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3.11マドリッド列車爆破関連、新情報、その他(この3日分のエル・パイスより)
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投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2004 年 4 月 14 日 07:48:48:SO0fHq1bYvRzo
 

3.11マドリッド列車爆破関連、新情報、その他(この3日分のエル・パイスより)

この何日間か人質事件が気になり、こちらの情報をまとめることに手を抜いていました。気を取り直して地道に情報収集活動を続けます。エル・パイス紙の記事の、4月11日付けから13日付までの3日分の、、3.11事件、及び他の「テロ」関連の情報を、時系列でお知らせします。


●『警察は、3.11テロリストが英国在住のイスラムの導師と関係がある、と確信』(11日)
警察は、英国在住のイスラム教リーダーと3.11爆破事件のテロリストとの関係を追求している。この指導者はアルカイダとつながりがあると見られ、まだはっきりとは特定できていないが、捜査官はこの男が「ベン・サラウイ」の名前を使っていると考えている。4月3日にレガネスで自殺したイスラムグループのメンバーの一人の最後の電話連絡の一つが、英国に住む何者かとのものであったことが分かっている。このことによって、スペインで活動するテロリストが英国内から支援を受けている、という見方を強めている。
http://www.elpais.es/articuloCompleto.html?xref=20040411elpepinac_11&type=Tes&anchor=elpepiesp

しかし、何だねえ。特定できていない人物に関して、本来こんな情報は極秘なのじゃないのかな。それをあからさまに発表をしたのは、「反テロ戦時体制」作りのための世論作りの一環か、とりあえず「知ってるぞ」という顔を見せて相手の出方を伺っているのか、要するに空っぽの情報ということでしょうね。ただエル・パイスも「警察」とだけ書いており、おそらく国家警察でしょうが、どの部門・担当なのかは書いていません。


●『警察は3.11の捜査範囲を他の6カ国にまで広げる』(12日)
警察は3.11爆破事件の捜査範囲を、他の少なくとも6カ国(フランス、英国、ドイツ、イタリア、モロッコ)まで広げることにした。これらの国々では爆破事件の犯人たちが思想的・経済的な援助を仰いでいた、と考えられる。一方で内務相は、事件に関係したと見られるSaid BerrajおよびMohamed と Rachid Oulad Akchaの兄弟たちの居所を知るために、市民の協力を求めている。3日のレガネスで自爆した7名のうち3名がいまだ特定されていない。
http://www.elpais.es/articuloCompleto.html?d_date=&xref=20040412elpepinac_14&type=Tes&anchor=elpporesp

ふーん。次々と広げていくのだなあ。やっぱし、ヨーロッパ全部をまとめて国境を自由に超えて捜査・情報収集できる「欧州CIA」でも作った方がいいんじゃないの、なんて声がブリュッセル当たりから聞こえてきそうです。


●『3つの宗教(カトリック、イスラム、正教)、3.11追悼集会に集まる』(12日)
イスラム教徒、カトリック教徒、正教徒が、3.11列車爆破事件の犠牲者の冥福を祈るためマドリッドのアトーチャ駅前に集まり、テロに対する反対の声をあげた。その悲劇の最もシンボリックな場所から300メートルほどの所で今でも毎日大勢の人が訪れる場所に、約二千人の人が集まり、宗教が各国民の間の連帯を作る要素であることを胸に刻んだ。
http://www.elpais.es/articuloCompleto.html?xref=20040412elpepinac_12&type=Tes&anchor=elpepiesp

犠牲者にはスペイン人以外にモロッコ人などのイスラム教徒やロシア人など東欧諸国の人もいた。それにしても、同じくテロ事件の後でイスラム教徒に対するいじめや嫌がらせが相次いだどっかの超大国とずいぶん違うねえ。


●『マラガで新たに3人逮捕:3.11の関連で』(13日)
国家警察はマラガ県【アンダルシア州】で3.11事件に関連して新たに3名を逮捕した。うち2名はカディス市、1名は近郊のコイン市であった。政府支部によると3名はマドリッドに護送された。逮捕された者のうち名前の判明している者はAbdelghafour AbderrazzakとMohamed El Barrouchiである。
http://www.elpais.es/articuloCompleto.html?xref=20040413elpepunac_7&type=Tes&anchor=elpporesp

3名のうち名前が分かっている者は2名、ということは、あと1名は誰かも分からずに逮捕した、ということかね。スペインの国家警察は9.11に関してもずいぶん無茶苦茶な逮捕をして後で無関係が分かった者が結構いるのだが。


