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サドルの動きに対するイランの役割 サドルが衝突前にファッルージャに特使
を派遣
６日付のロンドン発行のアラビア語のアル・ハヤート紙は、イラク、シーア
派の若手指導者、ムクタダ・サドル師の動きをファッルージャでの連合軍との
全面衝突事件と関連付けて、イランの役割を論じた署名入り記事を掲載した。
イラク暫定統治評議会内ではここ二日間，イラクのシーア派諸都市で繰り広
げられている軍事衝突におけるイランの決定的な役割に関しての話が乱れ飛ん
でいた。
イランが、イラクの政治や治安、経済分野で直接的に乗り出していることを
イラクのシーア派の大半の地域で観察するのはさして困難ではない。このこと
はイランが次の二つの手段で、懸命に各勢力と関係を結ぼうとしていることと
歩調を合わせているようだ。
１）シーア派に限らず複数の政党や運動体に金銭と兵站を支援することを通
じて
２）シーア派の宗教界でイランが持つ伝統的な影響力を行使して
ある統治評議会メンバーは本紙に、「イラン人は最近、サドル氏の運動内
に、イランの宗教都市コムにいる宗教指導者カーゼム・ハーイリー師（サドル
は弟子だった）が有してい影響力を通じて行動を起こした。サドル派は、ハー
イリー師を故ムハンマド・サーデク・サドル（ムクタダ・サドルの父親）の後
継者と見なしているのだ。しかし、イラクの同盟軍当局に近い筋から漏れ伝わ
る情報によると、今回は単に煽動する段階を超えて、直接的に戦場に乗り出す
というものだ。
イラクの複数の治安筋は、「この拡大政策はハサン・カーゼミー・コミーと
いう名のイラン革命防衛隊の将校で在イラク、イラン代理大使を、アメリカが
国外退去を決定したことと結びついている」と語った。「コミーは以前レバノ
ンで働いていたことがある」と語り続け、このことと、サドルの運動はレバノ
ンのヒズブッラーとパレスチナのハマスの延長線上にあるとのサドルの発言と
を関連付けた。
同様の文脈で、イラクの同盟軍に近い筋は、シーア派諸都市での戦闘激化
と、ファッルージャで起きていることとの関係を示す情報が流れているとい
う。すなわち、同盟軍の中には、「この町（ファッルージャ）がアメリカの支
配を受けないことは、イランにとって利益となる」と考える者が居るという。
それにより、イランのイラクへの侵入に対する警備が手薄になるからだとい
う。彼らに言わせると、サドルが動き出したのは、同盟軍がファッルージャへ
の攻撃を準備し始めた時期と重なるという。
複数の別の情報筋は、「サドル師の副官の一人が、同派が動き出す前に
ファッルージャを訪れた」と指摘した。「イラクと周辺地域でのアメリカのプ
レゼンスを拒否する諸勢力間の接近に努めるイランの役割と関連付けると、こ
の訪問（の意味解釈）が可能となる。ムクタダ・サドルのハマスへの呼びかけ
は、イラクのスンナ派の新たな同盟者へのメッセージかも知れない」
イラン人たちはイラクの様々な分野で影響力を有しているようだ。例えば彼
らは、シーア派間における宗教的聖所の支配をめぐっての抗争を終結するため
に介入した。イランは宗教権威（の支配権）をイラクのシーア派各派に割り
振った。
ムクタダ・サドルはカルバラのアル・フセイン聖廟の支配を望んだが、シス
ターニ師の支持者たちが反対したので、イランが調停に乗り出し、サドル支配
下の諸機関に莫大な金銭を払ったと言われている。それにより、サドルは（よ
り低位の）クーファのモスクで満足した。
ところが暫定統治評議会の多くのメンバーは、アメリカが同盟軍を（サドル
派と）衝突させる計画に同意したことに不満を示した。特にこのような種類の
衝突は、新しいイラク政権に参加する者たちと、イラク旧政権の崩壊で被害を
被った者たちを結びつけてしまうからだ。不満者たちは、その例としてナジャ
フで４日に起きた警察署員たち（中にはサドル派に共感する者も多い）が複数
の警察署をサドル派兵士たちに引き渡した事件を挙げた。
不満者たちは、「統治評議会のシーア派メンバーたちは、サドルがイラクの
シーア派界を抑えるようになって初めて、事態が如何に危険であるかを悟るの
さ。サドルとシスターニは余り良い関係ではないが、シスターがサドルに対
して強い影響力を持っていることは確かだ」と強調した。
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