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Subject: [TUP速報] 293号 ラムゼー・クラークからアナン国連事務総長
への公開書簡 04年4月27日
アフガニスタンにしろイラクにしろ、治安は一向に回復せず、手を焼くブッシュ
政権は、イラク侵略戦争を開始した際あれほどないがしろにした国連に、助けを
求めようとしています。イラク侵略が9・11以前から計画されていたことが次
第に明らかになりつつあり、また、スペイン、ポーランドがイラク派兵から手を
引く方向に舵きることがはっきりしてきました。アメリカでブッシュ大統領たち
首脳者を弾劾にかける運動を続けているクラーク元米司法長官が、アナン国連事
務総長に、アメリカのイラクに対する侵略戦争にきちんとけじめをつけるよう
に、公開書簡を出していますので、紹介します。(寺尾光身/TUPメンバー)
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クラーク元米司法長官からアナン国連事務総長への公開書簡
2004年1月29日
アナン事務局長 殿
アメリカ合州国大統領ジョージ・W・ブッシュは、2004年1月20日に行
なった一般教書演説で侵略戦争をし続けるとの大統領の意志を再度確認しました
。
大統領は演説を次のように始めています。
「私たちが今夜一堂に会している時、数十万のアメリカ兵が、テロとの戦争のた
めに世界中に展開しています。抑圧された人びとに希望をもたらし、乱暴者ども
に正義の鉄槌を下すことで、兵士たちはアメリカの安全をより確実にしているの
です。」
大統領は次のように公言しました。
「我われが負うべき最大の責任は、積極的防衛によってアメリカ国民を守ること
です・・・・。アメリカはテロリストに対して引き続き攻勢を保っています・・
・・。」
続けて大統領は述べました。
「・・・・我われ同盟軍は、タリバンとアルカイダの残党どもに容赦ない襲撃を
かけ続けています。・・・・戦闘中我が軍の攻撃から逃走した者どもが、今散り
ぢりとなり、物陰から攻撃をかけてくるのです。」
イラクについて、大統領は次のような数値を報告しました。
「前政権のトップ55人の高官の内、我われはこれまでに、45人を捕虜にする
か殺害しました。我が軍は攻勢をとり続け、1日に延べ1600回を越えるパト
ロールを行ない、週に平均して180回の襲撃をかけています。」
自分が命じた侵略について、ブッシュ大統領は次のように説明しています。
「・・・・あの9月11日の混乱と殺戮のあとでは、法律に基づいた文書を敵に
突きつけるだけでは十分ではありません。テロリストとテロリストの支援者たち
は、アメリカ合州国に宣戦を布告したのであり、その結果望み通り戦争になって
いるのです。」
法律を忘れよ。もはや法に基づく文書、法的権利などどうでもよい。事実を忘れ
よ――というわけです。が、アフガニスタンもイラクもアメリカに宣戦を布告し
たのだ、と主張するなどナンセンスです。両国の主権を犯し“政体”を変え、こ
の
両国をくまなく攻撃することは、アメリカが選んだのであり、その過程で、数千
人の成年男女や子どもたちを正当な手続も経ずに即刻処刑したのです。2003
年3月に今の侵攻が本格的に始まって以来、イラクの少なくとも4万の無防備の
人びとが、アメリカの武力攻撃によって殺されました。名だたる、ハイテクの、
テロリストばり“衝撃と畏怖”作戦に始まり、現在に至るまで続く日に25回を
上
回るアメリカ軍による攻撃によって、死傷者の山を築く結果になっています。
この致命的侵略はすべて、ブッシュ大統領が自慢している“2年以上にわたって
アメリカ領土への攻撃は1回も無かった”期間に行なわれたことです。アメリカ
は、紛れもない侵略をなし、得手勝手に抑圧し、その攻撃の性質と目的の説明に
うそをついていた、とのそしりを免れることはできません。
