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Baghdad Burning
バグダードバーニング by リバーベンド
... I'll meet you 'round the bend my friend, where hearts can heal and souls can mend...
友よ、私の心が失われあなたさえ見分けることができなくなったら、どうか私を偉大な文明をはぐくんだ、チグリス・ユーフラテスの胸元に連れて行って欲しい。そこで私は心を癒し、魂を再生させるでしょう。
2004年4月7日水曜日
ティーポットとやかん・・・
いまわたしたちは、占領が始まってからの日々を最初からもう一度やり直している。ほんとうだ・・・昨夜は爆発と砲撃の音で目がさめた。何度も恐ろしさにふるえて、ある瞬間、時間をワープしてちょうど1年前に送り返されてしまったのかと思った。さあこれからあの去年1年間を生き直さなければならないのだ、何度も何度も。
こどもたちは、3日間学校へ行ってない。空気は張りつめている。おととい、バグダードは静まりかえって人けもなかった・・・嵐の前の静けさだったのだ。いまバグダードのアーダミヤ地区は、市街戦だ。抵抗勢力とアメリカ軍は市中で戦っており、アル・サドル・シティはアメリカ軍に爆撃された。何十人もの人が殺され、負傷者もおおぜい出たという。市中心部にある病院には負傷者が次々と運び込まれている。
ファルージャは、この3日というもの孤立させられている。他の地域との出入りも連絡も断たれている。なんということだ。アメリカ軍は絶え間なく爆撃し、何十人も死んだ。きのう、市内で唯一機能していた病院がアメリカ軍に爆撃され、もはや一度に10人しか診ることができない小さな医院しか負傷者を運び込むところがないという。100人を越える人が負傷し、いまも次々死んでいっている。しかし死者を葬むる場所もない。アメリカ軍が、ファルージャにひとつしかない墓地の周辺地域を制圧しているからだ。死体は、4月の暑さで腐敗しはじめている。アメリカ軍はファルージャから誰ひとり出さず、誰ひとり入れない。数日中に人々は飢えはじめるだろう。ファルージャでは、生鮮食品はほとんど市外から入ってくるからだ。この3日間、ファルージャに住む友人に電話をかけ続けているが、連絡がとれない。
これは、先週、アメリカの請負業者(ほんとにそうだったとして)がやられたことへの’報復’とされている。誰であろうと、あんな恐ろしいことはまちがっている。かれらの家族を気の毒に思う。驚いたかって? ぜんぜん。これは占領なのだ。チャラビやブッシュ政権が占領軍は’花やキャンディで歓迎’されるだろうって言ったとき真に受けた人がいたとしたら、どうしようもないばかだ。神様は脳みそをくれなかったのね。
ほんとになんということだろう。これは暴行に対する処罰だと言われている。しかし、これでは、どちらの側にもいっそうの流血をもたらすだけだ・・・みんな怒り狂っている__スンニ派もシーア派も。いま続けられている爆撃は誰にとっても事態を悪くするだけだ。アメリカ人は、バグダードや南部や北部に住む人々がファルージャやラマディやナーシリヤやナジャフで起こっていることを関係ないと思うなんてほんとに考えているのか? ニューヨークのアメリカ人は、カリフォルニアで爆撃や殺りくがあってもわれ関せずなのね?
