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http://www.sankei.co.jp/news/editoria.htm
イラク武装勢力に誘拐された外国人の人質は、日本人を含む数カ国にまたがり、日本政府の対応はより難しくなってきた。政府が単独で武装勢力と安易な取引をすれば、他の外国人までをも窮地に陥れる危険がある。
日本国内には、自衛隊の派遣が日本人への危険を高めたとの見解がある。しかし、武装勢力が若者を誘拐したのは日本国内ではなく、退避勧告が出ているイラクである。しかも、誘拐、銃撃されたのは、米英両国のようなイラク攻撃を実施した国だけではなく、対イラク戦争に反対したドイツ人や一定の距離を保っていた中国人も含まれている。イラクの反米武装勢力が、手段を選ばずに外国人を反撃の道具にしようとしていることは明らかである。
そうした困難な中であっても政府は、全力で人質の救出をする義務がある。特殊部隊の突入の手段がなく、情報機関をもたない日本にはやれることに限りがある。だからこそ、国内は政府、国民が一致して卑劣な誘拐犯、テロリストに対処する必要がある。小泉純一郎首相が来日したチェイニー米副大統領との会談で、改めて協力関係を確認できたことも重要である。
いま、誘拐された三人の家族が、自衛隊の撤退を求める政治的な発言をすることは、誘拐犯に取引の余地があるような錯覚を与えかねない。家族の圧力で日本政府が譲歩すると誘拐犯が考えれば、解放を長引かせて不安をあおる逆効果を生むだろう。まして、日本国内の平和団体がこれに便乗する動きは、誘拐犯を利するだけである。
イラク内では、イスラム教スンニ派、シーア派ともに指導者たちが誘拐に反対表明していることが心強い。イラク・ムスリム・ウラマー協会の人物が、約束通りに邦人人質の解放を呼びかけてもいる。テロリストとの戦いは、不断の我慢の連続であり、目先の正義感にかられて事態を悪化させないよう自制を求めたい。
日本が誘拐犯の要求に屈し、自衛隊を撤退することがあれば、海外の邦人を別の危険に陥れ、要求をのまない他国の外国人は殺害されるだろう。いまは、日本がイラク再建にどんな貢献をなし、自衛隊派遣がどんな役割を示しているかの信念を、さまざまなルートで語るべきときである。