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【ドーハ=新居益】イラクで15日解決した日本人3人の人質事件では、拘束から解放まで、カタールの衛星テレビ局「アル・ジャジーラ」が情報を独占、中東初の本格的ニュース専門局としての実力を改めて見せつけた。
その強さは、犯人側からも“信頼”が寄せられたことによる。一方で、その報道が混乱を招くなど、情報寡占の危険性も浮き彫りになっている。
「日本人人質3人解放」――。ドーハにあるアル・ジャジーラ本社編集局に、バグダッド支局から一報が届いたのは、15日午後2時(日本時間同日午後8時)過ぎ。情報の確認などを経て、社内LANで速報が流されると、編集局内にいた数十人の記者らは、一斉に立ち上がり、肩をたたき合った。約40分後にはテレビ画面にテロップが流れた。
同局は、その後もイスラム聖職者協会の事務所にカメラを送り込み、解放の喜びにひたる3人の様子を放映。一連の報道は、まさに同局の独り舞台だった。
アル・ジャジーラは1996年に国家元首のハマド首長が設立した。アラブ各国から集まるスタッフは、BBCアラビア語放送勤務経験者が多い。
報道の自由が厳しく制限されているアラブ諸国の中で、アル・ジャジーラは「必要と判断する情報を流す」(広報担当のジハード・バッルート氏)と強気だ。各国政府との衝突も多いが、BBCばりの現場中継と「アラブの視点」に立った積極報道は、民衆の圧倒的な支持を得ている。
それゆえに、各国との衝突も多い。特に米国とは“犬猿の仲”だ。
「お前の記者はウソをついている」――。イラク駐留米軍報道官のキミット准将は13日夜、アル・ジャジーラの生中継番組で色をなした。ファルージャでの停戦崩壊は、米軍が一方的に戦闘を再開したためという記者の現地リポートに反撃したものだ。
イラク戦争中には、米軍の攻撃でアル・ジャジーラのスタッフが死亡したこともある。同社の報道姿勢が、視聴者の反米感情に油を注いでいる可能性もある。
ただ、外国人記者の間では、同局の報道内容は、国際的メディアとしては、まだ信頼性が低いと受け止められている。11日には、「武装グループが自衛隊撤退を要求、受け入れられなければ24時間後に1人殺害」と報じ、混乱が生じた。
“特ダネ”連発の秘密はその豊富な資金力にあるとの指摘もあるが、バッルート氏は「我々はプロであり、情報源は当然明かせない」とかわした。中東報道で同局が他局をリードする状況は当分続きそうだ。
(2004/4/16/14:45 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20040416it03.htm