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先日発売された、週刊文春4・22日号のトップ記事「日本政府極秘交渉ルートをスッパ抜く!」
を読んで、怒りがこみ上げてきた。
政府は人質救出を自らの手柄として宣伝したいようだが、記事を見ると手柄どころか、マフィアと裏取引のような身代金交渉を行い、解放を遅らせることに加担した疑いが浮かび上がってくるのだ。
週刊文春の記事の内容の主要な部分を要約すれば、
欧州情報機関最高幹部からの情報として、
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・事件発生後、犯人グループと接触する手段を持たない日本政府は、世界各国の力に頼って交渉の機会を持とうとしていたが、具体的な動きを確認できたのは、スウェーデン・ルート(後述)。
・日本の報道では、スンニ派グループの犯行と断定するメディアもあったが、実際の犯行グループは、シーア派サドル師率いる民兵組織「マハディ軍団」(公称3千人)の1分隊。
・マハディ軍団の成り立ちと性格は、ジャーナリストの勝又郁子氏によれば、「フセイン時代に南部シーアはが多く逃れていた『サダム・シティ』(現『サドル・シティ』)を、米軍は早期に解放したが、治安が悪くなり、警察のような存在が必要になった。その役割を果たしたのが、『マハディ軍団』の前身。軍団の主力は、血の気の多い若者たちで、黒い衣装に身を包み、『治安維持活動』と称しては因縁をつけ、横暴な所業を繰り返すようになった。彼らはサドルを狂信的に支持する集団で、統制はとれていない」
(マハディ軍団成立の経緯から、CPAの関与が色濃いと思われる・マドオンナ注)。
・別の情報機関幹部によれば、4月に入ってから頻繁に勃発している外国人誘拐事件も、同じマハディ軍団の分隊の仕業とのこと。
・マハディ軍団の支援団体幹部によると、彼らはシーア派だけでなく地元スンニ派武装勢力も組み込んだ非正規友軍の一つ。だから、アルジャジーラに届けられたビデオからは、急造編成ゆえ、「運動靴を履いている、武器の扱いがおかしい」などの違和感が感じられた。しかし、彼らは重要な”特殊部隊”的ミッションを帯びており、それが「外国人誘拐」だった。
・欧州情報機関最高幹部によれば、その正体が分かったことによって、スウェーデン・ルートの重要性が増した。それは、マハディ軍団と兄弟関係にあるのが、レバノンの原理主義グループ「ヒズボラ」で、従ってヒズボラがこの事件の交渉の仲介役として、まさに適任の組織なのだが、ヒズボラの幹部や、支援するシリアの外交官と直接コンタクトが取れる国は、レバノン、シリアと友好関係にあり、NATO非加盟で中立国のスウェーデンなどに限られていた。
・在欧ジャーナリストによれば、日本政府がこのルートにアプローチした方法は、外交一元化を理由に、あるアラブ通の日本外交官が、在スウェーデン大使の頭越しで交渉。その外交官は、まずアメリカと日本に深い関係を持つロビイストと接触。このロビイストが、ヒズボラの幹部、シリアの外交官、アラブ・マフィアの大物という3人と、ストックホルムで急遽会談した。要するに、日本政府は、ヒズボラ幹部を通じてマハディ軍団と交渉しようとした。
・問題は、このルートが正常に機能したかだが、会談に出席したアラブ・マフィアの大物の談によれば、「交渉はある時点までは非常にうまく行っていた。身代金の金額の話も出た、というより最初からカネの交渉。アラブ特有の法外な要求から入り、日本人が誘拐された場合の『相場』である1人あたり百万ドルで大体落ち着いた。交渉の最中は人質に危害を加えないことも確認されていた」
・それでも何故日本人が解放されなかったかについては(そのマフィア大物によれば)
アメリカの横槍が入ったからとか、24時間以外に解放との声明もこのルートでの交渉が進んだからだが、結局決裂したため、解放されなかったとかだそうだが、真偽は明らかでない。
・日本政府はスウェーデン・ルートだけに頼らず、リビアのカダフィ大佐や、独首相府のエルンスト・ウルラウ第六局局長にも接触、情報収集と交渉のアプローチを行ったりもした。だが、日本政府が一番期待をかけていたのは、「CPA」を通じての、スンニ派幹部との接触だった。交渉を担当しているのは、例の上村大使だった(しかし、自前の交渉能力を持たない日本政府が各国に「丸投げ」した交渉の成果は、この記事を書いている4月13日午後7時には、まだ顕れていなかった)。
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等々、この記事では、その他にも、事件発生当時の小泉らのワインパーティの話や、官邸に流れた自作自演の噂の話などにも触れているが、上に書かれたものが交渉のおおよそのあらましのようである。
3人が解放された今、この記事から浮かび上がってくる問題がいくつかある。
実際に説得を行い、彼らの身柄を引き取った、聖職者協会のクバイシ師の談によれば、
http://www.asyura2.com/0403/war52/msg/846.html
「この解放交渉にあたって、日本政府とは一切接触していない」
「自衛隊撤退要求の声明を出したのは、犯行グループそのものではなく、別のグループである」
とのことである。また、今朝のテレビでは、この聖職者協会は、CPAとの関係はないと言っていた。
また、重大な疑惑がある。この間、グローバル・ウォッチのコリン・コバヤシ氏や、市民団体、フリージャーナリストらが、独自のルートで聖職者協会などとのコンタクトを行っていたようだが、その中で、「ある人物が、犯人に身代金の受け渡しを勧めるような形で、妨害を行っている為、解放が遅れてしまっている」(その元記事を見失ってしまったので、どなたかリンクできる方がいたら、お願いします)というようなものがあった。その他これに関連する記事を下に挙げます。
