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「人質・家族バッシング」に異論噴出 政府責任問う声も
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イラクで人質になったNGOメンバーやジャーナリストたちの「自己責任」を問う声が、政府・与党に根強い。解放後には救出費用の請求まで取りざたされた。自ら出向いて危険な目に遭った人たちの自己責任を連呼することで、国民を保護する政府の重い責任が見逃されている。NGOなどからは、異論が噴出している。
イラクで医療支援などに取り組む日本国際ボランティアセンター(JVC)の熊岡路矢代表は「自己責任は活動の原則だ」と話す。「安全確保とそのための情報収集と判断が紛争地での人道支援活動の前提」。それでも残るリスクを背負い、多くのNGOは活動している。
NGOは、政府機関にはできない、国益を超えた活動を担う。万一、誘拐やテロなど危機に陥ったとき、だれが救い出すのか。「官民あげてあたるのが普通だ。救出された側に自己負担を求めるなど聞いたことがない」と熊岡さんは言う。
アラブメディアを通して武装勢力に人質解放を呼びかけた国際交流団体ピースボートの吉岡達也・共同代表は「彼らがこれまでの活動でどれだけ日本の評判をよくしたか、その効果は絶大なもの。政府がその点を評価しないと、海外の人道支援活動をつぶしてしまう。自国民を保護するのは、そもそも国家の義務だ」と話す。
「彼らはなぜ捕まったか。自衛隊派遣で米軍に協力している日本の国民だから。なぜ解放されたのか。非武装で人道援助をし、自衛隊派遣を批判していたからだ」
棟居快行・北大教授(憲法)は「生きざまを選ぶのは個人の尊厳。憲法から言っても当然だ。『政府の言う通りにすればいい』というのは過剰な干渉で、もっと成熟した国家と市民の関係が求められる。政府は自己決定に干渉せず、どこがどの程度危険か、具体的な情報を最大限出すことに徹するべきだ」と話す。
「日本人人質の家族に口輪(くちわ)」−−南ドイツ新聞は、家族らが外国人特派員協会で開いた会見の模様をそう伝えた。「口輪」はドイツ語で、言論抑圧や箝口(かんこう)令のたとえとして使われる。
同紙は「だれが彼らを黙らせたのか、そしてどのように?」と始まる。政府の批判をしていた家族が突然、黙り込んだと指摘。会見で「政府側から批判を慎むように要請されたのか」と質問したが、「ノーコメント」だったと紹介した。
15日付で記事を書いたヘンリック・ボルク特派員は「会見では家族を批判するような質問が多かった。家族ではなく、政府を批判すべきではないか」と話している。
米国務省のホームページには、パウエル国務長官のインタビューが載っている。
TBS記者の質問に15日、答えたインタビューで長官は「彼らのような市民や、危険を承知でイラクに派遣された兵士がいることを、日本の人々はとても誇りに思うべきだ」と語り、「私たちは『あなたは危険を冒した、あなたのせいだ』とは言えない。彼らを安全に取り戻すためにできる、あらゆることをする義務がある」と続けた。
小泉首相は16日、解放直後の3人について記者団に「イラクに残りたいという人もいるようだが」と問われ、「これだけの目に遭って、多くの政府の人たちが自分たちの救出に寝食を忘れて努力してくれているのに、なおかつそういうこと言うんですかねえ。やはり自覚というものを持っていただきたいですね」と答えた。
(04/20 02:44)
http://www.asahi.com/national/update/0420/003.html