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株式日記と経済展望
http://1234tora.fc2web.com/kabu77.htm
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映画「華氏911」と「フォッグ・オブ・ウォー」 小泉首相は
「政治的な立場の偏った映画は、見たいと思わないね」
2004年8月20日 金曜日
◆「華氏911」だけじゃない!豊作ドキュメンタリー ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/gei/2004_07/g2004073103.html
「とにかくてんてこ舞いです」というのは、「華氏911」=写真上=を配給するギャガ・コミュニケーションズの宣伝担当者。「劇映画に比べ、セリフも膨大で、字幕製作が大変です。加えて、マスコミや映画ファンからの問い合わせが頻繁で、公開前からこんなに話題になる作品は初めて」という。
米国の銃社会を批判したムーア監督の前作「ボウリング・フォー・コロンバイン」は、ドキュメンタリーとしては異例の興行収入5億円を記録。全米2000スクリーンで公開された「911」は1億ドルの興収を記録して、期待は高まる。「国内150スクリーン公開で、興収2ケタは固い。20億円も可能か…」(洋画配給関係者)。
一方、「911」から約1カ月遅れ、本当の9月11日に公開されるのがやはり米政権の裏側を描いた「フォッグ・オブ・ウォー」(エロール・モリス監督)=写真下。
ケネディ−ジョンソン政権下で国防長官を務めたロバート・マクナマラ氏(88)の告白とベトナム戦争時の映像を交えて、その時代を解明したものだ。
「太平洋戦争では東京大空襲など日本空爆に関与し、米ソ冷戦の最も厳しい時代に44歳で史上最年少の国防長官になったマクナマラ氏ならではの歴史的発言が収められています。日本への空爆やベトナムの北爆へも今だからこそ明かせる、彼の否定的見解など見ごたえは十分」(宣伝担当者)
同作は話題性では「華氏911」に及ばないが、「反ブッシュ運動を行う米民主党系の団体が、モリス監督にCMの製作を依頼するなど、ある意味ではムーア監督以上に現政権を否定するのがモリス監督」(同)とか。
熱いドキュメンタリー・実録映画はこれだけではない。別表のとおり、戦争や事件を描くだけでなく、音楽、バレエなどアートや自然をテーマにしたものなどバラエティーに富む。
「ムーア監督作品のヒットで、昨年から硬派な作品でも観客を呼べると業界では見ています。この傾向はしばらく続くでしょう」(業界アナリスト)
ひと味違った映画もまた面白そうだ。
◆映画館主義 第12回 「華氏911」
http://mag.seikyou.ne.jp/0408/cinema_0408.html
いま、ドキュメンタリー映画が注目を集めている。マイケル・ムーア監督の「華氏911」効果は大きい。カンヌ国際映画祭の最優秀賞・パルムドール受賞を受けて、日本でも秋公開の予定が夏に早まった。正々堂々たるブッシュ批判の映画だが、ただ、権力のあやうさも告発しているのだと思う。じつは、現時点(8/3)でも日本語字幕の入ったフィルムは出来ておらず、マスコミ試写もまだ行われていない。いかに、急いで公開しようとしているかが分かる。先月で終わった立命館大学の3、4回生ゼミで、この「華氏911」の宣伝を担当しているギャガ関西支社の宣伝チーフに、映画宣伝の醍醐味について6月に話をしてもらった。大阪と東京でメインの写真を変えていたり、新聞社によってコピーの原稿を変えなければならなかったり、などの話は、私もおもしろかったのだが、その時点ですでに「華氏911」の予告編をビデオで見せてもらった。曰く「まだ本編の映像が届いていないので、ある素材、ニュースの一部も使って作ったもの」とのこと。ほとんど材料がない状態でも、あるものを使って作ってしまう、という宣伝マン魂を教えてもらった。
これほど急ぐのは、確かにドキュメンタリー映画にブームと言われる兆しが見えていても、でも、時期を逃すと、観客も逃してしまう、という判断がある。米国での大ヒットが大統領選挙がらみで、社会面でニュースで放送される、というこの時期を逃す手はない。とにかく、一週間でも早く公開したい。と言うわけでの突貫作業のようです・・。でも、早く見られるのは観客にとってもありがたい話。これを機会に他のドキュメンタリーにも観客の目が向いてほしい。
本当は、「華氏911」といっしょに公開したかった元米国の国防長官マクナマラ氏の告白をベースにしたドキュメンタリー映画「フォッグ・オブ・ウォー」予定通り9月公開。こちらも、見逃してほしくない。題名通り、戦争は権力者の都合で始まる、”戦争の嘘”という厳然とした事実を、自らの生い立ち、仕事を通して語っている。ナチスドイツによるユダヤ人虐殺についての記録映画は作られ続けているが、世界唯一の超大国になった米国が、いかに戦争に手を貸し、手を汚してきているのかを、米国から告発する作品が次々と作られはじめた。「華氏911」は、キューバでも多くの観客を集めているという記事の中に、「とはいえ、これだけ自由に映画を作ることの出来る米国がうらやましい」というキューバ国民の感想も紹介されていた。翻って日本は?米国言いなりで、イラクに自衛隊を派遣し、憲法の改正まで日程に上ってきている状況の中で、発言する映画人は何処に?
