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イラク統治評が米軍の封鎖戦で硬化、即時停戦を訴え
読売新聞 4月11日
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20040410i115.htm
【バグダッド=岡本道郎】米国によるイラク占領統治が正念場を迎えている。ファルージャなどスンニ派三角地帯での戦闘とシーア派反米指導者ムクタダ・サドル師支持者による騒乱が続く中、イラク統治評議会は10日、米軍のファルージャ封鎖戦の激烈さに態度を硬化、即時停戦を訴える声明を発表する事態に至った。
サドル師一派とファルージャの武装勢力が連携するなど、シーア、スンニ両派の連帯の動きも出てきた。邦人を含む外国人誘拐事件も頻発するに至り、統治評議会としても、事態の収拾を急がなければ騒乱が全土に拡大、6月末の主権移譲も不透明になるとの重大な危機感を抱いたものだ。
「米軍の行為は不当で到底受け入れられない」
元外相で統治評議会でも親米色が最も強いアドナン・パチャチ氏は9日、かつてない厳しい口調でファルージャでの米軍を非難した。米軍は同市での米民間人惨殺もあり、「報復同然」(統治評議会筋)の容赦ない掃討作戦を展開、市民に400人以上とも言われる多大な犠牲が出ている。これに「国民の代表」を自任する統治評議会の主要メンバーとして反発したものだ。
統治評議会を構成する各組織の米国への憤まんは今や頂点に達している。9日までに既に閣僚2人が抗議の辞職、主要組織「イラク国民合意」のイヤド・アラウィ氏も統治評離脱を表明した。また、スンニ派政党「イスラム党」のモフセン・アブドルハミド党首ら3人も、これ以上の流血が続けば職務を停止する意向を明らかにしている。
特にアブドルハミド党首の離脱意向表明は深刻だ。イスラム党の支持母体の法学者組織「イラク・ムスリム・ウラマー協会」を中軸とするスンニ派本流勢力と連合国暫定当局(CPA)との接点が失われることを意味するからだ。同協会はすでにシーア派抵抗勢力との連帯を表明、ゼネストや米英製品不買運動を呼びかけている。今後、武装闘争を含む本格的な反占領抵抗活動の組織化に向かう危険性もある。その場合、主にファルージャ一帯に両派の武装抵抗運動の連携が拡大する可能性も出てくる。
また、もともと、米国に外国から連れてこられた「よそ者」として、国民から広範な認知を受けていない統治評議会としての焦燥感もある。これ以上の現状放置は、6月末の主権移譲の受け皿の主軸を自負する統治評の「正当性」が完全に失われることになる。
米軍が10日、前日に続きファルージャでの停戦実施と同市での行政組織再建を図る意向を表明したのも、占領統治の完全破たんにつながりかねない、こうした情勢の深刻化を受けたものだ。フセイン政権崩壊から1年、米国の占領統治は最大の分岐点に立った。
(2004/4/11/00:06 読売新聞 無断転載禁止)