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本日発行の「日刊ゲンダイ4・27」5面の『イラク戦争:本当の狙いは「サウジ独裁王政打倒」:CIA関連機関が分析』より:
「「アメリカのイラク攻撃は、サウジアラビアの独裁王政に対する牽制だった」―米CIAを「代弁」するといわれる民間情報分析機関「ストラファー」社のジョージ・フリードマン博士の分析である。
「大量破壊兵器を破壊するため」のイラク戦争は泥沼。そこにもってきて、特ダネ記者、ボブ・ウッドワードが近著で「ブッシュは9・11直後から口にしていた」とすっぱ抜かれて、大義名分はもろくも崩れていた。その矢先の「フリードマン証言」である。
同博士によると、そもそもウサマ・ビンラディンのようなテロリストを生んだのは人権抑圧と貧富の差の激しいサウジアラビア社会。しかもこの石油成り金王室の王子の中にはアルカイダなどテロリストを陰で支援し、隠れ家を提供してきたものも少なくない。米国にとっては石油供給源として最も重要な中東国家だが、テロの温床はこの国にある。
サウジアラビアの民主化こそテロリスト撲滅のカギを握るわけだが、石油の関係で直接介入はできない。そこでアメリカは隣国であり、中東の戦略的拠点ともいうべきイラクを攻撃、フセイン政権を倒し、イラクを民主化することで、サウジアラビア王室を牽制、民主化を誘い出せるというのがイラク侵攻の真の狙いだったと分析している。つまり民主化の「ドミノ論理」というわけだ。
フリードマン博士は、出張先のオーストラリアで開かれた小人数のオフレコ懇談で述べたもの。「黙っていればブッシュに悪者にされかねないCIAが同博士を通して情報をリークした」(情報機関関係筋)ともっぱらである。 (PRI特約)」
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★ 9・11以降に顕在化した「アフガニスタン侵攻」や「イラク侵攻」は、中東諸国のみならずムスリム多数派国家の「近代化」を目的とした“第二次世界支配構造変革戦争”だと考えている。
また、米国政権(世界支配層)とフセイン政権は“お仲間”だと思っているので、「イラク侵攻」はイラクそのものを標的にしたわけでないことも確かだ。
「サウジ独裁王室打倒」という目的については、サウド王室の主流はフセイン政権と同じく“お仲間”だから、ワッハーブ派守護者的独裁を消滅させるという目的には同意しても「サウド王室打倒」という目的には同意できない。
米国政権(世界支配層)は、政治的支配と経済的収奪ができれば、それぞれの国家の政体が共和政民主主義であろうが君主政民主主義であろうがかまわない(さらに言えば、民主主義でなくてもかまわない)。
中東に関しては、米国が共和政民主主義国家で英国が君主政民主主義国家という“異質”な形態になっているように、それぞれの地域(国家)事情を踏まえて「近代化」を確立しやすい政体を選択するはずだ。
(サウジアラビア・クウェート・UAE・カタールなどは君主政を維持した「近代化」が意図されていると推測している)
今後サウジアラビアなどで起きる事態は、米国が単独でどうこうというより、現支配層と米国が対立と協調を装いながら「近代化」を進めていく“手段”だと見たほうが理解しやすいと思っている。
※ サウド王室のなかに“反米”ないし“反近代化”の王子もいるだろうとは思っている。