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拉致グループは解放することだけを欲している
2004-04-12
緊急声明4(転送可)
様々な情報が飛び交っていますが、技術的な問題で解放が遅れているようです。
ただ攻撃的なことをせずに静かに待つことが解放に繋がるという信ずるに足る情報を得ています。
拉致グループは解放することだけを欲しており(何の交換条件もないこと)、
彼らの意思は声明文に表現された通りです。
アルジャジーラで流された情報に登場したミュズヘール・アル・デライミなる人物は信用にたる人物ではありません。
静かに待ちましょう。
グローバル・ウォッチ/パリ
コリン・コバヤシ
緊急声明3●私たちは警告を受け取りました
2004-04-12
緊急声明3 グローバル・ウオッチ(パリ)
日本政府へ、そして反戦市民、団体すべてへ
アルジャジャーラにたいする川口外相の声明、外務省報道官の声明は、
拉致グループを激怒させるに充分です。
わたしたち、グローバル・ウオッチはバグダッド経由の警告を受け取りました。
(パリ時間正午12時15分)
これ以上、日本政府が自衛隊派兵の正当性を主張し、米軍と組んでイラク民衆を攻撃しようとするなら、人質解放の扉は閉ざされる危険性があるだろう、との警告です。
私たちは、日本政府がいっさいの無意味なアジテーションをやめ、今回の人質解放に繋がる道を開いたのは、政府の努力ではなく市民たちのネットワークであることを素直に認めるべきである。拉致グループを含め、イラク民衆が望んでいるのは、あらゆる外国の軍隊のプレザンスの退去であり、占領の早期終結です。
以上のことが尊重されないなら、拉致された日本人の生命に万が一のことが起こった場合のあらゆる責任は日本政府にあると判断されても仕方がないでしょう。
グローバル・ウォッチ/パリ コリン・コバヤシ
PS:日本政府へ転送できる方は転送をお願いします。
小泉発言で解放に遅れ イラク聖職者が主張
2004-04-14
【バグダッド13日共同】イラク・イスラム聖職者協会のクバイシ師は13日、バグダッドで記者団に対し、小泉純一郎首相が日本人3人を拘束した武装組織を「テロリスト」呼ばわりしたため、武装組織が3人の解放を遅らせていると語った。
クバイシ師が武装組織から直接聞いたものではなく、同師の個人的な見解を示したとみられる。
小泉首相は9日、武装組織の自衛隊撤退要求に関して「(撤退は)ありません。テロリストの卑劣な脅しに乗ってはいけない」と述べていた。
同聖職者協会は、日本人人質事件解決に向けた仲介交渉は行っていないとしている。
http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2004041301004879
http://www.asyura2.com/0403/war52/msg/507.htmlより
>また、コリン・コバヤシさんからのメールを紹介します。
これで解放が遅れている理由がわかってきました。
なお、下記での怪しい人物とは、日本のテレビやマスコミでも見られましたが、
仲介者として登場したミズヘル・アル・ドレイミ氏で、彼は、謎が多く、ペテン師
といわれている人物です。
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読売のサイトが日本時間深夜1時頃に彼の声明を流しましたが、しかし、この仲介役といわれた男も、現在、拉致グループから追い出されました。私たちの市民のネットワークが信頼されたのです。一時はこのペテン師が登場したことで、事態の推移をたいへん危惧しましたが、まもなく、何事もなければ解放されるはずです。そして多くの真実がわかるでしょう。
仲間の三人は元気で、客人として接待されているということです。
これらの情報と照らし合わせると、日本政府は、3人の解放を促進したどころか、ひょっとすると例のミズヘル・アル・ドレイミ氏などを遣わせて(もちろん確証はないが)、実際に家族・市民グループ→聖職者協会→犯人グループという解放交渉ルートの間に割って入り、人質解放交渉の妨害を行ったことになるのだ。
もし、マハディ軍団の一分隊と目されるサラヤ・ムジャヒディーンのメンバーが、もと狼藉者集団であったり、また、独自の判断で動いているのではなくCPAなどから金で雇われた誘拐部隊のひとつであったとしても、もともとイスラムのコミュニティに属する者にとっては、金よりもイスラム法やファトワが優先されるのは当然なことである。
もともと亡命者からなるチャラビ以下のCPAの連中にとっては(あるいは、日本が説得に充てたアラブマフィアなどにとっては)、イスラム教などより、アメリカ流拝金教の方がよっぽど信じられる基準になっているのかも知れないが、イラクの社会を拠り所にしている者たちにとっては、イスラム法を無視することは、イスラム社会を追放されるか、裁きによっては処刑されかねない程の重大事である。
それは、シーア派だろうが、スンニ派だろうが、何の違いもないだろう。
これらを理解しない者、なんでも金で解決できると信じて疑わないものの奢りたるや、目を覆うばかりである。
ここまで来ても全てを自分の手柄にし、被害者家族から、迷惑料と言って救出にかかった(といっても救出に直接寄与したとは言いがたい)費用を全部よこせなどと言って憚らない政府は、まるで当たり屋か山賊かなにかのようでもある。