イラクで武装勢力の人質となっている宮崎県佐土原町のジャーナリスト、郡山総一郎さん（３２）の家族に１３日、郡山さんが卒業した小学校などから相次いで、無事解放を祈る手紙や千羽鶴が寄せられた。情報が不足し、いら立ちばかりが募る弟の洋介さん（２８）は「ありがとう。家族にとっても励みになります」と感激していた。

　千羽鶴を贈ったのは町立佐土原小の児童たち。全校の３８３人が自宅で折った色とりどりの鶴を持ち寄り、学校で糸を通した。児童会の代表８人が午後、郡山さん方で洋介さんに「無事を祈って全員で作りました」と手渡した。

　児玉隆美君（６年）は「（郡山さんは）命を懸けてイラクの様子を伝えるすごい仕事をしていると思う。無事に帰って、家族に早く笑顔が戻ってほしい」。中野美咲さん（６年）は「家族に安心してもらえるよう願いを込めた」と話した。

　また、郡山さんが小・中学校時代の６年間通った空手道場「尚礼館」（宮崎市）の後輩、児玉剛君（１２）と森大地君（９）もこの日午後７時過ぎ、練習の合間を縫って千羽鶴を届けた。道着のままの児玉君は「早く無事に帰ってほしい。イラクの話などを聞いてみたい」と話した。

　宮崎県の安藤忠恕知事も実家を訪問。「一刻も早い解放を祈っています。お手伝いできることがあれば何でも言って下さい」と励ました。洋介さんと祖母のフサ子さん（８４）は「ありがとうございます。心強いです」と答えたという。知事は訪問に先立ち、上京中の母きみ子さん（５５）も電話で激励。きみ子さんは「ご迷惑をかけます」と話したという。

　同町職員によると、洋介さんとフサ子さんは１１日未明に流れた「２４時間以内に解放」の期限が過ぎても、解放が実現しないばかりか何の情報も入ってこないことに焦りを感じている様子。しかし、近隣の住民が食事や菓子を差し入れたり、フサ子さんの友人が慰めに訪れるなどして気分を和らげているという。【佐藤恵二】

[4月13日22時42分更新]

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