ブッシュ大統領の残忍さは、“戦闘中に我が軍の攻撃から逃走した”“殺し屋ど
も”
と“イラクの悪漢ども”を大統領が糾弾していることにあらわになっています。
ア
メリカの軍事支出と軍事技術は、この惑星地球に住む生命を脅かし衰退させてい
ます。どんな軍隊であれ、野戦でアメリカの空軍力と大量破壊兵器に立ち向かお
うとすれば、皆殺しにされるのは必至です。これこそ、“かかって来い”と言い
放
つときの、ブッシュ大統領の意図するところなのです。
ブッシュ大統領は武力で“中東”を変えてやるとの意志を明白に述べました。
「中東が暴政と絶望と怒りの地であるかぎり、この地はアメリカとその友邦の安
全を脅かす人間や運動を生み出し続けるでしょう。ですからアメリカは、大中東
地域の自由という積極的戦略を追及し続けているのです。我われは、改革の敵す
べてに挑戦し、恐怖の同盟に立ち向かい、友邦からの高い評価を得る決意でいま
す。」
「・・・・アメリカにはひとつの使命があります。・・・・我われは、我が国に
課された天命、この偉大な共和国が自由という大義を主導するのだ、という天命
を理解しています。」
大統領はどの国を脅迫しようが思いのままなのです。
「テロへの攻撃の一環として、テロリストをかくまい支援する政権、テロリスト
に核兵器、化学兵器、生物兵器を渡しかねない政権にも、我われは立ち向かって
います。アメリカ合州国と同盟国は決意しています、この究極の危険にさらされ
ながら生きることを拒否すると。」
ブッシュ大統領が国際連合をはなはだしく侮辱していることは、アメリカ合州国
と同盟国が“国際連合の諸決議を実行した”と強弁したことに表われています。
そ
れも、イラクに対する侵略戦争の容認を国連が拒否したことを無視し、国連が国
連自身の“諸決議”を実行する勇気も能力も無いとほのめかしつつです。
アメリカの一国主義的行動に大統領が一貫して関わっていたことは、ブッシュ大
統領が“許可メモ”というのは生徒が教室を離れるときにいるものだ、と次のよ
う
に皮肉たっぷりにいったことで、大統領自身がはっきり認めました。
「アメリカは、我が国民の安全を守るのに許可メモを求めるなどということは決
してしません。」
ブッシュ大統領はアメリカだけでやるつもりなのです。大統領にはアメリカの力
と富にしか関心が無いからです。ただ、NATOその他諸国の青年を自分の戦争
で大砲の餌食として使いたがってはいますが。
ブッシュ大統領は、力は正義なり、と信じ込んでおり、また、結果良ければ手段
良し、とも信じています。大統領は言明しています。
「・・・・サダム・フセイン政権が無い世界は、よりましで、より安全な場所に
なっています。」
ですから、ブッシュ大統領は、大統領が名指しする国家と個人を滅ぼすことで世
界を“よりよく、より安全な場所”にするために、この地球上のすべての命ある
も
のから命を奪うことができる米軍の皆殺し兵器の使用を命令するでしょう。
ブッシュ大統領はテキサス州で、152人を越える死刑囚の刑執行を命じました
が、これは第二次世界大戦以後のアメリカの州知事の誰よりもかけ離れて多い数
です。死刑に処されたものの中には、女性、未成年者、知的障害者、在留外国人
(外交関係に関するウィーン条約に違反して)、無実の人などもいました。大統
領は一件たりとも死刑執行を差し止めるような行動はしませんでした。大統領一
般教書その他で、外国の指導者を暗殺する権利を公然と宣言し、死刑の即決執行
と無差別殺人を繰り返し自慢していました。
ブッシュの一国主義の危険性は、大統領の次のような発言でさらにはっきりしま
す。
「カダフィ大佐は、大量殺人兵器など持たない方が自国の暮し向きは良くなるし
ずっと安全だ、と正しい判断を下しました。アメリカ合州国とイギリスが一緒に
リビアと集中協議を9ヶ月行なった結果はうまく行きましたが、イラクとは12
年間も外交交渉を行なったにも拘わらず、うまく行きませんでした。」
