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2004年4月17日発行
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JMM [Japan Mail Media] No.266 Saturday Edition
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『from 911/USAレポート』 第141回
冷泉彰彦 :作家(米国ニュージャージー州在住)
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「流血と殺気が引き裂く社会」
イラクではファルージャをめぐるにらみ合いが続く中、多くの国の民間人が誘拐され
たり、安定化の方向へ向かうのか、内戦状態へと進むのか、一進一退の事態が続いて
います。では、このイラクの状況に責任を負うべきアメリカの国内は、というと、ま
るで丸太を斧でたたき割ったように、社会が二つに分裂しているのです。
今週火曜日、4月13日のブッシュ大統領の記者会見も、結果的には、痛ましいほど
の世論の分裂を印象づけただけで終わりました。この会見の結果については、世界に
は「6月30日の主権委譲の日付は動かさない」ことと「イラクでの駐留米軍は補強
する」ことが打ち出された、というように格好の良い「メッセージ」だけが一人歩き
しています
以下
http://ryumurakami.jmm.co.jp/recent.html
記者会見一問一答のべらんめい訳が面白い。
やはり、Fallija和平の成否が今後のシナリオの分岐点か?
その中の高遠さんに関する部分引用
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ただ、私は日本がアメリカのマネをして、このイラク問題をめぐって「世論の分裂」
を深くしてゆく必要はないように思うのです。確かに、イヤな分裂の兆しが出てきて
います。例えば、今回の救出劇の際のアル・ジャジーラTVの映像の紹介の仕方です。
アルジャジーラはカタールの王子がやっている、アラブ系のTVです。そのTVの取
材に対する発言は、まずはアラブ世界を念頭に置いてのものでしょう。
救出された高遠さんの「イラクに戻りたい。イラク人を嫌いになれない」という発言
は、他にどのような言い方があるでしょうか。感情的な空想論とは対極にある、した
たかな計算とでも言いましょうか、とにかくこの発言で、アラブ世界の「高遠さんへ
の同情、親日感情」は増しこそすれ、減ることはないでしょう。
この発言によって、行方不明の2名の危険も減りこそすれ増すことはないでしょうし、
間接的ではありますが、サマーワの自衛隊に対するテロの危険も減少すると思います。
それどころか、自衛隊の人々は働きやすくなるのではないでしょうか。悪いことは何
もないと思います。ですが、日本のTV視聴者は日本人が日本語でTVで話している
と、それは日本の「世間様」を相手に話していると錯覚するのです。その錯覚から、
高遠さんは不遜だ、というような勘違いも甚だしい意見が出てくるようです。
まあ、そこまでは昨今の世相からは仕方がないのかもしれませんが、そうした誤解に
基づく悪感情を一国の総理が人気取りに悪用するに至っては、こちらは相当にタチが
悪いと言わざるを得ないでしょう。少なくとも生命の危険を冒してきた人が、救われ
て尚、その国の人が見ているTVで見事に親日感情を拡大する効果のあるセリフを言
い放った、それを非難し逆に政治利用をする、これでは為政者として最低の品格にも
欠けます。
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