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※ 『イラク外交官殺害事件:「誤射」した米軍の様々な“事後処理”と外務省の“証拠隠滅” [週刊ポスト4・23]』( http://www.asyura2.com/0403/war51/msg/735.html )の続きです。
「週刊ポスト4・23」のP.40と41に掲載されている「●軍事専門家が指摘:「弾痕に3つの疑問」「弾丸鑑定の不自然」より:
「警察庁は事件発生から4ヶ月たって、ようやく残された車両の検証をもとに、その結果を中間報告的に『イラクにおける外務省職員殺害事件の捜査状況について』(以下、捜査報告書と呼ぶ)という文書をまとめた。去る4月5日、警視庁は、正式な記者発表としてではなく、ブリーフィングの形で、警察庁文書の背景説明をした。
文書は「車両検証結果」「銃弾の射入状況」「被害車両及びご遺体から採取された金属片の鑑定」「司法解剖結果」「遺留品などからの捜査」の5項目から構成されている。」
「 捜査報告書は、ランドクルーザーには36ヶ所の弾痕があり、そのうち射入角の測定が可能だったのは10ヶ所あり、おおむね1メートルの高さから銃撃されたと推定している。それをもって非公式に「米軍の誤射ではない」と教唆している。米軍の軽装甲車「ハンビー」の車高は1メートル83センチあり、さらに銃座が置かれているから、1メートルの高さから銃撃されたとする検証結果とは、射撃の角度から合わないということを論拠としている。
しかし検証結果に対し、複数の専門家の間では、第1にランドクルーザーのボンネットの中央部分に弾痕があること、第2にフロントガラスの弾痕、第3は右側の窓に弾痕がないこと―の3点が重大な疑問として提起されている。それらの根拠として、まず、1メートルの高さから銃撃されたとするなら、高さ約110センチのボンネットの中央部に上から銃撃されたと思われるような弾痕があることは不自然であること。同じく、射入角度の点からいって高さ120センチあまりで、なお、斜度のついたフロントガラスの中央下部に、ほぼ垂直に撃ち込まれたように見える弾痕があることもおかしい。さらにランドクルーザーは左側に32の弾痕があり、うち22の貫通痕があり、さらに、<車両の右側面にまで達したものとして、7箇所の痕跡が確認されるが、これらは比較的高い位置(137.8〜179.3センチメートル)にあり、このうち貫通して車外に射出しているのはルーフパネルの1ヶ所である>(捜査報告書)と検証されているが、公表された写真で見る限り、右側の窓には弾痕は見当たらない。
これまでテロリストによる犯行とした場合、使われた銃はロシア製の『カラシニコフ(AK47)』といわれてきたが、同じ口径(7.62ミリ)で米軍がハンビーに搭載している機関銃『M240B』である可能性も水面下では指摘されてきた。こちらで使う銃弾はNATO弾と呼ぶ。そうしたことも念頭にあって、検証では銃弾の成分分析が念入りになされたが、鑑定の結果では犯行に使用された銃器の種類や数、銃弾の種類は特定されていない。
検証結果全体を見て軍事ジャーナリストの大久保義信氏は、専門的に次のような疑問を呈している。
「AKかNATO弾かを判別するのは困難ではない。ただ、検証では、銃弾のもとの長さや重さの検証をしたのかわからず、検証データは口径ばかりだ。それでいて警察は『銃弾の種類は特定に至っていない』と結論づけている。口径だけを見ればM240Bの可能性も残る。捜査報告書の見解は非常に不可解で、むしろ疑問を深める内容になっている」
具体的な詩的に入る。
「例えば弾痕は『車両前部及び左側面に36箇所』とあり、その一方、車内で見つかった金属片については『車両の天井やドア等から発見された112点の金属片は...』とある。112点も金属片があって、弾痕は36ヶ所だという。確実な検証をしたのであれば、着弾痕だけではなく、弾が入ってきた『射入口』、弾が出ていった『射出口』、そしていわゆる『弾傷』がどこにどれくらいあったかを公表しないとどういった状況であったのか見えてこない」(大久保氏)
ランクルの屋根には穴が開いている。警察庁はルーフパネルを突き抜けた銃弾があったと報告しているが、それがどこから撃ち込まれたかの説明はない。
わからないことはまだ多い。大久保氏の指摘は核心に入る。
「捜査報告書では『被害車両は概ね1メートルの高さから銃撃されたと推定される』としている。『概ね』とあるから、全部じゃないといいたいのだろうが、少なくとも1メートルの高さの場合、ボンネット部分など前部の弾痕については写真を見る限り、説明がつかないと思うのだが、検証ではこの点にあえて触れないようにしていると感じられる」
警察の検証では銃弾の成分分析にも力点が注がれた。大久保氏は懐疑的である。
「成分分析は弾頭の特定には意味はない。というのも、製造した場所や次期で成分は異なり、AKやNATO弾に特有の成分特徴があるということではないからだ」―。」