、基本的なイメージは貫きたいんです。それは、『誠実で真摯な人間』というイメージです。つねに最善を尽くして生きていきたいし、仕事に関していえば、幅広い役柄にチャレンジしていきたいですね」
――映画『スキャンダル』の次の作品は、まだ決まっていないのですか。
「ええ。でも映画であれ、テレビドラマであれ、早く次の作品に入りたいという気持ちはあります。一日でも早く新作を引っさげてファンの前で挨拶することが、ファンの皆様の熱い愛情に応える最善の方法だということは重々承知しています」



将来は映画監督を目指します




――大学に復学する気はないですか。
「それは心痛む質問ですね(笑)。いまの私のスケジュールでは、復学は当分無理でしょうね。なにせご存じのように、成均館大学(朝鮮王朝時代から続くソウルの名門校)は、『適当に通う』というわけにはいかない学校ですから。でも、いつかは卒業しなくてはいけませんね」
――将来は映画監督になりたいという夢も持っておられるとか。
「はい。いつ実現するかはまだ分かりませんが、焦らずにいこうと思っています。私が目指すのは、自分が監督兼主演を務める映画です。ジャンルはスリラーで、心温まるようなストーリーの作品。いま、水面下で少しずつ準備をしている最中です」
――他に夢は?
「カメラ片手に存分に周遊し、写真集を出したいですね。ページをめくると、私の撮った写真があって、その脇に一編の物語が綴られていて、という写真集です」
――最後に、アジアのファンに一言お願いします。
「『冬のソナタ』を愛してくれたアジア中のファンの皆様の声援に、今後とも多くの作品を通して応えていくつもりです。また、アジアのすべての人の心が温まるような、ボランティア活動みたいな善行も、これからはファンの皆様と一緒に行っていきたいと思っています

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