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再び浮上したボイキン中将の名前
By StrangeLove
狂信的なキリスト教原理主義者(聖書根本主義派)として有名なウィリアム・ボイキン陸軍中将の名前が再び出てきた。アブ・グレイブ刑務所の拷問に関してである。
昨年6月、国防副次官に指名されたが、その直後に国防総省の文民幹部に対し、拘束したイラク人に対して性的な、あるいは肉体的な拷問を行うことを進言したとする報道があったのだ。情報の収集が容易になると説明したという。写真を材料にして保釈後も情報提供を強要していたのかもしれない。
さて、国防副次官に就任する前、ボイキン中将はフォート・ブラッグにいた。SOF(特殊作戦部隊)の拠点基地である。1952年6月、この基地でSOFは創設されたのだが、そのメンバーの大半はOSS(第2次世界大戦の際にアメリカが設置した情報機関)の破壊工作部隊やレンジャー部隊の出身者だった。
こうした背景があるため、SOFは正規軍よりもCIA(OSSの流れをくむアメリカの情報機関)と近い関係にある。ベトナム戦争中、SOFとCIAは正規軍と別の戦争を展開したが、その象徴的なものがフェニックス・プログラムである。ベトナムの村民を虐殺したソンミ村事件もこの作戦の一環だ。
現在、ボイキン中将の下で行われている掃討作戦は121機動部隊が実行しているが、これもCIAとSOFの混成チーム。ベトナムで皆殺し作戦を展開したコンビがイラクで復活したわけで、似たことが行われると警告する人は少なくなかった。そして、懸念したとおりになった。
もうひとつ、忘れてならないのは『民間人』の問題である。護衛や警備のために多くの民間人がイラクで活動しているが、その大半は特殊作戦部隊やそれに準ずる経歴の持ち主である。軍や情報機関ではできないようなダーティな仕事をしている疑いもあるのだ。
『異教徒』、つまりキリスト教かユダヤ教を信じる白人以外は殲滅の対象だと信じているらしいボイキン中将を要職につけたブッシュ政権も同類ということだろう。小泉政権がこうした事態に気づいていなかったとは考えられない。よほど無能な人間の集まりでないかぎり、わかっていたはずである。
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