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イラク現地のリポート
4月11日までの3日間、新聞が休刊だったバグダッドでは、4月12日「日本人人質事件」の一報が大きく掲載されていた。地元紙「ザマン」の見出しは、「日本は、イラクで拘束された人質3人の解放を待っている」
(撮影:綿井健陽)
「事態は深刻に受け止めている」日本人人質事件についての質問に答える統治評議会メンバー。イラク・イスラム党党首、モフセン・アブドル・ハミド氏(左)とクルド民主党のマスード・バルザニ氏(右)
(撮影:玉本英子) ここにきて、「人質解放」への進展が、こう着状態に入ったようだ。事件が長期化する恐れも出てきている。
バグダッド市内にある日本大使館前でずっと待っていた外国報道陣も、今日(4月12日)はかなり減って、イラク人スタッフが10人ほどだけになった。大使館の中に出入りする動きは、ほとんど見られない。
昨夜、アルジャジーラが報じた「事件の仲介者」を名乗るミズハル・ドレイミ氏と、通訳を介して電話で話をすることができた。「いまファルージャに車で向かっている。3日後にバグダッドに戻るので、それから報告する。いまは何も話せない」とのことだった。
そのとき、時間は午後8時を回っていた。こんな夜間の時間帯に、まだ戦闘が続くというファルージャに向かうのだろうか。
今日、この人物に関して調べてみると、どうやらこの男は仲介者ではないようだ。
「彼の言うことは信用するな。彼は事件にはまったく関っていない」と何人もの人から言われた。
だが、「本当の」解放交渉がどこまで進んでいるのかは、バグダッドでも詳細はつかめない。
しかし、こちらのスンニ派イスラム政党関係者や、ファルージャを何度も行き来している人物に話を聞くと、「日本政府が真摯(しんし)に対応すれば、人質が殺害されることはないだろう。いまファルージャ周辺の地域は、米軍と『ムジャヒディン』の間での戦闘が激化している。『サラヤ・アル・ムジャヒディン』というグループが本当に存在するのかは不明だが、米軍に対して抵抗する者たちは皆、『ムジャヒディン』と呼ばれ、いまファルージャ周辺の多くの人たちが武器を手に活動している。停戦に入ったとはいえ、彼ら『ムジャヒディン』は米軍を信用していない。いつまた戦闘が再開するかわからない。情勢が不安定なままだと、実際の解放までは少し時間がかかるかもしれない」と話していた。
4月12日午後(現地時間)
バグダッド 綿井健陽
(アジアプレス・インターナショナル所属ジャーナリスト)