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苦境という名の順調
5月1日、ブッシュ大統領は恒例のラジオ演説で「我々は深刻かつ長期継続的挑戦に直面している。自由に反対する勢力からのより強力な抵抗に晒されるだろう。イラクの民主化に失敗すればテロリストは一層力づき、アメリカへの危機は増大し、中東への希望は消え去ることになる。こうした苦難はあっても、アメリカは今後ともイラク復興に全力を尽くすことを約束する」と述べた。イラクでの米兵の死者は4月だけで昨年3、4月の戦闘期間中の死者115人を上回る130人に達し、戦闘は泥沼化してきた。チェイニー副大統領は「米軍はサダム・フセインの圧政からの解放者としてイラク国民に歓迎される」と言ったが、米軍はイラク国民に憎まれている。「イラクの治安は数年や数カ月ではなく、数週間で筋道がつく」と言ったラムズフェルド国防長官の楽観論など論外。今やブッシュのイラク民主化計画は根本から覆されてしまった。さらに米軍のイラク人捕虜虐待事件が明るみになり、イラクに限らず中東全体に反米感情が広がる中で、一見アメリカは中東で苦境に立ち孤立感が一層深まりつつあるように見える。
私はアメリカの中東戦略は大成功していると言った!
ブッシュ発言の「我々は深刻かつ長期継続的挑戦に直面している」とは「当初(2001年)の予定通り中東での戦争の長期化が順調に進んでいる」ことであり、「自由に反対する勢力」とは中東のアメリカ化とドル支配に対する反対勢力のことで、必ずしもアルカイダやイラク過激派だけを指していない。OPECの石油決済通貨をユーロに決定させたEUこそがアメリカ最大の脅威である。したがって中東の軍事経済支配を目指す裏には、ドル対ユーロの中東市場争奪戦とイスラエルの国益(中東領土拡大)が存在する。EUがことごとくアメリカのイラク侵略に反対したのは、フセインから得た原油利権を守るためである。アメリカのイラク武力支配のためには、イラク人とアルカイダからジハード(聖戦)を受け続けて戦闘状態が継続することが必須である。だからアメリカはテロリストに挑発し続けなくてはならない。EUとロシア、中国が持つイラクの原油利権を無効にし、イラク復興の名の下に世界中から集めたイラク復興資金をコントロールするにはイラクが民主国家になって秩序が安定してはならない。イラクに国際発言力が増すからである。戦闘状態、無秩序でこそ、アメリカはイラクを100%支配できるのである。「アメリカのイラク民主化大失敗」はアメリカの国益の象徴。このまま中東石油の決済通貨がユーロのままであることは、やがてドル基軸通貨の崩壊にも繋がりかねない。中東のドル市場化はEUとの交渉決裂で不可能になったからアメリカはイラク攻撃に踏み切ったのである。アメリカはドルの崩壊を防ぐためには中東軍事支配以外に道がないのである。。
次なるターゲットはサウジアラビア
今後のアメリカの中東原油支配のためには、中東最大の産油国サウジアラビアを軍事支配する必要がある。イラクの次なるターゲットはサウジアラビア。そのため2003年中にアメリカはサウジアラビアにあった米軍基地をカタールや他の友好国に移動した。またサウジでの米人の被害が急増したり、大規模テロにサウジ人が関与しているなどの報道を盛んにし、アメリカはサウジとアメリカの関係悪化に努めている。その結果、アメリカの望む通り、サウジ国民は米軍と戦うことはジハード(聖戦)だと言い出した。イラクでも混乱を長期化し、さらにサウジアラビアに反米抗争を激化させることが当面アメリカの目的である。一方、イスラエルにはアラブ諸国に対して軍事挑発行為を激化させ、一層テロリストの自爆テロを誘発し報復の名の下に中東戦争に向けて漸進させる。
イラク民主化短期解決発言のウラ
ラムズフェルド国防長官やチェイニー副大統領の楽観論は意図的なもので、「イラク戦争は早期決着で米軍は撤退し、民主国家を樹立する」などと当初から考えてもいない「平和のイニシアティブ」を示すことによりイラク戦争を正当化しようとしてきた。「アメリカのイラク民主化が失敗に終わろうとしている」と大々的に報道することにより、アメリカとイスラエルの「真の国益」を隠しながら、実際はその推進を助けようとしているのである。
ブッシュ再選決定!
現在ブッシュ大統領は故意に人気低下戦略を取っている。イラク国内とキューバの刑務所でのイスラム教徒虐待に関する調査は年初から計画的に行われ、今回の実態暴露はブッシュ政権が故意に情報漏洩を計ったもの。ファルージャでの700名を越すイラク人大量殺戮とともに、反米感情を煽ることが狙いであった。イスラム世界を完全に反米にし、更なるジハードを挑発することで自ら進める「中東和平」を「相手が破壊した」形にし、和平崩壊、戦争継続でアメリカの中東軍事支配を目論むのである。この戦略を続ければブッシュの人気は下がる一方である。まさにブッシュの望むところである。ではブッシュは再選されないのかというと、そうではない。次の大統領は「戦争屋」でなくてはならないような「事態」が起きるからである。