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レバノンのシーア派導師にとって、急進派ムクタダ・アル・サドルはシスタニ師と張り合うことはできない
モハメド・フセイン・ファドララ:≪イラク内戦は起こらないだろう≫
レバノンに住むシーア派の精神的導師、モハメド・フセイン・ファドララは1935年にイラクの聖都ナジャフで生れた。父親はシーア派の教義を教えていた。国境を越えてイラクの多くの信徒に名が聴こえている。彼はイラクの出来事を自分のドラマのように見ている。≪感情的、歴史的、イデオロギー的な絆が私をナジャフに結びつけている。当然、何が起こっているのか心配だ≫
(以下はフィガロ紙ベイルート特派員との一問一答)
2004年4月23日
サダム・フセインの失墜で、イラクのシーア派はクルド人と同様に勝利したが、折角国を統治する機会が訪れても、若い煽動家ムクタダ・アル・サドルとシスタニ師、ハキム師との対立でそれが台なしにならないだろうか?
≪クルド人、スンニ派、キリスト教徒と同様、シーア派もサダム・フセインの失墜を安堵とともに迎えた。米国に操られてすべての大衆運動を、ことにイスラム教の運動を弾圧し、イランとクエートを攻撃した。憎むべき独裁者だった。サダムはアメリカのお役人だった!≫
≪ムクタダ・アル・サドルはいかなる宗教的根拠をも代表していない。この若者は父親の大衆性を継承して革命精神に駆り立てられている。彼はシスタニ師と張り合う手立てを持っていない。一方ハキムは、政治的なイスラム運動の指導者だ。これらすべての人々はシスタニ師と合意している。何ら問題はない≫
アメリカとの戦闘を始めて、ムクタダ・アル・サドルは制御不能な暴力の応酬を引き起こさないのか。それはシーア派の共同体にとって危険ではないのか?
≪そうは思わない。アメリカ人も進化している。彼らはムクタダ・アル・サドルは弱まっていると見ており、ナジャフ攻撃を見合わせている。一方、ムクタダ・アル・サドルによって起された運動はスンニ派とイラクのシーア派を結びつけることに貢献した。それは不確かな内戦のウワサを沈黙させ、シーア派は占領軍の協力者で、スンニ派だけが抵抗しているというアメリカの主張に真っ向から反対したのだ。≫
ユダヤ・キリスト教の世界とイスラム世界のカルチャーショックについては多くの人が語っているが、こうしたイスラム教の二つの流れにおける軋轢についてなおざりにされていないか?
≪ビンラディンと追従者が、シーア派はイスラム教徒ではないと考えていることは誰でも知っている。だからオマル師の指導で、タリバンはマザリ・シャリフのシーア派のリーダーたちを暗殺したのだ。しかしわれわれは、われわれの友だちと西欧の敵たちが、一部少数のイスラム教徒の行動をイスラム世界すべてに受け入れさせようとするのを非難する。それはこういうことだ。レバノンにおいてわれわれはキリスト教徒を護っている。また、もしあなたが歴史書を読めば、ユダヤ人を迫害したのはイスラム教徒でもアラブ人でもなく、西欧の人々であることを認めるだろう。パレスチナにユダヤ人が入るのを支持することによって、西欧の人たちはアラブ人とイスラム教徒にヒトラーの罪を背負わせたのだ≫
スンニ派が多数であるアラブ世界は、バグダッドがシーア派の手に落ちないだろうかと危惧しているように見える。この危惧についてはどうか?
≪それは問題ではない。クルド人とは反対に、イラクのシーア派は独立政権を創ることを望んでいない。彼らはすべての市民が同じ権利と義務をもつ新しいイラクを望んでいるのだ。彼らはスンニ派を迫害することなど考えていない。シーア派の政治家は民主主義について語っている。ところで、イラクでは、民主主義は多分レバノンにおけるように宗派的基盤の上には樹立されないだろう≫。
イランと解放されたイラクのシーア派は、彼らの同宗者が公平に扱われていない近隣諸国に干渉することはないだろうか?
≪イランはシーア派だからといって決して他国のシーア派の問題には干渉していない、そこへ移住せよと全世界のユダヤ人に呼びかけるイスラエルの振る舞いとの違いは一目瞭然だ。世界はそれを受け入れて不当な干渉とはみなしていない!イスラエルの大統領はフランスへ来てフランスのユダヤ人について討議したが、フランス政府は彼に内政問題とゴッチャにするなとは言わなかった!≫
イラクでは人質の拘束と人質の暗殺というドラマが起こっているが----
≪統治者に対する反抗として罪のない人質を取ることすべてに私は反対してきた。それは人間の価値観やイスラムの価値観として通じない。イスラム教は他人の罪悪を罪なき人に負わせることを禁じている≫
イスラエルによるヤシン師と、次いでランティッシ博士の暗殺の結果はどうなるだろうか?
≪アメリカの政策について敵意が活発になるだろう。なぜならアラブ人とイスラム教徒は、イスラエルが国際法を無視して犯した罪と殺戮にアメリカは責任があると見ているからだ≫
イスラエルは反イスラエルテロの責任者を罰する意図を隠さなかったが----
≪パレスチナの外にいるカリド・メシャールや他のハマスの指導者を殺す意図を告げることによって、イスラエルはパレスチナ人にヨーロッパにいるイスラエルの高官たちを殺す権利を与えている≫
これらの暗殺は、無力に打ちひしがれたアラブ諸国の体制側と復讐を叫ぶ抑圧された大衆との間の溝を深める結果になるのではないか?
≪この無活動はいつか反作用に通じる可能性がある。なおかつ、イスラエルがあちこちでパレスチナの指導者たちを効果的に殺し始めるならば、アナーキーな反作用に到るかもしれない。混沌に通じるかもしれない。国境を越え、アラブとイスラエルの全面戦争になだれ込むかもしれない。なぜならイスラエルは、パレスチナ人にも外国人を攻撃する一種の正当性を与えたのだから。米国はもはやイスラエルのみが自衛の権利を持っている振りをすることはできない。ヨーロッパ連合はこの問題を熟考しなければならない。追い詰められたと感じたら、パレスチナ人はアルカイダと同盟を結ばざるを得なくなるかもしれない。そこまでことが運んではならない≫
http://www.lefigaro.fr/international/20040423/
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