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過去を知り明日を解く(ビル・トッテン)
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投稿者 エンセン 日時 2004 年 4 月 29 日 11:42:12:ieVyGVASbNhvI
 

 
過去を知り明日を解く
H16/04/29

 日米和親条約調印から今年で百五十年になることを記念した「日米交流百五十周年式典」が神奈川県横浜市で開かれ、日米同盟関係は日本の安全確保に加えアジア太平洋地域の平和と安定の礎で、日米は世界を舞台に協力するパートナーであり、共にテロと戦い、大量破壊兵器の拡散に対抗し、開発援助の二大供与国として世界の長期的な安定と繁栄のために協力していると小泉首相は誇らしげに語ったという。


アメリカの追従者
 この記事を目にした時、私は不思議な感覚を覚えた。日米がテロとの戦いと位置付けるイラクでは治安が悪化し、ファルージャでは米軍が包囲封鎖して攻撃を行い、六百人以上のイラク人が殺された。その多くは女性や子供といったイラク市民だった。ファルージャだけでなくこれは軍事占領下に置かれているイラクではどこででも起こりうることなのだ。日本政府がかたくなに自衛隊は人道復興支援のためにイラクにいるという、自分たちが作り出したうそを言い続けても、航空自衛隊が武器を携行するアメリカ兵を輸送したと航空幕僚長が語ったことを考えれば、日本の自衛隊が行っていることが人道復興支援だけではないことは明らかである。

 自衛隊はイラクにおいて暫定占領局(CPA)に所属しており、CPAはアメリカ国防総省の下部機関だということを忘れるべきではない(殺害された二人の日本人外交官が派遣されていたのはこのCPAである)。小泉首相が呼ぶパートナーという関係にはほど遠く、日本はアメリカの追従者であり、そのアメリカはひたすら世界をより危険で不安定な場所にしている。


「平和と安定」の式典
 日米交流百五十周年を無邪気に祝う政府要人を見ると、日本人は自尊心をなくしてしまったのかと思う。日米交流百五十周年の式典に首相自らが出席しアメリカに忠誠を誓うことは、カリブ海の国々がコロンブスデーを祝うのと同じである。軍隊によって侵略されたことを祝う国を日本のほかに私は知らない。中国のように外国から恥辱をこうむったとして「国恥(こくち)記念日」をもうけている国があることを聞いたが、そのほうがよほど国家として健全ではないかと思う。

 イラク自衛隊派兵を含めて政府の政策を支持しない日本人が多い中、小泉首相はアメリカに追従することだけが日本の平和と安定の唯一の選択肢であると、あらゆる手段を使って国民を信じ込ませようとしており、この式典もおそらくその一つだったのだろう。

 アメリカもそれに協力し、小泉首相のメールマガジンには駐日ベーカー大使が「最高のチーム」というタイトルでこう記している。「日米は同じものを食べ、同じ音楽を聴き、同じファッションで着飾っている。そして同じ自由を享受して、同じ価値観を持っている」。

 戦後アメリカは余剰農産物のはけ口として、大量の小麦や脱脂粉乳を無償で日本の学校給食に提供した。子供時代にパン食に親しめば、大人になってもパンを食べるようになる。こうして米を主食としてきた日本人は小麦を輸入する国となり、それにともない味噌汁や漬物から牛乳や卵、肉を副食とし、それを飼育するためのトウモロコシや大豆も輸入しなければならなくなった。こうしてアメリカの思惑は奏効し、日米はいまや同じものを食べる国となったのだ。


日本の教育を一掃
 価値観についても同じである。日本には平安時代から続く価値観があり、日本の教育は伝統的に道徳が基本であった。神道、仏教、武士道、儒教の教えに基づくそれは日本人に善悪の区別を教え、日本人は自信をもって自分たちで国のあり方を決めてきた。それを一掃したのもアメリカの占領政策だった。教育から道徳(修身)、歴史、地理が一掃され、かわって日本人が学校教育やメディア、映画を通じて教えられてきたことアメリカの猿まねをしアメリカ人に従うことだった。

 以前、日本政府が軍国化の道を歩んでいることを私が危ぐしていると書いた時、読者の方から、日本人が一九三〇年代に逆戻りなどと日本人をばかにすることは許せない、それは私(トッテン)が一九三〇年代の日本を「絶対悪」として教育された偏ったアメリカ人だからだ、と指摘された。しかし私がそう危ぐしたのは、日本の近代史について家永三郎氏の著した「太平洋戦争」や「軍隊なき占領」(G・ディビス、ジョン・G・ロバーツ著)、さらにC・ビアードの「アメリカ合衆国史」はじめ、多くの書籍を読んでそのような結論に達したからであり、アメリカで日本を「絶対悪」だとする教育を受けた記憶はない。ついでにいえばアメリカでは、大学で専門の勉強でもしない限り外国の国のことを詳しく教えることはないのである。

 日本の近代史を日本の人々がどのように見ているのか私にはわからない。しかしペリー来航からの百五十年間があたかも平和裏に過ぎていったと祝うのではなく、どのような経緯をたどってきたのかを改めて見直すことが、今日本が直面しているさまざまな問題を解決するカギになると私は思っている。(アシスト代表取締役)

http://www.nnn.co.jp/essay/tisin/tisin0404.html#29

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