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米大統領、イラク民主化へ5段階措置 虐待刑務所は解体
http://www.asahi.com/international/update/0525/009.html
ブッシュ米大統領は24日、ペンシルベニア州の陸軍戦争大学でイラク政策について演説し、民主化に向けて今後、米政府が実行する5段階の措置について説明した。大統領は6月30日に主権を完全に移譲することを改めて表明し、「占領の終結」を意味すると説明した。米軍は多国籍軍の一員として駐留を続けるとしたが、最終的な撤退の時期は明言しなかった。米軍による虐待事件の起きたアブグレイブ刑務所については、代替施設の建設を待って取り壊すことも明らかにした。
ブッシュ大統領は主権移譲に向けて、同様の演説を今後、数回にわたって予定しており、今回が第一弾。治安情勢の混乱が続くなか、大統領の支持率は軒並み40%台に落ち込んでおり、米世論や国際社会に米国が進めるイラク政策への支持を改めて訴える狙いがあると見られる。
大統領は今後、米政府が進める政策の内容を、(1)イラク(暫定)政府への主権の移譲(2)安定と治安の確立支援(3)社会基盤整備の継続(4)さらなる国際支援(5)選挙実施の支援――という「5つのステップ」に整理、それぞれの具体的内容を説明した。
最大の懸念材料となっている治安情勢について「主権移譲の前後にさらなる暴力が起こりうる」との厳しい展望を示し、アルカイダなどの「テロリスト」やフセイン政権の残党との対決姿勢を強調した。現在イラクに駐留している米軍13万8000人について「必要な限りとどめる」と述べた。状況の変化に応じて「必要ならさらに兵力を派遣する」とも語り、増派する可能性を明言した。
これまで米軍指揮下の多国籍軍に所属すると説明してきた新生イラク軍については、「多国籍軍の主要なパートナー」と位置づけた上で、「イラク人の指揮命令系統の下で活動する」と改めた。
「国際支援」をめぐっては、この日、国連安保理に英国と提示した新たな決議案に言及。「過去の見解の相違にもかかわらず、大半の国は強い支持を示している」と述べ、治安や復興で国際社会が責任を分担できるとの自信を示した。また6月末にトルコで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議でNATOの役割について各国首脳と協議する考えを示した。
主権移譲に伴って成立する暫定政府の構成については、国連のブラヒミ事務総長特別顧問が進める枠組みに基づき「大統領、2人の副大統領、首相が26人の閣僚を持つ内閣を率いる」と説明したが、具体的な顔ぶれについては明言しなかった。
正式なイラク政府の樹立に向けた日程としては、「遅くとも来年の1月までに実施」する最初の選挙を、国連主導の「独立選挙委員会」の選挙監視の下に実施し、「移行国民会議」を選出▽同会議が「移行政府」を選出▽同会議が憲法を起草し、05年秋に予定する国民投票にかける▽新憲法下で恒久的な政府を05年末までに選ぶ――との流れを示した。
社会基盤整備の中で、刑務所の近代化に言及。米軍によるイラク人収容者虐待事件の起きたアブグレイブ刑務所を主権移譲後の暫定政府の了承を得た上で「米政府が取り壊すと発表した。近代的な新刑務所の建設費用を米政府が負担し、完成した段階でアブグレイブ刑務所にいる収容者を移管する。大統領は「フセイン政権時代に死と拷問の象徴だった刑務所が少数の米兵による恥ずべき振る舞いの象徴にもなった」と述べ、米兵の虐待事件にも言及した。
また、6月に米ジョージア州で開かれる主要国首脳会議(G8サミット)の主要議題となる「大中東構想」にも触れ、自由や民主化によって「大中東地域を前進させ、(地域の人々の)生活を変えることができる」とその意義を強調。「我々は忍耐し、敵を破る。やっと手に入れたこの自由への基盤を保持する」と述べ、イラクの主権移譲と民主化の成功への決意を強調して、演説を締めくくった。 (05/25 11:29)