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「553」 アメリカ帝国を動かす、ネオコン知識人・財界人をカード遊びをしながら覚える方法 ! これだけで、ネオコン派の全体像がわかる !! (1) 2004.04.22
副島隆彦事務所/アルルの男・ヒロシです。今日は2004年5月1日です。
先日の『ネオコンの陰謀』(デビッド・ブロック 著)の書評を私が纏めたところ、ある読者の会員の方から、「もっと短くまとめないと、時間のない現代人には読み切れないよ」というお言葉を頂戴しました。全く仰るとおりで、いずれもう少しわかりやすく書き直したいと思います。
昨今、アメリカの政治財界人の複雑な人脈を解説した本が山のように出ています。ブロックの本もそのような一冊です。しかし、このような本では、100人以上の異なる保守派の論壇人が出てくるばかりではなく、索引が無い場合も多いことが手伝って、その人物関係や全体像を瞬時に理解するのは相当難しい事でしょう。
アメリカでは、現在「Regime change begins at Home 」というトランプカードが発売されて、主にリベラル派の間で人気を博しており、飛ぶように売れています。これは元々は、ブッシュ政権が、イラクの「お尋ね者リスト」をトランプカードにして発表したことにリベラル派が対抗して、「政権交代はわがアメリカ国内でこそ必要じゃないか」という皮肉のこめて作成されたカードで、ブッシュ政権が作ったカードでは、“スペードのエース”が「フセイン大統領」立ったのに対応して、このリベラル版の「国内で政権交代を」カードでは、“スペードのエース”は、ブッシュ大統領です。カードには、その人物の経歴と、イラク戦争にどのように政権側に“貢献“したのかということが簡単に記されています。世の中には「カード暗記法」というのがあって一定の人気を博していますが、このカードを使えば、トランプゲームをしながら、ネオコンの人物関係を整理することも出来ます。まさに一石二鳥です。
イラクのお尋ね者カード
このカードは、日本の「アマゾン・ブックストア」でも、購入できるようです。
さらにこれに対抗して、保守系の雑誌である、『ナショナル・レビュー』誌の書籍販売サイトでは、「52人の最も危険なアメリカのリベラル派たち」というカードが販売されています。(http://www.nrbookservice.com/BookPage.asp?prod_cd=c6219)こちらは、アマゾンでは入手できないようです。
このカードは、アメリカの「戦争屋」(ウォー・モンガー)たち51人を、一人ひとり、トランプのカードのキャラクターに当てはめて紹介しています。含まれるのは、政治家、財界人、メディア関係者、シンクタンク関係者と様々です。先日、アメリカに行った、副島隆彦所長が、カリフォルニアのリベラル派の大学の生協で、一個だけ売れ残っているのを買ってきたので、私の手元にはこのカードがあります。
そこで、前回の『ネオコンの陰謀』の書評を補足するという意味も込めまして、これから数回にわたって、このトランプの人物を紹介しながら、アメリカの戦争で儲けた人々(ウォープロフィッターたち http://www.warprofiteers.com/ )について紹介していきたいという趣向です。ちなみにこのトランプは何種類かバージョンがありまして、これから紹介するのは、「ニュー・プレス社」が発行している内容です。これはいわば、「初級編」と言うべきもので、詳しく知りたい場合には、「warprofiteers.com」の作成しているカードを見た方が良いと思います。写真についても、通信社のものをそのまま使っている上、クレジットも入っていないので私たちもそのまま使ってしまおうと思います。似たようなリベラル派作成のカードに次のようなものがあります。
Bush Cards
by Dailey, Deussing, Levy
また、もう一方の「危険なリベラル52人」のカードは、入手できればこのコーナーで紹介していきたいと思っております。
第1回の今回は「政治家人脈」(1)を取り上げます。政治家たちはおおむね、スペードとクラブのカードに分類されているようです。
今回は、スペードを取り上げます。以下の通りです。
スペードのA ジョージ・W・ブッシュ(合衆国大統領)
スペードの2 アリエル・シャロン(イスラエル首相)
スペードの3 ダグラス・フェイス(国防次官)
スペードの4 オットー・J・ライヒ(西半球担当の国務次官補)
スペードの5 ジョン・ボルトン(大量破壊兵器担当の国務次官)
スペードの6 ジョン・ネグロポンテ(合衆国国連大使)
スペードの7 ポール・ブレマー(イラク暫定統治機構代表)
スペードの8 リチャード・パール(暗闇の王子、元国防政策委員会メンバー )
スペードの9 ポール・ウォルフォヴィッツ(国防副長官)
スペードの10 コンドリーザ・ライス (国家安全保障担当の大統領補佐官)
スペードのJ コリン・パウエル(国務長官)
スペードのQ ドナルド・ラムズフェルド(国防長官)
スペードのK トニー・ブレア(ブッシュのプードル犬 英国首相)
それぞれのカードに付されている説明をわかる範囲で説明を加えていきます。写真を貼り付けましたので、「なるほどこの人物はこういう顔かたちをしているのか〜」とイメージを頭に焼き付けながら見ていってください。(同じ人物で2枚のカードを貼っている場合もあり、「sponsoerd by〜」というのに注目してください。アメリカのビジネス・エリート(実業界)と、政界との密接な結びつきをおもしろおかしく皮肉っている内容であることに注目してください。日本どころではなく、世界中に「鉄の三角形」というものはあると言うことです。 )
