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イラク人雇用を拡大…橋・道路再建事業も
政府は22日、イラク南部のサマワに派遣している陸上自衛隊部隊の支援活動を早急に拡充し、ムサンナ県などで道路の補修や壊れた橋の再建などに着手する方針を固めた。
爆弾テロなどが相次いでいるイラクの治安回復のためには、まとまった雇用拡大につながる大規模な公共事業が一助になると判断した。今後、イラク向け政府開発援助(ODA)を使い、さらに大型の公共事業を検討する方針だ。
先崎一・陸上幕僚長は22日の記者会見で、イラクの治安情勢について、「イラク全体が不安定な状況だ。サマワ周辺は比較的安定しているが、油断できない」と述べた。その上で、「現地の(自衛隊への)期待感は非常に大きい。これにこたえる事業をしないと期待を裏切り、(自衛隊の)安全確保のうえで非常に大きな問題になる」と懸念を示した。
地元からの自衛隊への期待の大きさと、現在の支援との間にあるギャップを早急に埋める必要があるとの認識を示したものだ。
サマワから帰国中の佐藤正久・陸自復興業務支援隊長(1等陸佐)も21日、石破防衛長官に対し、地元の要望に応えて雇用機会の大幅な増大を伴う支援に踏み出すことが、結果的に復興を早め、自衛隊の安全確保につながると報告した。
これを受け政府内で検討した結果、ムサンナ県での道路の補修や橋の修復ならば比較的早期に着手でき、まとまった雇用にもつながると判断した。現地では、3月下旬から4月上旬にかけて起きたユーフラテス川増水で浮橋が壊れ、地元住民が陸自に対して再建を求めていた。
陸自は現在、浄水・給水、医療支援、学校など公共施設の修復を軸に活動している。22日は、宿営地内で給水活動を行ったが、午前中に予定していたサマワの病院での医療支援を中止したほか、宿営地周辺の警戒・監視など外部での活動も見合わせている。(読売新聞)
[4月23日3時3分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040423-00000001-yom-pol