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2004年04月22日
【ファルージャは、スナイパーにとっては夢のような場所】トニー・ペリー(2004/4/18)
「帝国ノート」の4/20付記事からリンクが張られていた、ファルージャでの米軍海兵隊スナイパーについての従軍記者の記事を訳しました。
米軍のスナイパーが女性や子ども、男性の非戦闘員をふくめた多数を殺害し、救急車さえ狙撃していることは、本サイトの記事を含めてすでに多くの人が報告していますが(文中の「民間人を撃っていないことに大きな自信」など、よく言えたものです)、海兵隊スナイパー個人にとって、ファルージャでの戦闘がどのようなものなのかが語られている興味深い記事です(「従軍記者」のろくでもなさもよくわかる)。
たった二週間で24人を殺し、「夢みたいだ。ここにいられてラッキー」と語る、21歳。
ある英軍司令官は英テレグラフ誌のインタビューに答え、米軍はイラク人をひとくくりに「人間以下」(原文ではナチス用語のUntermenschen)としてしか見ていない、と批判しています。この伍長の発言はまさしくそのようなものです。
ラウル・マハジャンは「帝国ノート」の中で、米国人のイラク人、アラブ人に対するこのような見方は、けっして戦時下の兵士のみに特有なものではなく、もともと米国人が持っており、9/11攻撃後に強化されてきたものにほかならないのだ、と批判しています。
ここ日本でも「人質」5人に対するおぞましい「自己責任」フレームアップばかりがメディアから垂れ流されるなかで、今回の一件のほぼ直接原因であるファルージャでの米軍による虐殺・破壊はあまりに不当に小さくしか扱われていません。占領という名の抑圧・人殺しに積極的に荷担している政治家・官僚どもや、それを下支えするマスメディアの「責任」は、誰が問うのでしょうか。
(2004/4/22 earthspider記)
イラクの都市で、海兵隊スナイパーは重要な戦術となっている
射撃兵は敵の発砲を牽制し、米軍の自由な行動を可能にしている
トニー・ペリー
ロサンジェルス・タイムズ
2004年4月18日
ファルージャ、イラク - 金曜日のわずかな休息の間、21歳の海兵隊伍長が語った。この都市での戦闘の中で、自分の殺人技術を実践するのはどのようなものだろうか。
「スナイパーにとっては夢みたいだよ」彼は穏やかに、率直な口調で語った。「どこにでも移動できるし、敵に自分の位置を気付かれないまま撃てる何通りもの方法があるんだ」
狙撃 - 一人の敵を離れた場所から一発の射撃で殺すこと - は、このスンニ・トライアングル地帯の都市で、建物や、壁や木々の陰に隠れる武装反乱勢力と毎日のように小競り合いを繰り返す3つの海兵隊大隊にとって、重要な戦術となっている。
海兵隊の狙撃チームは都市の内外に展開し、昼夜を問わず作戦を行っている。強力なスコープと赤外線暗視装置、専用に調整されたボルトアクションライフルを使用し、武装反乱兵を800ヤード(訳注:約730メートル)以上先から視認し、狙うことができる。
古来からの戦略
狙撃の専門家(ここには海兵隊とともに数人が滞在している)が語るところでは、第二次大戦において、ドイツとロシアのスナイパーたちが数ヶ月に渡って対決を繰り広げたスターリングラードの戦闘以降、これほど「標的に満ちた」戦場はなかったのではないか、ということだ。
軍事戦術において、狙撃は数百年にわたる歴史を持つ。最初のスナイパーは弓矢を用いた。レオナルド・ダ・ヴィンチは神聖ローマ帝国に対抗するスナイパーだったのではないかと言われている。
武器は変われども、スナイパーの目標は同じだ。敵を悩まし、脅えさせること。屋外へ出るのを怖れさせ、休息と再結集の機会を奪うことだ。
海兵隊は、スナイパーがこれまで数百人の反乱兵を殺害したと確信している。しかし人数のみでは、狙撃の重要性を正確に表現することはできない。カリフォルニア州キャンプ・ペンドルトン基地にあるスナイパー教練所の壁には、次のような中国の箴言が書かれている。「一人を殺すことは、千人を恐れさせる」
