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【歯医者】この世から虫歯が無くなる!?【大恐慌】
http://bx.sakura.ne.jp/~kyou/diary/archives/200407/bcs3l1.shtml
2004年07月17日
いやー今日はびっくりしました。目ん玉飛び出た。日経流通新聞読んでたら、やっと来ましたついに来た、虫歯根絶の最終兵器が。
まず予備知識として虫歯のメカニズムを知る必要があります。虫歯ってのは一種の伝染病で、ストレプトコッカス・ミュータント菌(口内の糖分を酸に変えて虫歯を作り出す)が親から子へ唾液などを介して伝染することによって発生します。そんで、2〜3歳くらいまでにこの菌に感染しなかった場合、口の中の細菌はバランスを保つために新しい細菌を受け付けなくなり、「一生虫歯にならない人」が完成します。たまにいますね、全然歯ぁ磨かないのに虫歯にならない人。こういう人は口内にストレプトコッカス・ミュータントが存在していないんだそうです。日本人にも3%程度いるらしいですよ、こういう人。
「親の唾液が一切赤ちゃんの口に入らないようにする」とかすればいいんですけど、3年間これを守るのはなかなか難しいわけです。で、一旦感染してしまったストレプトコッカス・ミュータントは一生口の中で繁殖し続けるので、どれだけ念入りに歯磨きしようとも、完全に虫歯を防ぐことは出来ないんですね。さあ、これで虫歯知識はOK。こっから本題です。
フロリダ大学のジェフ・ヒルマン博士が作り出した新造バクテリア『BCS3-L1』(博士が国際特許取得済み。特許番号6391285)は、口内でストレプトコッカス・ミュータントと同じように継続的に増殖し、増殖の過程においてストレプトコッカス・ミュータントを完全に撲滅するんだそうです!! しかも永久に!! つまりどれだけ口の中が砂糖まみれでも、それを酸に変える細菌がいないから虫歯は出来ないのです! 永久に!
使用方法はいたって簡単で、BCS3-L1がごっちゃり増殖している液体を歯に塗るか、その液体でうがいをするだけ。革命的発明ですよこれは。ノーベル賞ものですよ。どうすんだ歯医者は。業界再編必死。合併とリストラの嵐。審美歯科の台頭。世界最大のメガ歯医者誕生(ない)。歯磨きしない口臭野郎の増大。これを想像するだけで何かわけもなくワクワクしてきます
FDA米食品医薬局の認可を得るために博士は現在絶賛臨床実験中だそうで、数年後の実用化を目指してるそうです。一体治療費はいくらになるんでしょうか。継続して使うタイプの薬ではなく、一発で一生効くというものだとすると、100万円とかでも需要は十分ありそうです。わざと薬の効果を時限的にして、リピーターから大金巻き上げるという線も。博士は間違いなく世界一の金持ちですなっ!
つーか遅い! 遅すぎる! 僕の歯は既に全滅です! あと20年早く出てきてくれてたら!
口内の細菌を全て殺傷すると歯に悪影響が出るので虫歯菌だけを殺す性質のものが今までいくつか作られていたらしいですが、今回の発明のキモは「菌で菌を殺し、効果を半永久的にする」という部分にあるみたいです。
当初、日経流通新聞の表記に倣い「ストレプトコッカス・ミュータントウィルス」とこちらでも書いていましたが、これはウィルスではなく細菌(バクテリア)であるという指摘をたくさんいただきました(また、ミュータント菌ではなくミュータンス菌であるという指摘もいただきました)。日経流通新聞がどのような意図でウィルスと表記したのかは不明ですが、こちらでの表記は菌、細菌に統一するよう訂正しました。
おまけで細菌とウィルスの違いを。
細菌
自分自身の力で増殖する。ウィルスの数十倍から数百倍の大きさである。生物として生きていくために必要な物質、遺伝情報を全て持っている。人間や動物の細胞の外側から作用して病気などを引き起こす。
ウィルス
他の生物の中に入り込み、宿主の力を借りて増殖する。電子顕微鏡でないと見えない大きさ。遺伝情報とコートたんぱく質、抗原たんぱく質だけで構成されおり、宿主のDNAに組み込まれると遺伝情報だけになってしまう。人間や動物の細胞の内側に入り込み、病気などを引き起こす。