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見えない軍隊とその戦場 4 No.46【2004年9月13日】
http://www.chibalab.com/news_otoshiana/documents/20040913.htm
■ヤフーのADSL戦略の過激な宣伝攻勢
いまや地方のNTTは、ほとんど解体されて、かつての面影は無いに等しい状況である。私の会社に、いつも何やかやと出入りしてくれて、コンピューターのセッティングからインターネットはもちろん、携帯電話やビジネス電話からLANのネットワークに至るまできめ細かくサポートしてくれたNTTの担当員は、いまやリストラから生き残るために、とんでもなく遠くの地域に飛ばされてしまっている。そして地元の市には、ほんの暫くのあいだに営業マンはひとりもいなくなってしまったのだ。ほんとうに見るも無残な信じられない光景である。
NTTの次世代の光ケーブルの波及を阻止するために、「規制緩和」を旗印にしたアメリカ資本の尖兵役をになったヤフーのADSL戦略の過激な宣伝と低価格の攻勢に、かなりの市場が乗っ取られてしまったのである。こともあろうに、アホでマヌケな私の小さな小さな会社も、半分はヤフーBBのADSLのIP電話宣伝攻勢に嵌められてしまったのである。聞くところによると、どうやら社長(たぶん、私のことらしい)がいちばんアホで、マヌケらしいのだ(笑)。というわけだから、タイミングを見て、もう一度NTTの高速光ケーブルに変えねばならないのだ。 やれやれ
確かに既得権にあぐらをかくことは許されない。しかし徹底した「競争至上主義」は、社会を連帯感のないエゴイスティックで野蛮な個人主義の方向に導き、いつ戦争が起きてもおかしくない疑心暗鬼の不安な社会を生みだしてしまう。「競争至上主義」の行き着くところは、結局のところ戦争しかなくなると、私、千葉邦雄は思っている。頭の中で抽象的に描く「市場経済」のイメージはとても素晴らしいのだが、現実には弱肉強食の果てしない暴力連鎖の果てに、たったひとりの強者だけが生き残る「力学」に他ならない。ようするにアメリカの単独行動主義(ユニラテラリズム)がそうであり、「テロとの戦争」というインチキをでっちあげて、イラク先制攻撃を正当化してまで守ろうとしたドル帝国主義がそうであり、最近よく囁かれる「ウイナー・テイクス・オール(ひとりの勝者がすべてを奪う)」がそうである。
■構造改革という「小さな政府」論の背後
たとえば、既得権排除を誰よりも先に唱えてきたオリックスの宮内義彦氏は、総合規制改革会議を舞台にして電力を始めとして、あらゆる業界の規制撤廃を提唱してきた「改革者」ですが、その影の部分では、あのハッタリと汚職にまみれたエンロンの日本上陸の尖兵となっていたのだ。米エンロンの貪欲な錬金術については、 前回のコラムNo.38 で触れたとおりである。既得権を排除したあとで、新たな美味しい権益が転がりこんでくる立場の会社の代表が、こともあろうに総合規制改革会議の議長の座に、永い年月にわたり居座り続けているのもまさに不思議な流れである。構造改革という「小さな政府」論の背後には、政府機能を悪として排除したあと、自分たちの好き放題のやりかたで、まるでジャングルのハイエナのような無統制なやり方で骨までしゃぶりつくすのである。
確かにソフトバンクBBの行動は、今までの日本のビジネスの手法とはかなり異質で、さすがは革命児とばかりに巷でもてはやされているが、実際のところは、やはり彼もアメリカ資本のエージェントとしてその存在感をアメリカに売り込むために、誰よりも早く行動しているに過ぎない。このままでいくとヤフーBB=BBフォンの“無料キャンペーン”という顧客奪還戦略が、そのままNTT局社内の「自前の工事」の占領につながっていくにちがいない。
もし総務省の紛争処理委員会がその協議に積極性を示さなかったなら、アメリカは公取を使って「消費者保護」を名目に、「独占・寡占規制の見直し」に訴えて、NTTをまるで「ならず者」のフセインやビンラディンのように追い込んでいくような感じになるかもしれない。しかもこの「見直し」は、ヤフーBBでも一時かなり問題になったように、NTT加入者の個人情報がすべて競合ライバル社に流れる危うい危険性を秘めているのである。ソフトバンクの孫正義氏のビジネス発想は、日本の「和」の精神からはほど遠く、まさにヘッジファンドの「ウイナー・テイクス・オール」思想そのもののようである。いま彼、孫正義氏は、国家の基幹インフラである「通信事業」を占領しようと、草原に住む獣のように虎視眈々と、その巨大な獲物に狙いを定めたようである。
千葉邦雄のニュースの落とし穴
http://www.chibalab.com/news_otoshiana/