外交なんて忘れなさい、“集中協議”をやりなさい、です。もしブッシュ大統領
が、結局は屈服させることに失敗したイラクに対する12年に及ぶ大量虐殺的制
裁措置を、同国を叩き潰して屈服させようとする取組みではなく、“外交”であ
ると考えるのであれば、なぜ大統領はイラクに対する侵略戦争を避ける“9カ月
の集中協議”を採用しなかったのでしょうか。大統領はイラクに対する犯罪的な
攻撃を開始するまでにほぼ27ヶ月もその職にあったのであり、あきらかに最初
からそのつもりだったのです。イラクは誰に対しても脅威などではありませんで
した。
ブッシュ大統領が“集中協議”という言葉で意味する内容には、たとえばイラク
の
ように決してはったりではないということを示した、軍事侵略の脅しも含んでい
るのです。ニュルンベルク裁判では、チェコスロバキアがボヘミアとモラビアを
放棄しなければプラはを壊滅するとゲーリングが脅したことを、侵略行為である
としました。
もしカダフィが、“大量殺人兵器など持たない方が自国の暮し向きは良くなるし
ずっと安全だ、と判断したことが正しい”のなら、アメリカ合州国が大量に備蓄
している核兵器を廃棄しても、なぜ合州国の暮し向きは良くならず、またずっと
安全にもならないのでしょうか。核拡散の最大の脅威は間違いなく、ブッシュ大
統領が核拡散防止条約(NPT)、ABM禁止条約、核実験禁止条約に違反して
戦略核兵器プログラムを継続し、30年以上の歴史をもつ“核軍縮”達成のため
の
交渉に誠意をもって臨むことをせず、新世代核兵器である大量殺戮の小型“戦術
”
核兵器を開発しすぐにでも使おうとしていることではありませんか。大統領は現
に保有している戦略核兵器を使うと脅していないとでもいうのでしょうか。
NPTに対して“核兵器保有国側”がこの36年間“核軍縮”の達成に誠実に努
力す
ることができなかったことが、世界が未だに核戦争と核拡散の脅威に直面してい
る理由なのです。
自分が仕掛けた侵略戦争の正当化のためにブッシュ大統領がひねり出した説明、
弁明、あるいは言い逃れは多々ありますが、どれも一貫性はなく、どれ一つとっ
ても大統領が犯した犯罪を消し去ることはできません。ブッシュ大統領の放った
言説の中で、不当である度合い、誤解を与える度合いがまだしも低いものの一つ
は、2004年1月20日に行ったもので、次のようにいっていました。“イラ
クが国連から隠していた数十にのぼる大量破壊兵器関連の計画活動と、かなりの
量の大量破壊兵器関連の装置を、ケイ報告は既に確認していました。”
その3日後にはケイ博士は、イラクは1991年の湾岸戦争終了時点では不法な
兵器を所有していたと思うが、国連査察とイラク独自の決定によって“イラクは
それらの兵器を処分した”と思う、とロイターに語りました。博士はさらに、イ
ラクは大量の化学兵器あるいは生物兵器を国内に備蓄してはいない、といって、
これは“正しい”と述べました。博士はまた、イラクでは化学兵器あるいは生物
兵
器の証拠は何も発見できなかった、と付け加えていました。
イラクが1991年の湾岸戦争で違法兵器を使わなかったのに対し、アメリカは
使いました。900トン強の劣化ウラン弾、燃料気化爆弾、スーパー爆弾、クラ
スター爆弾を、民間の人と施設に“直接的攻撃対象”としてです。アメリカは、
イ
ラクの軍備の80%を破壊したと公表しました。8万8千5百トンの爆薬、ヒロ
シマ原爆の7.5倍に相当する量を42日間でこの国に投下しました。イラクは
事実上無防備でした。イラク兵と民間人数万人が殺されました。アメリカが報じ
た死傷者は157人ですが、その1/3は友軍からの誤爆誤謝によるものであ
り、残りは非戦闘中でした。
徹底的な立ち入り査察を6年以上続けた国連査察団は、核、化学、生物兵器の製
造に要する資材の90%を発見し、破壊しました。1990年8月6日に発動さ
れた国連による制裁措置によって、1996年10月までに5才以下の子どもた
