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順調な交渉、一転暗雲…情報漏れで仲介パイプ切れる
「一時は最悪の結果を覚悟した。これだけ早い解決はむしろ予想外だった」
イラクで人質になっていた日本人3人が解放された15日夜、政府関係者は厳しい表情で語った。
武装グループは、人質解放の期限を「3日以内」と指定し、事件3日目の10日深夜(現地時間)には、「24時間以内に解放する」との声明を出した。
この直後、隣国ヨルダンの緊急対策本部では、逢沢一郎外務副大臣が「進展してきた」と興奮気味に話し、政府内でも「即時解放」の観測が流れた。「我々には(武装グループと)きちんとしたルートがある」。政府高官の1人はそう言って自信を見せていた。
状況が一変したのは13日午後。それまで武装グループと外務省をつないでいた仲介者が突如、情報を寄せなくなってしまった。
「仲介役を務める中東の報道関係者が、解放の具体的な条件を外務省に提示したところ、誤った内容が他の省庁や一部マスコミに漏れ、その報道関係者の信頼を失った」。政府関係者はそう打ち明けた。
それでも発生から8日で解決したのは、「イスラム聖職者協会などの呼びかけが奏功したからにほかならない」(警察庁幹部)。海外では1990年以降、96年のペルー日本大使公邸占拠事件や、99年のキルギス・日本人技師拉致事件、2001年のコロンビア・現地法人副社長誘拐事件など同様のケースが7件起きている。被害者が命を落とした事件もあるが、ほとんどは政府が現地の治安当局などと連携し、状況をコントロールできていた。
イラクでは、米軍も現地の情勢を容易に把握できないという特殊事情がある。だが、交渉途中で情報が途絶え、政府の危機管理が機能しないまま、勝手に事態だけが進んだ今回の結果は、不幸中の幸いと言える。
内閣の危機管理担当者が振り返る。「誤った内容が漏れたのは、政府全体の危機意識が薄く、情報管理が徹底しなかったからだ。省庁ごとに担当分野を区切る今の危機管理体制では、これからも同じ事態が起きる可能性がある」
(読売新聞)[4月16日3時10分更新]