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重役は裸の王様(藤原雄一郎)
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投稿者 乃依 日時 2004 年 6 月 30 日 17:19:06:YTmYN2QYOSlOI
 


http://park5.wakwak.com/~inox/sjk/sub30055.htm


第六章 創業者の精神に学ぶ

「企業は人なり」とならんで企業経営の最重点事項に「顧客第一の精神」があります。世界同時デフレ時代には従来とは比較にならないほど「顧客第一の精神」が重要になってきています。創業者が今日の栄光を勝ち得るために艱難辛苦した時代の「創業の精神」に今こそ学ばなければなりません。
055号
三 洋の東西を問わず創業者の精神が忘れられている

松下電器の事例に加えてIBMの事例をご紹介しましょう。
巨額の赤字に陥ったIBMは企業再建のためにガースナを最高経営責任者に迎えました。そのガースナが最初に行ったことは顧客の声を聞くことでした。

ガースナは最重要顧客二百社のCIO(最高情報責任)を一同に集めて「IBMの仕事で適切だったものは何か」「同じく間違っていたものは何か」と聞きました。そしてその内容にガースナは驚愕したと言います。その内容とは

●IBMと取引して気持ちの良かったことは無かった。
●ひっきりなしに訪問するセールスと付き合うのは大変、しかも私たちの要求に素早く答えてくれる担当者は一人もいない。
●我々の企業にIBMのメインフレームがどうして必要なのか説明しないばかかりかIBM製品の悪口を言い、IBMがメインフレームから撤退する口ぶりであった。

等々極めて厳しい内容でありました。そこには顧客重視の精神はなく、IBMの自部門のハードを売り込むことに一生懸命でそのためにはIBM他部門製品の悪口を言うありさまであったそうです。

そこでガースナは「お客様の困っていることを一切まとめて面倒を見る」すなわち現在猫も杓子も追随している「ソルーション」に大きく経営の舵を切りました。そしてご承知のとおりの見事な再建を果たし、ガースナは引退しました。

しかしここで重要なのはガースナが創業の精神に帰って企業を再建したことです。

創始者のワトソン一世は「マシンの売り込みはするな。将来のビジネスの話をせよ」と率先垂範していたものです。まさに「ソルーション」の原型がそこにあるではありませんか。ガースナはその原点へ帰るようにプロセスを改革したのです。

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