「ときどき、一人の奴が倒れると、そのまま少し叫ばせてやるのさ。仲間の士気をくじいてやるために」海兵隊伍長は語る。「そして、第二弾でとどめをさすんだ」
ファルージャの膠着状態の打開に向けた交渉のなかで、反乱勢力は海兵隊がスナイパーを撤退させることを要求している。
「敵の士気をくじく」
街を取り囲む海兵隊と、その中にいる反乱勢力のあいだでは不安定な休戦が成立している。しかし停戦は、海兵隊が街の中で防衛的作戦を実行することを認めており、それには武器を持ったり、封鎖の外に出たり、米軍に向かって移動している反乱兵を銃撃することなどがふくまれている。
軍の方針は、海兵隊員が自分が殺した人間の数を数えることを禁止しているものの、その慣習は生きている。二週間ちかくにわたる戦闘のあいだに、中西部のある都市の出身であるこの伍長は確実に24人を殺し、もっとも抜きん出たスナイパーとなった。比較すると、ベトナム戦争における海兵隊のトップ・スナイパーは16ヶ月のうちに103人を殺したという。
「スナイパーとしての目標は、敵の士気を完全に砕くことだ」伍長は語る。彼は高校ではサッカーと陸上競技の選手であり、高校のスポーツ監督になることを夢見ているという。「ここよりすばらしい場所なんて考えられない。いい時に、適切な訓練を受けたうえでこの場所にいられたということは、とてもラッキーだよ」
軍はスナイパーの名前を公開しないよう求めている。反乱勢力は海兵隊スナイパーの殺害に賞金をかけたと言われている。
反乱勢力にかかわりを持つあるウェブサイトは、スナイパーと家族に関する情報を提供しようと試みている。ベトナム戦争の際、ベトコンも同様にスナイパーに賞金をかけた。
「スナイパーになろうとするなら」伍長は語る。「そういったことも覚悟しなけりゃならない」
「一撃必殺」をモットーとする海兵隊スナイパーは、ファルージャの混みいった市街地の屋上から銃撃し、また徒歩で街を探索する。一発を撃つのにしばしば数時間を必要とする。遠距離に隠れ、適切な瞬間を待ちながら。
海兵隊将校はその全員が志願した男性であるスナイパーを信頼している。スナイパーによって敵の砲火が抑制され、友軍に大きな移動の自由を可能にしているという。
「スナイパーは、我々のために道を開いてくれる」ダグラス・ゼンビエック大佐は語る。「スナイパーこそは真のヒーローだ」
スナイパーチームも攻撃され、負傷者を出している。海兵隊の諜報要員は、反乱勢力もまたロシアや中国製のライフルと光学装置を用い、独自のスナイパーチームを組織しているとほのめかす。しかし、これまでに海兵隊員がスナイパーによって殺害されたという報告はない。
多くの海兵隊員とは違い、スナイパーは殺す前に敵のことを見る。敵には顔があるのだ。
たいていの兵士は、敵の姿を垣間見るだけにすぎない。距離はあまりに遠く、飛び交う弾丸はあまりに速いのだ。
しかしスナイパーは、射撃を準備するのに十分な時間を持ち、強力なスコープで標的のことをはっきりと見ることができる。顔、目、手に持たれた武器。そして弾丸が「体の芯」を貫くときの、その表情を。
「戦闘時の心構えを持たなきゃならないんだ」伍長は語る。
他の歩兵部隊と異なり、スナイパーは民間人や「友好的な人」を撃っていないことに、このように大きな自信を持っている。、
伍長は秋の終わりまでには帰国し、大学のサッカー試合にガールフレンドを連れていったり、父親と一緒に鹿狩りに行きたいと願っている
「オジロジカを狩りに行くのは、食料とスポーツのためだけど」彼は語る。「ここで俺が狩りに行くのは、自分のためだ。とても個人的なことなんだ」
Posted by awtbrigade at 15:52│Comments(0)
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