毎日【人質１人殺害受け、早期撤退論に傾斜−−イタリアの世論】

http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20040427dde007030011000c.html
2004年04月28日
記事全文
イラク：
人質１人殺害受け、早期撤退論に傾斜−−イタリアの世論

　【ローマ井上卓弥】「緑の旅団」を名乗るイラク人武装グループは２６日、ビデオ映像に添えた声明で５日後のイタリア人人質３人の殺害を警告し、伊国民に「政府のイラク政策（伊軍部隊の駐留継続）に対する反対デモ」を要求した。伊世論は人質１人殺害（１４日）を受けて「早期撤退」論に傾き始めており、ベルルスコーニ中道右派政権が貫く対米協調路線との乖離（かいり）状態がさらに深まる可能性も出てきた。
　中東の衛星テレビが放映した犯人側のビデオと声明に対し、伊首相府スポークスマンは２６日、「人質解放に向け最善を尽くしている」とだけ強調。与党・中道右派連合と野党幹部の一部は「テロリストの脅迫には応じない」との主張を繰り返した。一方、人質の家族や地元自治体の首長らは、２９日にもローマで部隊撤退を求める「反戦デモ」を行う姿勢を固め、賛同者に参加を呼びかけている。
　米国の民間警備会社に勤めるイタリア人４人は１２日、イラク中部ファルージャ近郊で拘束されたとみられる。犯行グループは当時、「カタイバ・ムジャヒディン（戦士大隊）」などと称していた。イタリアは現在、イラク南部ナシリヤに部隊約２７００人を派遣。首相はイラク人への主権移譲（６月末予定）後も駐留を継続させる方針を示している。
毎日新聞　2004年4月27日　東京夕刊

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