投稿者 エクセル 日時 2004 年 6 月 30 日 13:51:45:bYX76twYRXTUw
(回答先: 数理論理学入門 高崎金久(京都大学) 参考書・講義資料 投稿者 乃依 日時 2004 年 6 月 30 日 13:48:22)
http://www.math.h.kyoto-u.ac.jp/~takasaki/edu/logic/index.html
前原昭二「記号論理学入門」(日本評論社,1967)
自然演繹に基づく古典論理の形式化と意味論を非常に丁寧に
説明している.記号論理学を一から学べる初心者向きの本である.
松本和夫「数理論理学」(共立出版,初版1970,復刊2001)
最近復刊された本で,数学基礎論の立場から記号論理学を解説
している.論理体系としては古典論理・直観主義論理・様相論理を,
また方法としては意味論から各種の形式化までを網羅的に扱っている.
さらに自然数論の無矛盾性の証明への応用も紹介している.
林晋
「数理論理学」(コロナ社,1989)
数理論理学の本格的な解説書.自然演繹とシークェント計算
による形式化を非常に厳密な枠組みで展開している.また,
導出原理・単一化やカリー・ハワード対応など計算機科学と
関連の深い話題についても詳しい.説明がかなり「硬い」ので,
読むには相当の覚悟が必要である.
萩谷昌己
「ソフトウェア科学のための論理学」
(岩波講座ソフトウェア科学11,岩波書店,1994)
計算機科学への応用を示しながら,多彩な内容を形式張らずに
紹介している.前半はシークェント計算に基づいて古典命題論理・
述語論理を解説し,後半はその発展として様相論理・動的論理・
直観主義論理・構成的解釈を論じている.またカテゴリー論にも
触れている.残念ながら,現在のところ出版元で品切れの状態.
小野寛晰
「情報科学における論理」(日本評論社,1994)
おもにシークェント計算に基づいて,古典論理,直観主義論理,
様相論理を解説している.計算機科学と関連の深い導出原理・単一化
についても詳しく紹介している.情報科学向けの記号論理学の教科書の
「標準」と呼ぶべき内容を備えている.
竹内外史「線型論理入門」(日本評論社,1995)
線形論理の解説書.「入門」と題しているが,決して入門書
ではない.読むためには記号論理学(特にシークェント計算)
についてすでにかなりの経験を積んでいることが要求される.
しかし挑戦に値する面白い本である.論理回路・オートマトン・
ペトリネットなどをモデルにして線形論理のさまざまな可能性を
紹介している.
桔梗宏孝「応用論理」(情報数学講座,共立出版,1996)
前半では,素朴な論理パズルから説き起こして,古典論理の
意味論と形式化(自然演繹に基づく)をわかりやすく説明している.
後半では,論理プログラミングの考え方,不完全性定理との関わり,
ラムダ計算との関わりなど,幅広い話題を紹介している.
計算機科学を意識した新しい形の入門書としてお勧めできる.
角田譲「数理論理学入門」(朝倉書店,1996)
述語論理の形式的取り扱いを基礎から説き起こし,形式的体系に
まとめ上げて,そこから健全性・完全性・決定可能性についての
結論を引き出すまでの過程を,非常に丁寧かつ詳しく解説している.
例も豊富に用意されている.用語や流儀に若干独特なところがある.
小松寿「記号論理学入門」(森北出版,1997)
古典論理の意味論と形式化(特にヒルベルト流の形式化)
を詳細に解説している.意味論を丁寧に,かつ手抜き無しの
きちんとした枠組みの中で説明しているのが特色である.
タブロー法による恒真性の証明など,他の本ではあまり
採り上げられていない話題も紹介している.
田中俊一
「位相と論理」(日本評論社,2000)
論理と位相の関係を詳細に解説する極めて特色のある本である.
話はブール代数・ハイティング代数と位相空間の対応関係を軸に展開し,
最後はカテゴリー論にまで至る.読むためには代数系や位相空間についての
基礎知識が要求される.著者のWebページには本書に関する補足等もある.
田中一之「数の体系と超準モデル」(裳華房,2002)
現在の数学基礎論における自然数論や実数論の見方を紹介する本.
数学基礎論の三つの柱である計算論,証明論,モデル論のそれぞれについて
簡潔で明快な解説を行っている.記号論理についてはむしろ必要最小限の説明に
とどめている.読むにあたっては代数系・離散数学・記号論理についての
基礎的知識を持っているほうが望ましい.
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