で、いまやムクタダ・アル・サドルの支持者たちは、バグダードと南部で徹底的に戦おうとしている。状況がこれほど恐ろしいものでなかったら、アル・ハキムとバール・ウル・イルームがアル・サドルのことを’過激派’だの’危険人物’だの言っているのを笑えただろうに。ムクタダ・アル・サドルは、統治評議会におさまっている過激派連中とまったくかわるところはない。サドルは、アル・ハキムやバール・ウル・イルームと同じようにブレマーに気に入られたかっただけなのだ。ただ、かれはチャンスをもらえなかった。それで革命的になったというわけだ。どうやら誰もブレマーに、ひとりの過激派を可愛がってやるなら、全員可愛がってやらなくてはいけないと、教えてやらなかったらしい。アブドル・アジズ・アル・ハキムとバール・ウル・イルームが、アル・サドルは治安と安定の脅威だと言い張るのを聞くと、ティーポットとやかんの図を思い浮かべてしまう・・・。
そこで、ブレマー、テレビに登場、民兵は新生イラクから追放すると、語る。バディル旅団(注:アル・ハキムに率いられるイラク・イスラム革命最高評議会の民兵組織)が国中を荒し回っていた12カ月間、この宣言はどこにしまってあったの? バイシマーガやバディル旅団みたいに、アル・サドルの武装民兵を警察や軍隊に雇ってやって、問題を解決すればいいじゃないの。アル・サドルの民兵組織はいまできたわけじゃないのだから。この民兵たちが、南部で市民を痛めつけていたとき、誰も彼らを止めようとしなかった。バッジをつけてクラシニコフ銃をかついでほしいままに町なかを徘徊していたというのに・・・’連合軍’の脅威となったものだから、突然、’テロリスト’、’扇動グループ’となったのだ。
そしていま、サドルに対して逮捕状が出ている。法務省長官は、テレビで逮捕状については何も知らない云々と言っていたけれど。彼が言いたかったのは、ムクタダ・アル・サドルに対するどんな動きからも手を引くということだ。誤解しないでほしい__ムクタダが捕らえられたらどんなにうれしいだろう。しかし、そんなことをしてもただ混乱と憤激をあおるだけだ。それにもう手遅れだ。かれには、支持者を増やす時間がたっぷりあった。まるで、高名なシーア派聖職者たちの競演だ。人々は不満をもっている__とくに南部において。統治評議会で当然の敬意もポストももらえなかった聖職者たちは、大衆を動員して影響力と支持を得ようとし始めている。いいこの聖職者になって、ブレマーとうまくやる(不満をもつ大衆は支持“してくれない”けれど)か、アジテーターの聖職者となって、大衆を動員するか・・・。
まるで占領の初めのころの日々と同じ・・・悪夢のようだ。だれもが緊張している。いとこの家族が、ここ何日かうちへ泊まりにきている。いとこの妻がこどもとだけで家にいるのをいやがったからだ。わたしたちもいとこ一家がきてくれてほっとしている。みんなテレビの前を動かない。アルジャジーラ、アルアラビア、CNN、BBC、LBCとチャンネルをカチャカチャやって、なにがどうなっているのか知ろうとしている。海外の放送局はほとんど何も言っていない。サッカーの試合やペットの話のにぎにぎしい番組の合間に、爆発と銃撃戦の混乱の中を逃げ回る人々とアジテーター、アル・サドルについてのおしゃべりの同じフィルムを繰り返し1、2分はさむだけだ。ラマディ、ファルージャ、ナーシリヤ、バグダード、クーファなどでの占領軍による攻撃のことは、なにも言わない。
この3日間で、全土で150人を超えるイラク人が、占領軍に殺された。まったくたまらない。ときどき自分が檻の中の動物のような気がする__いらいらと怒りでいっぱいの。まだ’解放’についておめでたいおしゃべりをしているのは“統治評議会と操り人形たち”一派のイラク人たちだけだ。そんな彼らだって、この混乱には耐えられなくなりつつある。
われらがホシヤール・ジバーリ外相は、きのう、あるイギリスのジャーナリストにインタビューされて、トニー・ブレアと彼を戦争に引き入れたことについてわびを言っていた。途中で、だれかがイラクの目下の状況について聞いた。外相は、ぶつぶつとなにやら答えた__なるほど’問題’はあるが、たいしたことじゃない、なぜならイラクは’安定’しているから・・・。いったいどこのイラクに住んでるの?
こうしてこのブログを書いている間にも、すべてのモスクが(スンニ派もシーア派も)、ジハード(聖戦)を呼びかけている・・・。
リバーによって掲示 午後3時44分
http://www.geocities.jp/riverbendblog/