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<イラク人質解放>政治力強める聖職者協会
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040418-00000128-mai-pol
イラクで拘束された日本人2人は17日、犯人グループから連絡が入ったイスラム教スンニ派の「イラク・イスラム聖職者協会」幹部のアブドルサラム・クバイシ師によって身柄を保護された。クバイシ師と同協会は日本人人質事件の3人をはじめ、ほかの外国人事件でも仲介役となったことで、イラクでの政治的立場を強めることになりそうだ。一方、同協会が反米闘争の急先ぽうであることから、人質解放に対して謝意を示したい日本政府の本音は複雑なようだ。【バグダッド小倉孝保】
◇日本政府の本音は複雑
クバイシ師の活躍は、シーア派指導者の勢力台頭と合わせイラクでの宗教勢力の伸長を象徴する出来事とも言える。行政の主役であるはずのイラク統治評議会は影を潜め、米英占領当局(CPA)が進める統治体制は崩壊の危機にひんしているからだ。
「イラク統治評議会は米軍と宗教界という二つのナイフで切り刻まれようとしている」。最近のイラク紙では、人質事件でのスンニ派指導部の活躍や、シーア派強硬派のムクタダ・サドル師の支持増大に比べ、統治評議会が機能不全に陥っていると分析する論調が目立つ。
人質事件が相次ぐ前は、クバイシ師も聖職者協会もイラクでそれほど知られた存在ではなかった。しかし、中国人、ロシア人、フランス人に続き、今回日本人の人質を解放させ、知名度は国内のみならず世界的に上がった。
一方の統治評議会は、今月5日から米軍がファルージャへ猛攻を仕掛けた際も、手をこまぬいていただけだった。その後、統治評議会メンバーが米軍と地元武装勢力との間で停戦交渉に乗り出したものの、事態は好転せず、最近、やはり聖職者協会が直接介入を始めた。
クバイシ師ら聖職者協会の狙いは、はっきりしない。同協会はスンニ派の中でも反米的な組織として知られ、同師本人も舌ぽう鋭く米国を批判する。協会そのものが武装勢力に極めて近く、いわば「政治部門」と「軍事部門」の関係にあるのでは、との憶測もある。
クバイシ師は人質解放に貢献すると同時に、反米的なメッセージを広報し、国内で注目を集めている。それはイラクで多数派のシーア派に対抗する戦術の一つとも受け取れる。
昨年7月、CPAが元亡命イラク人を中心に設立した統治評議会だが、「米国追従」「よそ者による統治」と国民から不満は絶えない。統治評議会への支持が急落する一方、国民の期待は宗教勢力に集まり始めており、クバイシ師は確実にその流れに乗っている。
◇反米に同調の犯行
日本人2人を解放した犯人グループは、人質にメッセージを託して「反米英」と「自衛隊の撤退」などを訴えた。最終的にイスラム教スンニ派の聖職者指導部と接触したことから、スンニ派の反米武装勢力の一部の可能性が強まっている。
安田純平さんら2人が拘束されたのは、バグダッド郊外のアブガリブで、スンニ派住民が反米武装闘争を繰り返すファルージャと近い。アブガリブにもスンニ派の過激派組織が存在することが分かっており、ファルージャの反米勢力に同調する形で安田さんらを誘拐したのでは、とみられている。
ただ、拘束中に犯行声明を出しておらず、自衛隊の撤退要求を出した日本人人質事件の犯人グループとみられる「サラヤ・アルムジャヒディン」などファルージャ系の武装組織とは一線を画すとの見方もある。
聖職者協会は最近、「米軍に関係のない市民の人質を解放すべきだ」と唱えていた。(毎日新聞)
[4月18日3時58分更新]
◆(私のコメント)
スンニー派の聖職者協会も反米組織に変わりがなく、だからこそ武装組織も人質解放に協力出来たのだろう。この事件で一番得をしたのは何処か?スンニー派の聖職者協会である。