ち56万7千人の死がもたらされた、と国連FAO(国連食糧農業機関)が報告
しました。2002年にイラクで死産を免れて生まれた新生児の24パーセント
は2キログラム以下という危険な低体重であったことが、国民全体の健康状態を
象徴的に示していました。
2003年3月の時点で、イラクはアメリカに、いやどの国にも、脅威となるよ
うなことを行なう能力などありませんでした。例えイラクがそんなことをやって
みたところで、湾岸に配置されている米軍によって粉砕されるのがおちでした。
核、化学、あるいは生物兵器の何れか、ないしこれらの複数種類を所有している
ことを認めている国は、35カ国以上あります。このような国は、法外放置者と
して、ただWMD(大量破壊兵器)を所有していることを理由に滅ぼされること
が法的に許されるのでしょうか。アメリカはこれら許すべからざる兵器の何れを
も、他国すべてのものを合計した数より多く所有しています。しかも、地球上の
任意の地点に数時間内に打ち込めるという運搬能力に関しては、無限とも言える
格差があります。そればかりかアメリカは、すでに地球上他のすべての国の軍事
支出額を超えている軍事支出をさらに増加させているほか、軍事技術の開発も進
め、その危険性は指数関数的に高まっています。
1974年12月14日の侵略の定義に関する国連総会決議の一部を示すと以下
の通りです:
第1条:侵略とは、国家による他の国家の主権、領土保全若しくは政治的独立に
対する武力行使をいう。
第2条:国家による国際連合憲章に違反する武力の最初の行使は、侵略行為の一
応の証拠を構成する。
第3条:次に掲げる行為は、いずれも…侵略行為とされる。
(a) 一国の軍隊による他国の領域に対する侵略若しくは、攻撃、あるいはそのよ
うな侵攻ないし攻撃の結果としての、一時的なものであってもかかる侵入若し
くは攻撃の結果もたらせられる軍事占領;
(b) 一国の軍隊による他国の領域に対する砲爆撃、又は国に一国による他国の領
域に対する兵器の使用;
(c) 一国の軍隊による他国の港又は沿岸の封鎖;
(d) 一国の軍隊による他国の陸軍、海軍若しくは空軍又は船隊若しくは航空隊に
対する攻撃。
もしイラクに対するアメリカの攻撃が国際法の下の侵略戦争ではないとすれば、
侵略戦争という犯罪などなくなってしまいます。巨大な、強力そのものの一国家
が、か弱く疲れ果てた無防備の民衆を、地球をぐるり半周して“衝撃と畏怖”と
い
う恐怖と破壊をもって襲いかかり、占領し、一日も休まず攻撃を続けているので
す。ブッシュ大統領は米兵の“・・・・武力攻撃と夜間襲撃における技術と勇気
”
を賞賛していますが、これこそなんの罪も無いイラク人の婦人たち、子どもた
ち、家族たちにテロを加え、殺しているのです、殆ど毎日、週平均して180回
の攻撃で。
国際軍事法廷(ニュルンベルク)憲章付属規約の平和に対する犯罪の項で定義さ
れている第一の犯罪は侵略戦争です。II.6.a. ニュルンベルク判決はこう宣告し
ました:
“被告たちが侵略戦争を計画し実行した、と起訴状が告発している罪は、最重要
の罪である。戦争は本質的に悪事である。戦争の惨禍は交戦国にのみ限られるも
のではなく、全世界に影響を及ぼすのだ。”
侵略戦争を仕掛けることは、したがって、国際犯罪であるのはもちろん、最高の
国際犯罪です。
プラハを破壊するとの脅しに続いての1938年3月のオーストリアの“併合”
と、1939年3月のチェコスロバキアからのボヘミアとモラビアの“併合”と
は、実際の戦闘は行なわれなかったし、また、イギリス、フランス、イタリア、
およびドイツがチェコスロバキアのスデーテンラントのドイツへの割譲に合意し
たあとであったにも拘わらず、ニュルンベルク法廷によって侵略行為と判定され
ました。
ナチドイツによる侵略戦争であると判定された最初の行為は、1939年9月の
ポーランド侵略でした。そのあとに長いリスト、イギリス、フランス、デンマー
