現在地 HOME > 掲示板 > 戦争53 > 1102.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
脅威!?米東部で「17年ゼミ」大発生…食の楽しみも (読売新聞)
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/world/us_domestic.html?d=26yomiuri20040426i506&cat=35&typ=t
【ワシントン=笹沢教一】首都近郊の住民たちが意外な“脅威”におびえている。
17年に1度だけ地上に出現し、ほかの年には姿を見せない不思議な「17年ゼミ」の羽化が、ワシントン近郊やニューヨーク州などの米東部で、5月から本格化するからだ。セミがエアコンなどを詰まらせたり、果樹などへの被害も予想され、今夏の米国は蝉(せみ)時雨ならぬセミ軍団に襲われそうだ。
農務省昆虫分類研究所とメリーランド州当局者は、首都に近い同州モントゴメリー郡で25日までに、今年初めての周期ゼミの羽化が確認されたことを明らかにした。オハイオ州のマウント・セント・ジョセフ大は、今年の発生状況について、同州シンシナティ近郊だけで約50億匹以上の17年ゼミが押し寄せると試算している。
セミの地上での生息期間は約4週間。ピーク時には雌ゼミがリンゴ、洋ナシなどの果樹の若木に卵を産み付けて傷めたり、エアコンや自動車などの通気口に目詰まりを起こすなどのトラブルが予想され、セミの大合唱による騒音も心配される。飛行中、人にぶつかることから、メリーランド州当局は「6月にかけて野外で行われる結婚式などの時期や場所を変えるほうが無難」と呼びかけている。
19日のナショナル・ジオグラフィック(電子版)も、農場や庭園をセミから守るための特集記事を掲載、枝に網をかけるなどの注意を呼びかけた。
最近の発生年の1987年と70年には、オハイオ州などで果樹に被害が出たほか、ワシントン近郊の路上では、大量の死がいが覆い、周辺はチーズのような異臭が満ちたという。
もっとも米国内では、むやみに恐れるよりも、めったにない機会を楽しもうという空気も強い。
ワシントン・ジョージタウンのホテルでは、この時期に、セミを避けて屋内のラウンジに駆け込んだ人に「17年ゼミ・カクテル」と名付けた食前酒をサービスする。ワシントンなどの複数のレストランでは、羽化したての軟らかいセミをソフトシェル・クラブ(脱皮ガニ)のように揚げる伝統のセミ料理を、期間限定で提供するという。また、セミの歌声を聞きながらの野外コンサートや、博物館のセミ展も予定されている。
「生物多様性」という言葉の提唱者として知られるハーバード大学の昆虫学者エドワード・ウイルソン教授は「彼らが歌う期間はとてもはかない。どうかこのままにして、次に再び騒音が聞ける日を待ちたい。自然の不思議を楽しもう」と話している。
◆周期ゼミ=米東部には、毎年羽化する日本などのセミと違い、17年か13年に1度だけまとまって羽化する「周期ゼミ」が生息している。羽化する年や生息範囲の違いで15の群に分けられ、今夏に羽化を迎える3つの種を「ブルード・テン(第10群)」(学名Magicicada)と呼んでいる。全長約4―5センチと最も大きく、生息域も最大の15州にまたがり、血のように赤い目を持つ。
[ 2004年4月26日14時55分 ]