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『大マスコミ報道陣が消え、残るはフリー記者3人のみ
誰が自衛隊を監視するのか?』
橋田信介サマワ・リポート 日刊ゲンダイ4月28日号(27日発行)より
◎橋田信介、1942年生まれの還暦過ぎのジャーナリスト、最新著書「イラクの中心でバカと叫ぶ」
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(本文)
先週、今年4度めのサマワ入りをした。オランダ軍の宿営地に迫撃砲が打ち込まれ、さすがに物騒なので今度ばかりは防弾チョッキ装着で向かう。バグダッドからはサマワは高速で2時間30分の距離だが、途中で米軍に走行妨害を受ける。結局4時間もかかった。そのため町には寄らず、宿営地に直行。
すると、入り口にアラブ人と同じ赤と白のターバンを頭に巻きつけたヘンテコリンナ自衛官が立っていて、「中に入るには東京の防衛庁の許可証が必要です」と告げられる。もちろん、そんな物はない。「明日また来るから」と言い残して仕方なく町に戻る。
前回、訪問した4月上旬は、50人以上の日本人記者団がいた。なのに、自衛隊派遣を力説した読売さんはもちろん、消極的だった朝日さんなど大新聞・TVは日本人誘拐事件を機に撤退してしまった。監視の目を鋭くしないと、イラクの地で自衛隊に軍国主義的野心が芽生えるんじゃないかと、還暦過ぎの戦場記者は危険を冒してはるばるやってきた。なのに「許可証」を盾に自衛隊に近づけないのだ。
翌朝、再び宿営地入り口で取材交渉にあたる。すると中から一人の日本人記者が姿を現した。ラッキー。友人のフリーカメラマン宮嶋茂樹だ。「許可証ないから、宿営地の中に入れないんだ。中の様子はどうなってんの?」と聞く私に、宮嶋がこう言う。
「猛烈な砂嵐が吹き荒れる外と違い、宿営地は砂漠のオアシスです。病院、風呂、売店、何でもあります。キャベツとか新鮮な野菜もあります。味噌汁の具のナメコはかなり大きいです。隊員はムシャムシャと内地のコシヒカリをほおばっています」
サマワには私と宮嶋、フリーの記者の3人だけ。監視の目が少ないのをいいことに、自衛隊はヌクヌクト引きこもる日々だ。
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還暦過ぎの戦場ジャーナリストに、不肖宮嶋カメラマン、・・・勇気あるジャーナリスト感謝。