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世界の環境ホットニュース [GEN] 400号
発行:別処珠樹 転載歓迎 04年7月24日
さえずる鳥はオーストラリア起源
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世界にはおよそ1万種近くの鳥がいます。その約6割が「スズメ目」に属する鳥
です。スズメ目の鳥は別名「鳴禽」songbirds ともいい、さえずる鳥として一括
されています。鳥類の分類は10数年前に大きく変わったそうですが、ウィキペ
ディアによると次のような具合になっています。
▼ウィキペディア 「Sibley-Ahlquist鳥類分類」
http://ja.wikipedia.org/wiki/Sibley%E5%88%86%E9%A1%9E%E4%BD%93%E7%B3%BB
鳥綱
平胸小綱
キジカモ小綱
ミフウズラ小綱
キツツキ小綱
ブッポウソウ小綱
ネズミドリ小綱
スズメ小綱
カッコウ上目
オウム上目
アマツバメ上目
フクロウ上目
スズメ上目
ハト目
ツル目
コウノトリ目
スズメ目 ← 全鳥類の6割足らずを占める
タイランチョウ亜目
スズメ亜目
カラス小目 モズ・コトドリ・カササギ等 1100種
スズメ小目 ヒタキ・シジュウカラ・ツバメ等 3500種
このほどアメリカ・ミネソタ大学、ベル自然史博物館のキース・ベイカーさんが
新しい研究成果を発表し、スズメ目の鳥は4500万年ほど前にオーストラリア周辺
(Australasia)・ニューギニア周辺から、南極以外の全大陸に広がったと報告し
ています。
スズメ目は上に見るように、現在の分類で大半が「カラス小目」と「スズメ小目」
に分けられています。カラス小目の方は、オーストラリア周辺からユーラシアに
広がって行ったようです。一方のスズメ小目はユーラシアからオーストラリアに
広がったと考えられて来ました。ところが今回の研究で、DNA分析によって、
スズメ小目もオーストラリア周辺からユーラシアへと広がったことが判明しまし
た。しかもスズメ小目の方がより古い時期に渡っていったらしい。いずれにして
も、スズメ目の大半がオーストラリア周辺からユーラシアへ広がったことが分か
りました。もっと簡単にいうと、鳥類の半数以上を占めている「さえずる鳥」は、
オーストラリア周辺が故郷だということになります。
もう少し詳しくいうと、今から4500万年ほど前にまずスズメ小目の鳥たちがオー
ストラリア周辺からユーラシアに渡り始めた。その後、2500〜2000万年前にカラ
ス小目の鳥たちが後を追うように渡って全世界に広がっていった、というのが、
おおよそのストーリーです。そのころには、アジアとオーストラリアは現在より
もっと近づいていて、その間を埋めている列島を伝って鳥たちが渡っていくこと
が可能だった、とベーカーさんは解説しています。
さて、この後は編集子の「ぼやき」です。上のような分類は分類学の素人にとっ
て余りにも分りにくい。綱の下に小綱がある。目だけでなく、上目や亜目・小目
と細分されすぎていて、いかにも無理がある。こうなると、専門外の人間が介入
する余地はないように見えます。何か革命的な分類法が工夫される余地はないの
でしょうか。どうもあれこれの文章を読んでいると、そのような新しい発想を展
開しようとしている(した)人はいるらしい。将来、もっとずっと見通しのよい
分類法が出現することを期待したいというのは素人の戯言なのでしょうか。
----本日の催し----------------------------------------------------------
「自閉症=ワクチンの水銀が原因説、強まる」
大阪府阪南市・尾崎公民館 2004年7月24日(本日)午後2時〜
講師=別処珠樹
「自閉症」とワクチンの水銀防腐剤の関係がますます疑われる状況です。最近
の世界の研究動向(デンマークで自閉症がなぜ減ったか、等)を明らかにし、
国内の動向についてもお話します。
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