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5月27日付・読売社説(1)
[アル・カーイダ]「テロ支援の組織作りを許すな」
国際テロ組織アル・カーイダの拠点づくりが、日本で着々と進んでいたのではないか。
アル・カーイダの関連組織幹部のフランス人容疑者が国内に潜伏していた事件に関連して、警察当局は、バングラデシュ人ら五人を逮捕するとともに、首都圏や新潟県内の関係先十数か所を一斉捜索した。
逮捕、捜索対象となったのは、いずれも、容疑者と電話で連絡を取っていた外国人やその関係先である。
バングラデシュ人は日本で通信関連会社を経営しており、米海軍横須賀基地の正面ゲート前のビルにも事務所を構えていた。本国のイスラム原理主義政党の構成員、との情報もある。
米同時テロのように、数年かけて支援組織をつくり、綿密に役割分担し、完全に準備を整えてテロを実行するのが、アル・カーイダの手法である。
何の意図もなく、わざわざ米軍基地の前に事務所を置くだろうか。米軍の情報収集や、米軍を狙ったテロの準備行動だった疑いもあるのではないか。
アル・カーイダ系のテロ組織は日本を攻撃すると繰り返してきた。単なる威嚇ではなく、実際に計画を進めていた可能性がある。警察当局は、彼らの狙いや実態を徹底解明する必要がある。
現に昨年三月、パキスタンで逮捕されたアル・カーイダ最高幹部は、日韓共催のサッカー・ワールドカップの際に日本でのテロを計画したが、支援基盤がなく断念した、と供述している。
フランス人容疑者は、郵便局で頻繁に資金を出し入れしていた。バングラデシュ人の会社も資金の流れに不透明な点が多いという。日本がテロ資金の調達先になっていたとしたら、これも重大だ。
日本の当局は、一年二か月も潜伏していたフランス人容疑者の身柄を確保できず、国内関係者の存在を知ったのも、容疑者を逮捕したドイツ当局からの連絡によってだった。
欧米の情報機関が「極めて憂慮すべき事態」と、日本の対応の甘さを指摘してきたという。捜査手法や資金規制、出入国管理などの面で、さらに法整備や体制の強化を進めることが急務だ。
欧米では、通信傍受がテロや組織犯罪の摘発で威力を発揮している。日本にも通信傍受法があるが、薬物や銃器犯罪など適用できる犯罪が限られ、手続きも煩雑すぎる。テロ対策にも柔軟に活用できるよう、早急に改めるべきである。
日本も国際テロの標的になっているという現実を見据えるべきだ。国際的な対テロ・ネットワークの環(わ)のなかで、日本が最も弱い部分になってはならない。
(2004/5/27/01:57 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20040526ig90.htm