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本当は「議論板」の方がいいのでしょうが、イラク情勢の分析ですのでここで。下の方で、田中宇さんのレポートに”異論”を唱えた投稿者です。あっしら氏のレスがついたので、お返事を。認識番号を忘れてしまったので、別HNで。
現在のイラク、パレスチナ情勢について、ブッシュ政権が、はっきりした統一政策を持っている、とは考えていません。
ブッシュは、極めてシンプルに「テロは悪」という視点と、せいぜい、「フセインはパパの仇」(フセインがブッシュ・パパの仇でないことはどなたかが投稿されてましたが、ブッシュ・ジュニアが勘違いして、意趣返しのつもりで対イラク戦争を始めた可能性は極めて高い、とは思います)、それにカーライルあたりの戦争利権屋の利権確保で、「戦争」をおっばじめたのでしょう。
ウォルフォビッツら「ネオコン確信犯」は、中東全域を「大イスラエル帝国」にしよう、というのが願望で、中東で最も手強い敵の1人のフセインを潰したのでしょう。
ラムズフェルドはMRI(でしたっけ)、つのまりハイテク武装による「軍の革命」の成果をイラクで試したかったのでしょう。
チェイニーは単なる戦争利権屋、ハリバートンやベクテル、カーライル、傭兵会社、ロッキードマーチンらを儲けさせて、私腹も肥やしたいだけでしょう。
どのグループも、イラク占領後の統治政策もがズサンで、今の惨状(苦境)に陥っているのだ、と思います。多少、包括的な中東政策を持っていそうなのはウォルフォビッツと取り巻きのネオコンでしょうが、「大イスラエル帝国」といってもすぐ実現とはとてもいかない。日本のGHQ型統治で、イラクに親米政権ができる、と甘くみたのでしょうが。結局、イヤイヤながらも、シラクあたりに泣きつくのがオチでしょう。ムバラクがシラクに会ったのは、その前兆で、サウジのアブドゥラあたりもシラクに会うようだと、フランス(EU)が全面に出てくることになるでしょう。
ただし、どうも、ブッシュ再選の芽はほとんどないらしい。ソロスは、ブッシュ批判のTVスポットをガンガン流しているそうだし(本日の毎日新聞外信面参照)、共和党内にも、このままでは勝てないので、副大統領候補に、ジュリアーニかシュワルツネッガーを盛ってこよう、という動きも水面下であるようです。ケリーが勝てば、シャロンと小泉が退任、場合によってはブレアもアウトかも(ブレアはEU幹部ポストをねらっているそうですし)。ケリーのイスラエル、パレスチナ政策はよく知りませんが。
しかし、中国、ロシアは「阿呆のブッシュ」がもう1期、やって一段と孤立することを期待しているのは確実で、追い詰められているブッシュに「助け舟」をだすかも知れません。イスラエルが抱える爆弾は「核疑惑査察」でしょう。
小生は(残念ながら)、「世界権力による全世界政策」という視点には賛同できません。歴史は、もつれた糸と偶然と、各権力者の暗闘が織り成すタペストリーだ、と思いますよ。田中氏の「深読み」に疑問を呈したのもそのためです。
歴史小説で、信長や秀吉、家康は幼少時から「戦国の覇者」の風格があったように書いている作家がけっこういますが、どなたかが批判していたように、「本能寺」がなければ、秀吉など信長政権の有力閣僚で終わったわけで、信長すら、信玄に正規戦では勝てなかったでしょう。「歴史の結果からみる後知恵」は、話が分りやすく、一般受けしますが、あくまてでも後知恵に過ぎません。陰謀史観も全面的に否定はしませんが、今、述べた陥穽に陥りやすい弱点がある、と思います。信長の失脚と秀吉の天下人を予言できたのは、安国寺恵けいだけで、あの「食わせ者」の松永久秀も、足利15代将軍でも読み間違えたわけですから。