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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040516-00000044-mai-int
【ブリュッセル福原直樹】欧州連合(EU)のプロディ欧州委員会委員長は、14日までに毎日新聞との単独会見に応じ、イラク人収容者虐待事件を「戦争犯罪」と断定、事件を機に「国連主導下に多国籍軍を再編成すべきだ」と話すなど、一連の米国の占領政策を強く批判した。委員長はまた、欧州憲法の6月成立に強い自信を示したほか、任期後(来年以降)はイタリア政界に復帰し、06年の首相選に備える意向を示した。
委員長は虐待事件を機に、イラク戦争を「もはや平和のためのミッション(任務)とは呼べなくなった」と指摘。「事件は戦争の是非の判断を大きく変えた」と話した上で、「米英がこの問題をどう解決するのか想像もつかない」と懸念を表明した。
委員長は今後のイラク政策について、米国を含む各国軍を国連指揮下に置く▽穏健派イスラム諸国の平和維持軍への参加▽イラク民主化への明確な「ロードマップ」(指針)の作成――が不可欠と指摘。だが米英が、国連への十分な主導権移行に否定的なため「進展がない」と批判した。
また、EU各国が今月、交渉を再開する欧州憲法については「各国に合意の意欲があり、妥結に楽観的だ」と話した。
98年まで伊首相を務め、99年から現職の委員長は、任期後について「特別な問題が起きなければ」、伊政界に復帰したいと発言。首相職への意欲を示した。
◇発言要旨
【ブリュッセル福原直樹】プロディ欧州委員長の発言要旨は次の通り。
【イラク人虐待事件】
◆事件は戦争犯罪で、民主主義とは全く矛盾したものだ。衝撃を受けた。イラク戦争をもはや「平和のためのミッション」とは呼べない。事件を機に、国際社会は早急な対応策が必要だ。国連主導下に米軍など各国軍を置き、穏健派イスラム諸国も参加すべきだ。
【今後のEU外交】
◆イラク戦争の是非を巡り、独仏と英などが対立した。EUは将来、共通の防衛・外交政策を持つべきだが、時間が必要だ。欧州憲法草案はEU外相の創設を規定したが権限が弱く、外交に関する内部分裂は、EU内で再び起きるだろう。
【北朝鮮の核問題】
◆EUも力を貸す用意はあるが、6カ国会議への参加国が、北朝鮮とより緊密な交渉を行うよう期待する。
【欧州憲法】
◆85%の確率で(近く)成立する。各国の妥協で、草案が多少変更されるのは仕方ない。
【EUの今後】
◆ウクライナなど旧ソ連各国は当面、EUの加盟対象ではない。トルコは加盟に向け、人権などEUの基準を満たす必要がある。トルコの法改正の努力を評価するが、EU基準を満たしているかは疑問がある。トルコがEU拡大の限度だ。
【日本・EU関係】
◆EU拡大などで、貿易などの関係は質量ともに拡大する。今後は研究者の交換、共同研究などを通じ、協力して技術革新を行うべきだ。(毎日新聞)