現在地 HOME > 掲示板 > 戦争55 > 186.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
皆さん、こん○○は。
「イラク日本人人質事件・被害者自作自演説疑惑」の「根拠」を検証するページ
http://www.geocities.jp/iraq_peace_maker/index.html
というサイトを運営している者です。
4月21日の「産経新聞」が「何者かが『言って、言って』と、日本語で発言を促すような音が録音されていたことが一橋大学大学院の内藤正典教授の研究室の解析で二十日、明らかになった」と報じたことについて、内藤教授が「産経」に寄せていた小論には「イッテ、イッテ」が日本語のような音の可能性が高いと指摘するくだりは無いこと、更にこのニュースを伝えた他のメディアでも、「イッテ、イッテ」に関しては飽くまで日本語の「言って、言って」と仮定した上での話しかしておらず、内藤教授が「イッテ」の音を「解析」したかの如く伝えている「産経」報道が他のメディアに比べて突出していることは先に指摘した通りですが、実は内藤教授は既に「産経」報道の5日前の4月16日の「東京新聞(中日新聞)」の夕刊に「人質解放から学ぶこと」と題して、「産経」寄稿文と似た主張の小論を寄せていたのです。
この「東京(中日)」に掲載された小論では、「アルジャジーラ」で放送された映像の詳細な解析が必要なこと、誘拐事件の背後には当時のイラク・ファルージャ周辺の情勢が深く影響していること、そして今回の事件を危機管理の教訓とすべきなどとしており、「産経」寄稿文が人質ビデオの内容についての具体的解説び力点を置いている点を別にすれば、内藤教授の主張の趣旨そのものは「産経」とよく似ています。なお、この小論には当然「イッテ、イッテ」に関する記述はありません。また、この小論は冒頭に「三人の日本人が十五日、無事に解放されたことで、(略)私たちは安堵した」とも書かれており、4月15日ないし16日に書き上げられたものであると推測されます。
以下に「東京(中日)」に掲載された寄稿文からの引用を掲載しますが、先に指摘したことなどを併せて考えると、当の内藤教授自身の真意は「狂言誘拐」説や被害者への誹謗中傷的言説とは明確に一線が引かれていることが読み取れますし、「産経」がスクープとして大々的に報じた内藤教授の研究室が「イッテ、イッテ」という音を「解析」したとする報道の信憑性には疑念が生じるように思われます。
・(2004.05.15追加)2004年4月16日「東京新聞(中日新聞)」(夕刊)より
「人質解放から学ぶこと」 内藤 正典
(略)事件は八日、カタールの衛星テレビ・アルジャジーラのニュース番組から始まった。私が日本で見たのは全部で一分四十秒、人質となった日本人が映っているのは、わずかに二十七秒である。この映像と声明文の内容だけが事件の「証拠」であったことをもう一度思い起こす必要がある。(略)
(略)武装グループがアルジャジーラに送りつけた映像は、計七分あまりといわれる。そのうち、何が放送され、何は放送されなかったのか、その理由は何かを、私たちはまったく知ることができなかった。
放送された映像には音声もなかった。アルジャジーラが入手した段階で、すでに音声はなかったと伝えられたが、武装グループはなぜ音声を消したのか?他に一分弱の音声のある映像があったのだが、その部分は、なぜか放送されなかった。(略)
つまり、私たちは映像に翻弄されていたことになる。映像の背後に何があったのかを考えることさえできなかったのである。
たったこれだけの「証拠」しかなかったにもかかわらず、事件は急激に拡大した。武装グループの最初の要求が自衛隊の撤退であったため、事態は「誘拐事件」としての側面と、自衛隊派遣という国内の「政治問題」とが絡み合った。だがその後、政府の対応から、人質家族の態度に対する批判や中傷が噴出するにいたって、事件はあたかも「国内問題」の様相を呈していった。
その陰で、イラクに対する占領統治が、いよいよ危機的な状況に陥っているという現状認識は深まっていなかった。実際には、ファルージャが置かれていた状況が事件に大きな影響を与えていたことは間違いない。米軍の激しい攻撃と、イスラム教スンニ派武装勢力の抵抗という激戦地起きた事件だったことを視野の中心にすえると、この事件は別の側面も見えてくる。
攻撃にさらされていた地域の人々は、当然のことながら、自分たちの中に侵入する外国人を極度に警戒するし、敵か味方かを識別するまで、身柄を拘束する。味方ならば、すぐに解放するか、あるいは人質として利用価値があれば有効に使おうとする。
日本では、この事件を一貫して「誘拐・拉致・テロ」として扱ってきたが、(略)戦時下にあるイラクの情勢の情勢に対する認識不足が、過剰なまでの反応を引き起こした感は否めない。小泉首相が武装グループをテロリストと呼んだことも過剰反応の一つであったし、一部の市民団体が人質の生命と自衛隊の撤退を直結させて取り上げたのも過剰反応だった。(略)
このことは、危機管理に対する教訓も含まれよう。過剰反応は、人質としての価値を高め、解放を遅らせ、解放の条件をつり上げる可能性がある。交渉が行き詰まれば、人質の命を危険にさらすことにさえなりかねない。
--------------------------------------------------------------------------------
「イラク日本人人質事件・被害者自作自演説疑惑」の「根拠」を検証するページを更新しました
・ 新たに「内藤教授は既に4月16日に『産経』寄稿文と似た小論を「東京新聞」で発表していた」を追加掲載しました。(「【特集】マスコミは内藤正典・一橋大学大学院教授のコメントをどう伝えたか」)。
・ 新たに【その他】に「日本人人質事件とコリン=コバヤシ氏・NGO」を追加掲載しました。
・ 「Q22」および「今更ながら『[208]〜今井です』問題の検証ページ」を更新しました。
・ 「Q22」に関連して、「今更ながら『[208] ヒミツの大計画!(笑) 投稿者:今井です』問題の検証ページ」を新たに設けました。
・「週刊朝日」5月22日号に掲載された郡山総一郎さんの手記「会見やテレビでは言わなかったこと」を取り上げました。
http://www.geocities.jp/iraq_peace_maker/index.html