◆「華氏911」は見ない 首相、日米同盟を優先
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040802-00000186-kyodo-ent
小泉純一郎首相は2日夕、ブッシュ米大統領を痛烈に批判したマイケル・ムーア監督の映画「華氏911」について、記者団からの「見に行く予定はあるか」との質問に「(見に行く)計画はないですね」と述べた。
「華氏911」は今月中旬から都内で先行上映される。首相は「批判ばっかりしても意味がないんじゃないの。批判よりも建設的な議論。政治的な立場の偏った映画は、あまり見たいと思わないね」と指摘。映画好きの首相だが、大統領との「同盟関係」を優先する意向のようだ。
首相官邸での質問に答えた。(共同通信)
[8月2日20時7分更新]
(私のコメント)
映画「華氏911」が話題になっていますが、テレビでも断片的に内容が紹介されているのですが、ブッシュ大統領の911テロの報告を聞いたときの表情は、事態を掌握できない戸惑いの表情が読み取れた。普通ならばすぐさまホワイトハウスに駆けつけて指揮を取らねばなりませんが、しばらくの間なにをなすこともなく「私のやぎさん」を読み続けた。
これは明らかにブッシュ大統領自身は事前に911テロを知らず、だからこそ何をなすことも出来ずに無駄な時を過ごしてしまった。ホワイトハウスのスタッフ達も自体の掌握に追われて大統領に何も進言できる状況ではなかったのだろう。もしこれが劇映画の大統領ならてきぱきと指揮を取ったことだろうが、これがドキュメント映画の面白さだ。
もしブッシュ大統領が計画を知っていて、あのような表情が出来たのならかなりの役者だ。これと似たようなことは日本でも95年の神戸大震災の時にあった。6000人以上の犠牲者が出た大災害であるにもかかわらず、ときの村山首相は知らせがあってもどうすることも出来ずに淡々と翌日まで日常業務をこなし続けた。
どのような事が起きたかはテレビを見れば一目瞭然であるにもかかわらず政府は動かなかった。政権の中にいると外の世界がわからなくなり、政府スタッフの報告しか受け付けず首相は裸の王様になりやすい。小泉首相も三年も首相をやっていると官僚たちからしか情報が入らず庶民とは感覚がずれてきてしまうのだろう。小泉首相が「華氏911」を見ないと言うのも裸の王様になってしまった証拠だ。
911テロが自作自演だという説もありますが、おそらく政府内部のチェイニー副大統領やラムズフェルドは知っていた可能性がある。二人ともホワイトハウスにいたし、ブッシュ大統領が留守の間に仕組んだ陰謀の可能性もある。映画では時間の関係で扱えるテーマは限りがありますが、ブッシュの資質や性格はよくわかる映画のようだ。日本でもニュースの断片を繋げれば「華氏911」のような小泉首相の面白い映画が出来るだろう。
映画の「華氏911」と私の「株式日記」はよく似ている面がある。複数の既存のニュースを繋げていって一つの主張に仕上げていることだ。一つのニュースではよくわからないことでも複数のニュースを並べれば浮かび上がってくる事実がある。映画では画面でしか表現できない事実を浮かばせる事が出来る。911テロ直後のブッシュ大統領の表情がそうだ。
もう一つの映画は「フォッグ・オブ・ウォー」ですが、これは9月11日に公開されますが、マクナマラ元国防長官の回想インタビューを映画にしたらしいのですが、発言内容が東京空襲に触れた発言が話題になっている。映画はまだ見れませんが試写会を見た人は次のように書いている。
