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<イラク人質>政府、解放声明に安ど なお慎重に情報確認
イラク邦人人質事件は11日未明、犯人グループが24時間以内に人質を解放すると声明を出したことで、テロとの対決を理由に自衛隊撤退を拒否していた日本政府内には安どの空気が流れた。しかし、犯人グループが「日本の自衛隊は出ていってほしい」とのメッセージも伝えている上、人質の解放が最終的に確認されていないため、政府は情報収集を急ぎながらも慎重に対応している。ただ、人質に危害が及べば政治責任論が噴出することが不可避な情勢だっただけに、人質が解放されれば、小泉政権は大きな試練を乗り切ったことになる。
東京・東五反田の仮公邸にいる小泉純一郎首相のもとには首相官邸の担当者から情報が伝えられた。官邸では泊まり込みの野田健内閣危機管理監らが、中東カタールの衛星放送アルジャジーラが放送した「24時間以内に人質解放」のニュースの分析や関係各所への連絡に追われた。
外務省には「人質解放」のニュース速報が流れた直後の午前4時前から、幹部が続々と詰めかけ、地下1階のオペレーションルームに集まった。竹内行夫事務次官は記者団に対し「外務省としていろいろな方面を通じて確認している。人質の身柄が確保されるまで安心できません」と気を引き締めた。9日にアルジャジーラの取材に応じ、日本政府の立場を説明した高島肇久外務報道官は、アルジャジーラからの情報入手方法について「ファクスで入ってきた。正義が通じたのではないか」と答えた。堂道秀明・中東アフリカ局長は「全部確認中」と語った。
イラクの隣国ヨルダンに政府から派遣された逢沢一郎副外相は在ヨルダン大使館の緊急現地対策本部にこもり、情報収集に追われた。副外相周辺は、犯人グループとの交渉を目的にしたイラク入りについて「あらゆる状況に対応する」と漏らしていた。ただ、どの幹部も犯人グループとの接触の有無に関する質問には固く口を閉ざしていた。
政府は、犯人グループが要求した期限(11日午後9時)が迫っているため、11日午後4時から首相官邸で対策本部会議を開き、川口順子外相ら関係閣僚が集合、最終的な情勢分析を行う予定だった。
自衛隊撤退について政府は発覚直後の8日夜の福田康夫官房長官の記者会見で拒否する方針を表明。翌9日小泉純一郎首相も同様の方針を示し、妥協の余地は事実上、消滅した。その後、犯人グループとの接点を探る作業は難航。政府は3人がファルージャ近郊で拘束されるとの見方を強め、放映されたビデオなどの分析からイスラム教スンニ派のドレイミ族の支配地域であるため、政府は部族長との接触を試み、事態打開にあたっていた。
犯人グループの要求した自衛隊撤退に応じず、人質解放の方向になったことで、小泉政権は国際的な対面は保ったが、イラク全体の治安状況の悪化自体に変わりはなく、今後も綱渡りの対応を迫られそうだ。
(毎日新聞)[4月11日8時26分更新]