(1)スペードのA ジョージ・W・ブッシュ(合衆国大統領)
(「この世の中は危険に満ちている。世界は、狂人と不確実であふれている。そして、世界は、精神の安定を失う可能性に満ちている」)
(2)スペードの2 アリエル・シャロン(イスラエル首相)
(1982年に起きたサブラとシャティリアの虐殺の犠牲者によって包囲され、そのうちの幾人かによって、戦争裁判所を開くように要求されたにもかかわらず、シャロンは引き続き恐れずにアメリカの軍事行動を求めた。最初はイラクで。そして最近は、シリアとイランで)
スペードの3 ダグラス・J・フェイス(国防次官)
(リチャードパール=スペードの8 の秘蔵っ子で、イラクの戦後復興計画において、イラク国民会議議長で、アメリカ留学経験のあるのアハメド・チャラビを強力にプッシュした。フェイスは元々法律家であり、長年の間、イスラエル右派のための支援活動をしてきた人物である。シャロンのユダヤ人入植政策も支持してきた。オスロ合意が成立した後もなお、彼はイスラエルに対して、パレスチナ領を占領すべしと述べた。彼曰く、「あがなうべき血の代償は大きい。しかし、その価値はある」)
スペードの4 オットー・J・ライヒ(西半球担当の国務次官補)
(過激な反共主義者。イラン・コントラ事件にも関わっていた。80年代のレーガン政権時のラテンアメリカ政策のプロパガンダ広報官であり、ベネズエラの反米のチャベス政権転覆クーデターにも一役買っている。http://www.fair.org/articles/otto-reich.html)
スペードの5 ジョン・ボルトン(大量破壊兵器担当の国務次官)
(彼は、国連、国際司法裁判所、そして事実上の全ての兵器管理にかんする国際条約に対決してきた。話が、どのようにしてイラクの次に“シリア、イラン、北朝鮮の脅威に対処する”かということを議論していくときには目が輝く。そして、同様に、ボルトンは悪の枢軸の一つにキューバとリビアを加えた)
スペードの6 ジョン・ネグロポンテ(合衆国国連大使)
(1980年代には、合衆国ホンジュラス大使を経験。極左組合活動家と民主的な反政府勢力に対する暗殺部隊の重要な支持者である。そして、新生イラク米国大使に任命される見込み)
スペードの7 ポール・ブレマー(イラク暫定統治機構代表)
(イラク暫定統治機構=CPAの長。以前は、多国籍企業のコンサルタントを務めた経験もあり、「自由貿易政策には、企業のレイオフがつきものであり、収入の格差と社会における緊張−回り回って、アメリカの企業に対する一連の攻撃につながる−をもたらす」と発言した。さらに、「新生イラクには“開かれたビジネス環境”が必要である」と既に発言している)
スペードの8 リチャード・パール(暗闇の王子、元国防政策委員会メンバー )
(「私は長年考えてきたことがある。それは、フランスにはアメリカの世界における役割を減ずるように意図して動いている勢力がいるということだ。・・・・ 我々は、以前は同盟国であったフランスを封じ込め戦略を考えなければなるまい」)
スペードの9 ポール・ウォルフォヴィッツ(国防副長官)
(「実際の所は、米国が大量破壊兵器の危険を強調したのは、何よりも、ワシントン内部の官僚の議論のためだったという。大量破壊兵器を開戦の主たる理由にするというのは、政府の全部門から同意の得られる唯一の選択肢だった」(ヴァニティ・フェアへのインタビューで)http://www.abc.net.au/worldtoday/content/2003/s867453.htm )(2枚目:ウォルフォヴィッツは、ノースロップ・グラマンとおもちゃメーカーでGIジョーで有名なハスブロ社の重役だったこともある)
スペードの10 コンドリーザ・ライス (国家安全保障担当の大統領補佐官)
(「攻撃されるまで待て、というのは、常識ではとても考えられないことだ」)(2枚目:コンディ・ライスは、シェブロン・テキサコの重役メンバーになった経験がある。コンディ・ライスは、スコウクロフトの秘蔵っ子である。シェブロンは、「コンドリーザ・ライス号」と本当に自社タンカーに命名した。)
スペードのJ コリン・パウエル(国務長官)
(「控えめにみても、今日イラクには、100〜150dの化学兵器物質があると思われる。これは、16000本のミサイルに相当する」(2003年2月国連で)−−しかし、いまだにそのような物質は発見されていない)
スペードのQ ドナルド・ラムズフェルド(国防長官)
(徹底的に調べろ、イラクとアルカイダの関係を。−9.11テロの時に側近に向かっていった言葉 イラクが同時多発テロに関係した証拠は無いにも拘わらず、ラムズフェルドは、イラク攻撃の準備を命じた。側近へのメモによれば、「オサマ・ビンラディンばかりではなく、サダム・フセインも攻撃することが出来るか判断せよ」)
スペードのK トニー・ブレア(ブッシュのプードル犬 英国首相)
(「大量破壊兵器製造に使うための、禁制機械と大量破壊兵器を、我々が見つけていないではないか、ということを批判する人がいるが、彼らは間違っている。我々はWMDを見つけた。」−これは、気象観測気球に使用するための水素発生装置についての発言である。しかも、この装置はイギリスから輸出されていたものであった)
アルルの男・ヒロシです。
次は「政治家」編(2)をお送りします。今度はあまり耳慣れない人物が結構登場します。ご期待ください。
2004/04/21(Wed) No.01
http://snsi-j.jp/boyakif/diary.cgi