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「ニューズウィーク日本版5・5/12」P.18〜21に掲載されている「スペイン撤退の責任と無責任:イラク 自国の国益しか考えない指導者の決断がイラクや中東問題を危機に追いやる」より:
※ 記事の内容は、表題にある“スペイン撤退”とはほとんど関係ない中東の今後に関する悲劇的な見通しという摩訶不思議なものである。
記事の基調は、傲慢で力に頼るブッシュ−シャロン批判であり、そのような政策がもたらす中東の悲劇であり、それを回避するため中東問題に数多くの国が関与する必要性を説いたものである。
羊頭狗肉とも言える奇妙な記事であると同時に、とてつもなく悲惨な中東の近未来を予測した記事でもある。
「<前略>
政治はローカルなものだと言われる。だが「文明の衝突」が加速している今、イスラム世界にかかわる政治問題は一気にグローバル化する。
その典型的な例が、聖地をめぐって争いの絶えないパレスチナ問題だろう。この紛争には、世界中が注目している。責任ある政治指導者なら、解決に向けて全力を尽くそうと考えて当然だ。
だが、そんなリーダーはどこにも見当たらない。パレスチナ自治政府のヤセル・アラファト議長も、イスラエルのアリエル・シャロン首相も、アメリカのブッシュも例外ではない。
ブッシュは4月20日に行った演説の中で、ヨルダン川西岸にユダヤ人入植地が存続することを容認する発言をした。まるで地図の上で簡単に境界線を引き直すかのように、30年以上にわたって入植地に反対してきた米政府の公式見解を翻した。
だが「聖地」で実際に血を流している当事者は、自分たちの文化と国家の生き残りを賭けて命がけで戦っている。その行方こそ世界が懸念しているものなのに、世界の指導者は境界線や分離壁などにばかり関心を寄せている。
シャロンは先ごろ、ガザ地区のユダヤ人入植地を完全に撤去する方針を明らかにした。「(ヨルダン川西岸とガザ地区を含めた)大イスラエルを建設するという夢は実現不可能と認めた」点は画期的だと、ヘブライ大学のバルーキ・キマーリング教授(社会学)は評価する。
流血の絶えないイラクは第2のパレスチナへ
だが一方で、ヨルダン川西岸では入植地を守る分離壁の建設が続けられている。「パレスチナは何段階かのプロセスを経て政治的に抹殺されていく」と、キマーリングは言う。まずは「自治政府をはじめパレスチナの公共部分がだんだんと解体されていき」、次に「一般市民の日常生活が破壊されていく」と、彼はみている。
アメリカが提案するパレスチナ国家の建設に賛成すると、シャロンは言う。ブッシュはその言葉を信じているようだ。
だが、アラブ社会はキマーリングと同じ意見だ。彼らは、いずれは自分たちも存亡の危機に立たされると考えている。アラブのテレビはアメリカによるイラク占領を、イスラエルによるパレスチナ占領と同じように描いている。最近になってイラクの治安が悪化しているのは、それが一因だ。
アラブ国家でありながら、イスラエルと友好関係にあるエジプトとヨルダンは、ブッシュの入植地容認発言に裏切られた思いである。イラク戦争でアメリカに協力的だったヨルダンのアブドラ国王は先日、訪米を延期してブッシュとの会談を取りやめた。
エジプトのホスニ・ムバラク大統領も仏ルモンド紙とのインタビューで、アラブ世界の対米感情はこれまでで最悪だと語っている。
「絶望感を味わっているのは中東諸国だけではない。アメリカとイスラエルの人々は世界各地で脅威にさらされるだろう」
秩序と安置をいくらかでも回復したいと望むなら、道は一つしかないようだ。ワイン好きのフランス政府高官が言うように、イラク問題やパレスチナ紛争の解決に向けて国際社会は交渉を重ねなくてはならない。
そこには、できるだけ多くも国や国際機関が参加する必要がある。まずは6月にジョージア州のシーアイランドで開催される主要国首脳会談(サミット)が、その絶好の機会となるだろう。
とはいえ例の高官でさえ、すぐに問題が解決するとは思っていないようだ。話を終えた彼は肩をすくめ、グラスに入ったワインを飲み干した。
地平線のかなたに見えた世界の終わりが現実のものとなるかどうかは、神のみぞ知る−そう言わんばかりだった。
クリストファー・ディッキー(中東総局長)」
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「スペイン撤退の責任と無責任:イラク 自国の国益しか考えない指導者の決断がイラクや中東問題を危機に追いやる」という表題に即した部分は、
「 サパテロ政権が撤退を決めた理由は、国内的なものだ。撤退は「イラクの不安定な現状を終わらせるために必要だ」とミゲル・アンヘル・モラティノス外相はスペインの新聞に語ったが、地元メディアの多くは6月の欧州議会選挙を前に国民の支持を固める必要があったと指摘している。
ホンジュラスも撤退で占領政策は崩壊寸前
だがその決定によって、スペインはアラブ諸国に「臆病者」という印象を与えてしまった。中東の衛星テレビ局が放送したウサマ・ビンラディンの肉声とされるテープは、マドリードで起きた列車爆破テロへの関与を示唆し、同じ目にあいたくなければスペインを身ら苗と警告した。」
という程度で、表題にはそぐわないあたり障りのないスペイン批判しか書かれていない。