●『自爆した3.11犯、アフガニスタンに兵を送ったことで、新政府を脅かしていた』(13日)
警察科学捜査班は、4月3日にレガネス市の住宅で爆死したテロリストたちが、その6日前に録画したビデオのメッセージを再現することに成功した。そのビデオテープの中には、サパテロの新政府に対して、「アフガニスタンへの増派」「状態が変わっていないことが確認できたので」という声ある、としている。
http://www.elpais.es/articuloCompleto.html?d_date=&xref=20040413elpepunac_6&type=Tes&anchor=elpporesp

サパテロはすでにアフガニスタンのスペイン軍を現在の250名から500名に増やすことを表明しています。このビデオテープには新たな攻撃の予告が録画されていた、ということですが、サパテロ新政権発足の直前にきてわざわざこんな発表がなされるのは偶然とは思えないふしがあります。要するに「お前はもう反テロ戦争から逃れられないぞ」という「天の声」でしょう。


●『スコットランド・ヤード、マドリッドで3.11の英国コネクションを捜査』(13日)
ロンドン警察であるスコットランド・ヤードは3.11の英国関連を捜査するため今日と明日マドリッドに来る捜査班を結成した。スペイン警察は彼らに「チュニジア人」ことSarhane Ben Abdelmajidと英国在住のイスラム原理主義者Ben Salawiとの関連を連絡していた。二人は3.11実行犯の集団自爆の前に電話で連絡を取り合っていた。
http://www.elpais.es/articuloCompleto.html?xref=20040413elpepinac_16&type=Tes&anchor=elpepiesp

それにしても、エル・パイスは「3.11実行犯」と始めから決めてかかっています。「死人に口無し」ですから何とでもいえますが。大新聞は結局どこでもそうでしょうが、結局は警察の広報部になってしまうようです。

●『FBI、アルカイダ容疑の男(アルジャジーラ特派員)を尋問』(13日)
米国司法当局と4名のFBI捜査官が、昨日、大法院でアル・ジャジーラ特派員Khaleb Madaniを尋問した。Madaniは、アルカイダに協力した容疑で、1月23日にトルレビエハ(アリカンテ県)で逮捕され拘留されている。
http://www.elpais.es/articuloCompleto.html?xref=20040413elpepinac_10&type=Tes&anchor=elpepiesp

もちろんですが、尋問の様子などは書かれていません。アル・ジャジーラといえば、今回の人質事件ではいろいろと興味深い情報を発信しまくって世界を手玉に取り、ずいぶんこちらも楽しませてもらいました。今までも或る怪だと手を組んで一躍世界の最も有名なマスコミの一つになっていますねえ。ところで今、アメリカで9.11の「見直し」が行われていますが、これと何かの関連があるのでしょうか。


最後に、少し前に記事になった、「テロ」とは関係のない記事ですが、

『フランスの映画配給会社、カトリックの圧力で「La Mala educación」の上映を止める 』(9日)
フランスの映画配給グループGaumontは、フランス中にある系列の50の映画館で、ペドロ・アルモドバルの監督したスペイン映画「La mala educación(不道徳教育)」の上映を中止した。新聞リベラシオンが昨日伝えたところによると、あるカトリック統一主義団体が圧力をかけた、ということである。
http://www.elpais.es/articuloCompleto.html?d_date=&xref=20040409elpepucul_1&type=Tes&anchor=elpporcul

この映画はフランコ時代のカトリック教育の中で同性愛を強要された少年の姿を描いたものですが、もちろんスペイン国内でも物議をかもしております。で、この圧力をかけたカトリック団体は、新聞はその名前を明らかにしていませんが、実は例のオプス・デイなんですよね。エル・パイスはinteglista(統一主義者)と書いていますが、スペイン人ならすぐに誰でもピンと来るのです。
何せフランコ時代には各公立学校で強制的にゴリゴリのカトリック教育を強制していましたから、その旧悪を暴かれるのはやっぱりちょっとつらいようです。米国のカトリック教会もずいぶんと叩かれているようですから。
もっともこのオプス・デイ、暴力・流血シーンの極め付きであるメル・ギブソンの「キリストのパッション」は誰よりも熱心に勧めているようです。まあ、この映画の製作には始めからこのカルト集団が中心に絡んでいましたし、メル・ギブソン自身もオプス・デイとの浅からぬ関係を噂されていますから。

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