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(回答先: 「イラクに残りたい」「日本大使館に行きたくない」と保護2邦人…クバイシ師明かす (Yomiuri) 投稿者 ああ、やっぱり 日時 2004 年 4 月 18 日 01:02:48)
影響力強める宗教者委員会、日本政府の対応に不満
http://www.asahi.com/international/update/0417/019.html
15日に解放された邦人3人に続き、安田純平さんら2人が17日に解放された際も受け取り役になったイスラム宗教者委員会は、イスラム教スンニ派地域で武装勢力に強い影響力があることを見せつけた。宗教者委員会は、ファルージャでの米軍との停戦交渉の仲介役にもなっており、今後、スンニ派のまとめ役として政治的発言力を強めることは確実だ。
宗教者委員会の幹部であり、3邦人解放でも身柄の受取人になったスンニ派宗教指導者アブドルサラム・アルクベイシ師は16日、日本人記者らに囲まれて「日本大使館は委員会に謝意を伝えてこなかった。日本の首相も委員会について言及しなかった」と不満を語った。
上村司・駐イラク臨時代理大使は17日、宗教者委員会に感謝の言葉を伝えに行く途中、2邦人解放の連絡を受けた。宗教者委員会が人質解放に主要な役割を担ったことが明らかになり、日本政府としても、その影響力を無視できなくなっている。
特に2邦人については、犯人側から犯行声明も解放の条件提示もなかった。大使館も16日に目撃者と直接接触し、拘束場所を特定できたことで、地元の部族などを通じて働きかけを始めようとした矢先の解放だった。
先に3人を解放した「サラヤ・ムジャヒディン」は、ファルージャ周辺の武装組織だが、今回の2人を解放したのは、バグダッド西部アブグレイブ地区周辺に影響力を持つイスラム厳格派のワッハーブ派と見られる。同じスンニ派とはいえ、サラヤ・ムジャヒディンで有効だった宗教者委員会の働きかけが通用するかどうかは未知数だったが、今回も影響力があることを証明した。
アルクベイシ師はイラクで連続している外国人人質事件について、「イラク全土にある事務所を通じて、イスラム法を根拠として民間人の人質を解放するよう呼びかけている」と語った。身分証明書で軍関係者と確認できれば、「戦争捕虜」として扱うよう指示しているという。
宗教者委員会は、ファルージャの停戦協議でも、統治評議会に参加しているイラク・イスラム党と連携しつつ、武装勢力と話し合いをしている。宗教者委員会もイスラム党も「反占領」を掲げるが、あくまで「平和的手段」をとるという立場だ。一方で、反米武装勢力が行う反占領闘争も「抵抗運動」として認知する。
「平和解決か、武装闘争か」という手段の違いはあるが、イスラム法に基づく判断を示す宗教者委員会が、武装闘争勢力にも影響力を持つ形となっている。
旧政権下で強い勢力を持っていたイラクのスンニ派は、米英主導の占領によって旧政権党のバース党勢力が一掃され、急速に力を弱めた。その一方で、各地で武装勢力が群雄割拠する状態が続いた。
イラク戦争後、クルド人はクルド民主党(KDP)、クルド愛国同盟(PUK)の2大勢力の協力で民族の利益を確保しようとし、イスラム教シーア派は最高宗教権威シスターニ師を頂点とするナジャフの最高学院の指導の下にある。それらに比べてまとまりを欠いていたスンニ派の中で、宗教者委員会が、その意思を束ねる存在として対外的にも認知され始めたといえよう。
(04/17 21:18)