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http://www.zakzak.co.jp/top/2004_04/t2004041932.html
解放ありきの誘拐だった…邦人5人誘拐
ファルージャ攻防戦、米軍へ“人質武器”
日本人の人質解放に、いずれも登場したクバイシ師。「時の人」は、聖職者協会重鎮のほかに、武装組織の“スポークスマン”としての顔を持つ(AP)
【バグダッド19日=夕刊フジ特電】武装勢力と聖職者は一体で、最初から解放ありき!? イラクの5邦人誘拐は19日までに、イスラム教スンニ派は反米の御旗のもと、「軍事部門」の武装組織と「政治部門」のイスラム聖職者協会が表裏一体となり、誘拐を通して組織拡大を図っていたとの見方が出始めている。監禁ビデオの分析や被害者証言から、当初から解放予定だったことも明らかに。敵対するシーア派に押され気味のスンニ派。6月の主権委譲に向けた復権と、米軍との中部ファルージャでの交戦を優位にするため、綿密に計画した策略だった可能性も出ている。
【深い信頼関係】
18日夕に帰国した高遠菜穂子さん(34)ら3人と、20日午前に帰国する安田純平さん(30)ら2人の人質解放に尽力したイラク・イスラム聖職者協会のクベイシ師は、犯人の武装勢力行と深い信頼関係で結び付いているものとみられる。クべイシ師は、日本人誘拐以外でも、中国人やウクライナ人、ロシア人、フランス人解放に関与。武装組織の実質的な“スポークスマン”としての役割を担っている。
当地の治安当局者は「スンニ派内で、軍事部門担当の武装組織は、誘拐を政治的に利用するため、対外交渉や広報活動の重要性を自覚。聖職者協会などを政治部門として活用していた可能性が高い」と証言する。
【形勢不利だったスンニ派】
旧フセイン政権では大統領警護や諜報部門などを任され、強い影響力を誇っていたスンニ派だが、昨年のイラク戦争で失墜した。
6月の主権委譲では、国内のモスリム(イスラム教徒)の6割を占めるシーア派に押され、形勢不利な立場にある。
スンニ派の聖職者協会も、シーア派最高権威のシスターニ師や反米強硬派のサドル師に比べ、ほぼ無名の存在だった。
【プロパガンダ】
そこで、スンニ派が台頭手段として選んだのが、外国人誘拐だった。治安当局者は解説する。
「米国人4人殺害に端を発したバグダッド西方約50キロのファルージャでの米軍との攻防で、停戦合意させるため群雄割拠の有力部族を中心に、周到に計画された」
シーア派が誘拐行為を否定するのとは逆に、スンニ派は18カ国70人以上の外国人誘拐を行ってきた。このなかで殺害が確認されたのは、アメリカと米同盟国・イタリアの2国だけ。殺害されたイタリア人は、米大使館の警備担当をしていた。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラに送られた犯行声明ビデオなどでは、日本人を含め、誘拐された外国人を殺害すると示唆していた。
だが、当初から誘拐によるプロパガンダ(宣伝)が目的で、殺害の可能性はなかったとの見方が犯行の手口から次々と浮き彫りになっている。
【ゲストの扱い】
最初から「解放ありき」で日本の民間人5人を狙い、最大限の反米効果を図ったスンニ派。
17日に解放されたフリージャーナリストの安田純平さんと市民団体メンバーの渡辺修孝さん(36)は誘拐直後、武装勢力に反米から「FBI(米連邦捜査局)のスパイか」と尋問された。
だが、嫌疑が晴れると、武器を突きつけられたり、脅されたりすることはなかったという。
扱いについても「山盛りのごはんにチキンをのせた食事が出るなど、丁重な扱いを受けた」と証言した。
【脅しは演技】
ボランティアの高遠さん、写真ジャーナリストの郡山総一郎さん(32)、市民団体代表の今井紀明さん(18)の場合、アルジャジーラでノド元にナイフや銃を突きつけられるなど、衝撃的な脅迫映像が流された。
日本政府の分析だと、演技を振り付けられていたことが判明。3人は「武装組織に説明を受けたうえ、おびえた動作をするように強要されていた」と証言した。
【利害が一致】
武装組織は誘拐で「反米」「反占領政策」を訴える一方、スンニ派内で反米的組織の聖職者協会も、交渉の窓口になることで一躍、全世界の知名度を上げ、両者の利害が一致したとみられる。
中東調査会上席研究員の大野元裕氏も「クベイシ師が複数の犯行グループから信頼を受けていることは間違いない。クベイシ師には武装組織をかばうような発言もあり、近い関係と感じところもある」と話す。
【台頭するスンニ派】
イラクでは、元イラク亡命者を中心に作った統治評議会にかつての威厳と影響力はない。
連合軍暫定当局(CPA)も激しい内戦で指導力が薄れ、ブッシュ米大統領はブレア英首相との会談でやむなく、国連主導を打ち出している。
武装組織の誘拐戦術と、流れに乗った聖職者協会のプロパガンダで、スンニ派の地位が確実なものになりつつある。
アルジャジーラの映像だと、安田さんらの解放後、クベイシ師は「川口順子外相の声明をテレビで見たが、聖職者協会への感謝の気持ちが伝わってこなかった」と、上村司イラク臨時大使に不満を述べている。
日本側は川口外相名の感謝状を出したが、「聖職者協会による地位誇示の演出」(外務省幹部)との見方もある。
【20日に帰国】
安田さんら2人は、モスクワ経由の定期便で20日午前(日本時間)にも帰国する。18日午後に中継地アンマンに到着。2人の希望で医療機関での検診は受けないという。
2人は17日の解放直後、「イラク国内にとどまり活動を続けたい」と漏らしていたが、在バグダッド日本大使館側の説得に応じ、日本へ帰国することに合意した。
【本格的な聴取へ】
政府と警視庁は今後、5人の事情聴取を本格化させ、両事件の犯行グループの特定や背後関係の解明を急ぎ、再発防止策にも当たる。
武装勢力はいずれも反米意識を強調して、自衛隊の撤退も要求しているが、イラクで外国人人質事件が頻発していることから、聴取結果は米国など関係国にも伝える。
ZAKZAK 2004/04/19
☆今回の事件でもっとも利益を得たのはクバイシ師。
複数の誘拐事件から人質を解放したその手際は、いくら宗教指導者だとしても
異常に鮮やかすぎはしないだろうか?