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情報機関と軍が結びつくと、ろくなことがないのは昔も今も変わらないようです。
『騙し合いの戦争史』 吉田一彦著
味方にも嫌われたOSSの欺瞞作戦 (p.27)
第二次世界大戦中に情報収集ならびに特殊作戦に従事したアメリカの戦略情報局(Offices of Strategic Services = OSS )は、東南アジア地域の作戦にアイフラー大佐指揮の第101分遣隊を送り込んだ。彼は「ダーティーな」作戦を得意としたが、特に日本軍の通信網と輸送路を切断して、現地の住民に日本軍の復讐が及ぶように工作したことで知られている。つまり現地の人が破壊活動を行ったように見せかけたのである。
目的は、それらの破壊活動に対して日本軍が報復行動に出るのを誘い、現地の人たちが日本軍を恨んで反抗するように仕向けることであった。また、現地人の集落を襲って、日本軍の装備を置いてくるようなことまでしたらしい。現地の人たちの日本軍に対する怒りをさらにかき立てるためである。日本軍の残虐行為とされるものの中には、この種の欺瞞作戦がかなり入っているのではないかと思われる。
第101分遣隊は任務を忠実に実行して相当な成果をあげたが、協力を要請されたほかの連合軍部隊との間には軋轢が生じた。現地の人に日本軍の報復が行われるように仕組む作戦に嫌気がさした部隊が、第101分遣隊との共同作戦を忌避したからである。アイフラー大佐の部下の中にも、この種の作戦に疑問を感じる者が出てきた。吐き気を催すような作戦だったと術懐する隊員もいたことからして、人道に悖るような所業があったことと推察される。