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左右対称の形と体内構造を持つタケノコモノアラガイ。右が右巻き貝、左が左巻き貝=黒田教授提供
http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/science/news/20040824k0000m040132000c.html
巻き貝の右巻きと左巻きを決めるのは、細胞骨格を構成するたんぱく質線維「アクチン」が深くかかわっていることが、黒田玲子・東京大総合文化研究科教授らのチームが明らかにした。24日発行の国際学術誌「カレント・バイオロジー」に発表した。
巻き貝には内臓の配置や貝殻の形が、右手と左手のように鏡に映して対称の右巻きと左巻きが存在する。研究チームは、タケノコモノアラガイの受精卵で、細胞の形態を維持するアクチンの生成を阻害したところ、受精卵は右巻きにも、左巻きにもならず死滅した。卵割段階で、アクチンが巻き方を決めている可能性が高いという。
また、卵割の初期段階では、右巻きと左巻きは、卵割の進み方に差があることも判明した。4細胞から8細胞へ分裂する際、右巻きは最初から右へねじれながら分裂したが、左巻き貝は途中まで右巻きでも左巻きでもない対称な形で卵割が進み、最後に左へねじれた。
黒田教授は「巻き貝の左右の卵割様式の違いをつかさどる遺伝子が、貝の巻き型を決定する遺伝子と深く関連しているようだ。今回の研究成果を、巻き型遺伝子の決定につなげたい」と話している。【永山悦子】
毎日新聞 2004年8月24日 1時00分