◆フォッグ・オブ・ウォー シネマノート
http://anarchy.k2.tku.ac.jp/japanese/cinema/notes/2004-06.html
◆マクナマラは、ハーバードの「統計管理学部」の出身である。だから、彼は、ベトナム戦争に関して、兵士の「勤務」状態をパンチカードで管理することをはじめた。すでに彼は、第2次世界大戦において、ルメイのもとで、出撃した爆撃機が爆撃をせずに引き返してくるデータを分析し、それが、恐怖のためであるという結論を引き出す。これに対してルメイの反応は、兵士を恫喝することしかなかったが、マクナマラは、高射砲の攻撃にさらされる1700メートルでの爆撃に対して、高射砲の射程距離をこえた上空で地上攻撃の出来るB29の開発を促進させた。それ以前の爆撃機は4500メートルまでしか上昇できなかったが、B29は、7000メートルまで上昇できた。
◆マクナマラは、ルメイが兵士にカーボーイ的「勇気」を要求したのに対し、兵士の安全のためにB52の使用を主張した。しかし、わたしははっきりとおぼえているが、1945年当時、「空襲」で最も恐ろしかったあのは、B29の攻撃だった。それは、他の音とは違う鈍く、地面に響くような音を立てて飛来し、地上からの反撃を全くしがにかけずに焼夷弾をばらまいた。1晩に10万人が死んだ東京大空襲は、B29爆撃機の成果だった。
◆もし、B52が導入されなければ、東京大空襲はなかったかもしれない。あったかもしれないが、アメリカ兵はもっと死んだだろう。戦後、子供時代のわたしは、アメリカの戦闘機の残骸から飛散した窓ガラスの破片を拾って遊んだ。それを固いものにこすりつけると、いい匂いがした。「合成樹脂」というものとの最初の出会いである。ということは、アメリカ軍の戦闘機も、墜落していたということである。だから、ルメイのようなカーボーイ精神であの戦争を戦えば、アメリカは多大の損失を出し、日本に勝ったとしても、戦争をしたことに対する批判は高まったかもしれない。
◆原爆も、マクナマラは、その投下に反対をしたかもしれないが、そのような兵器を誕生させた根源の一つは、マクナマラが専門とした統計管理学でもある。シミュレーションは、あらゆる可能性を産出し、予測しようとする。いまのマクナマラは、アメリカ兵・アメリカ市民の死と被害だけではなく、地球市民の利害をシミュレートし、警告を発しているのだろう。しかし、彼が、そういう予測やシュミレーション自体、つまり理性の計算的使用が、戦争を存続させていることを看過しているように思える。
(私のコメント)
マクナマラは在任当時から人間コンピューターと言われた切れ者であった。大日本帝国の軍人達は何も考えずにアメリカと戦争を始めたが、アメリカでは真珠湾空襲の時にはB29の試作機が作られていた。そして東京上空を高射砲も届かない高さから爆弾をばら撒いていった。全く戦争にもならない一方的な虐殺が行われた。その立役者がマクナマラである。
ベトナム戦争においてもB52による戦略爆撃でベトナムのジャングルを焼き払った。しかしその頃からアメリカの戦法は効かなくなり始め、ベトナム戦争では負けた。ベトナム戦争は今までの戦争とは異なり国対国の戦争ではなく一種の内戦なのだ。イラク戦争も国対国の戦争ではなく内戦の泥沼に足を突っ込んでいる。マクナマラはそれを警告したくて映画で発言したのだろう。