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捕虜虐待はユダヤ人支配のアメリカの習性でありドイツ人もやられた。
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http://www.jca.apc.org/~altmedka/aus-13.html
『アウシュヴィッツの争点』
(その13)シンプソン陸軍委員会が報告した「特高」顔まけの「拷問」の数々
イギリス軍のクラーク軍曹によるホェス拷問の事実が活字になったのは、一九八三年になってからのようである。だが、アメリカ軍兵士の拷問による「証言」強要の数々の事実は、アメリカ軍自身によって調査され、一九四九年には一般むけの新聞紙上で暴露されていた。
事実を公表したのはエドワード・ファン・ローデン判事である。ローデン判事は、アメリカ軍がダッハウ収容所でおこなった軍事裁判の経過を再検討するために任命した「シンプソン陸軍委員会」のメンバーだった。「シンプソン陸軍委員会」の同趣旨の調査報告はアメリカ上院でも発表され、一般公開の議事録にも明記されている。わたしは、日本の国会図書館で、いとも簡単に該当箇所を発見した。A3判で二五ページ分のコピーを手元に持っている。一般向けの新聞による暴露報道は、『六〇〇万人は本当に死んだか』によると、一九四九年一月九日付けのワシントンの日刊紙『デイリー・ニューズ』と、同年同月二三日付けのイギリス紙『サンデイ・ピクトリアル』でおこなわれている。
「自白」や「証言」を強要するためには、あらゆる手段がもちいられている。三ヵ月から五ヵ月の独房監禁。食料の減量。ニセ裁判で死刑を宣告したのちに署名すれば減刑という取り引き。ニセ牧師による説得と取り引き。火のついたマッチで身体をあぶる。頭や顔を歯や顎がくだけるまでなぐる。睾丸をける、などなどの暴力行使。
そのもっとも強烈な告発はつぎのようなものである。
「われわれが調査した一九三九例のうち、二例をのぞいて、すべてのドイツ人が睾丸をけられ、治療が不可能な状態にあった」
ただし、この引用文中の「一九三九例」に関しては「一三九」とする資料もあるので、これも「歴史見直し研究所」のウィーバーに質問したところ、かれもこの数字には確信はなくて、「一九三九」の方がミスプリではないかというだけだった。これも追跡調査が必要である。
さらには、拷問にたえきれずに死による逃避をえらぶ自殺者もでた。
「一八歳の被告の一人は、毎日のようになぐられ、読みあげられたとおりの陳述を書いた。六〇ページになったところで、この少年は独房に監禁された。早朝、ちかくの房にいたドイツ人は、かれが、“もうこれ以上の嘘はいわない”とつぶやくのを聞いた。その後、ニセの陳述を仕上げるために彼をつれだしにきた看守は、このドイツ人の少年が独房の梁で首をつっているのを発見した。だが、サインをするのを逃れるために首をつったドイツ人の少年の陳述は、ほかの被告の裁判につかわれ、証拠として採用された」
以上の報告は、念のためにくりかえすが、アメリカの上院の議事録にしるされ、一般公開されているのである。しかも、調査対象となったアメリカ軍の尋問チームについては、つぎのような事実さえ上院で報告されていたのだ。
「尋問チームのうちの何人かは、非常にあたらしいアメリカ市民〜〜ヒトラー時代のドイツからの避難民〜〜であって、被告たちに憎しみをいだいているので、被告たちから証言をひきだす目的で軍にやとわれていた。だからこそ、その中の一人は、そういう告白が必要だったならば、どの被告が相手だろうと、アブラハム・リンカーン殺害の告白だってさせることができたと語っている」
シンプソン陸軍委員会の調査はダッハウでおこなわれたマルメディ事件の裁判を中心にしている。いちばんの中心になったニュルンベルグ裁判(国際軍事法廷)の被告のとりあつかいについては、同種の組織的な調査はないようだ。だが、つねに裁判進行の中心にすわっていたのは、アメリカ軍の戦争犯罪局であり、スタッフは共通していた。アメリカ人のバッツ博士は『二〇世紀の大嘘』の中で、ダッハウの実例を指摘したのちに、「ニュルンベルグ裁判でも証言を獲得するための強制はおこなわれた」と主張している。そのうちのイギリス軍がおこなった数例については、すでに紹介したところである。
しかし、このすさまじいまでの「復讐」の仕組みと「拷問」の事実が、なぜ、これまでのアウシュヴィッツやニュルンベルグ裁判の報道や、研究、文学などの中にあらわれなかったのであろうか。ここでもまた、大手メディアが報道しないことよるブラックアウトという、実に単純で消極的な情報操作が、みごとな効果を発揮しているのである。
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