ク、ノルウェー、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ、ユーゴスラビア、ギリ
シャの侵略が続きました。ソ連、そしてフィンランド、ルーマニア、ハンガリー
への攻撃については、次のように判決が下されました。
ソビエト社会主義共和国連邦に対する攻撃は、ソ連がドイツへの攻撃を目論んで
いたこと、そして、その目的に向けて準備していたことを理由に、正当とされま
した。このような見解が誠実な検討を経た結果とは、とても考えられません。
ソビエト社会主義共和国連邦の経済的搾取をめざす計画、人口のかなりを移動さ
せるための計画、人民委員や政治指導者の暗殺計画、これらの計画はすべて、何
の警告も無く、また法的弁明のかけらもなしに、同年6月22日に実行に移され
た入念な段取りに含まれていました。
戦争、搾取、飢餓、疾病、貧困の惨禍を終わらせるための、実効ある機関として
国際連合が今後も生き続けるつもりであるのなら、アメリカの政権がその侵略戦
争を正当化する事を許す訳にはいきません。過去20年の間に、グレナダ、リビ
ア、パナマ、ハイチ、ドミニカ共和国、スーダン、ユーゴスラビア、キューバ、
イエメン、そして他にも脅迫され、制裁措置を発動され、軍事攻撃を受けた多く
の国ぐにで、アメリカ合州国による比較的小規模ながら犠牲者にとっては充分過
酷な侵略行為と侵略戦争が行なわれました。その一部は国際連合の承認を得たも
ので、全体としても国連のブレーキが効いていませんでした。これらすべてがア
フガニスタンとイラクに対する大規模で悲惨な侵略戦争を引き起こしてしまった
のです。
アメリカによるイラクに対する大規模侵略戦争と不法な占領を断罪することに失
敗すれば、そしてアメリカの占領にいささかでももっともらしい合法性を与える
国連決議を行えば、さらに、より大きな侵略への門を広く開くことになりましょ
う。今こそけじめをつけなければなりません。
国際連合は、アメリカのイラクに対する武力攻撃と占領は侵略戦争そのものであ
る、と認識し、そのように宣言しなければなりません。国連は、イラクに対する
アメリカの侵略、不法な占領、そして今も続く米軍による襲撃を正当であるとし
たり、見逃したりすることをきっぱり拒絶すべきです。1990年に、イラクは
クウェートから撤退せよとアメリカが執拗に要求したように、アメリカはイラク
から撤退せよと国連は執拗に要求すべきです。
侵略戦争に免責があってはならないし、侵略戦争で利益をあげてはなりません。
アメリカとアメリカの企業はすべての利益を放棄すべきです。そしてイラクに関
係するすべての契約を無効とすべきです。
アメリカの指導者とその他責任者は、イラクに対して行なった犯罪について厳密
な説明責任を果さなければなりませんし、アメリカの侵略がアフガニスタンとイ
ラク、そこで傷つけられた両国民に与えた損害、そして世界平和に不安定化と害
をもたらしたこと対して、アメリカ政府による補償があってしかるべきです。
ただしこれがなされるについては、内部分裂が噴出したり、イラク内部の暴力や
外国政府による支配や搾取が行なわれることのないよう、注意が必要です。統一
イラクの統治権は、イラクに住む多様な人びとに返還し、共通の利益のために共
に合意に基づいてつお平和の内に行動できるようにすべきです。
敬具
ラムゼー・クラーク
同じ文面の書簡を、以下に送付しました:
国連安全保障理事会参加国
国連総会議長国
国連事務総長
アメリカ合州国大統
*******************************************
原文は
http://www.iacenter.org/
にアクセスし、右側の「Letter from RAMSEY CLARK to KOFI ANNAN: January
31, 2004」とあるところをクリックすると読むことができます。
翻訳:寺尾光身/TUPメンバー