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米英軍と武装した群衆の衝突が続くイラクで衝撃的な事件が起きた。カタールのアラブ系衛星テレビ、アルジャジーラの8日夜の報道によれば、日本人男女3人が「サラヤ・ムジャヒディン(イスラム聖戦士)」を名乗るイラク人組織に拉致され、「3日以内に自衛隊が撤退しなければ人質を殺す」と脅迫しているというのだ。
アルジャジーラに送られたビデオ・テープには、3人の姿や所持する旅券が撮影されている。3人がどこで、どのように拘束されたのかは不明で、組織の実態や目的もわからないが、拉致と脅迫が事実とすれば日本政府にとっても重大な事態と言わざるを得ない。
米英軍によるフセイン体制崩壊から9日で1年を迎えるが、イラク戦争に関連して日本人が人質にされたのは初めての事態だ。
同国内では今月4日以降、シーア派内の反米強硬派のムクタダ・サドル師派と米英軍の武装衝突事件が相次ぎ、一方でスンニ派地域のファルージャなどでも米英軍の反米組織に対する掃討作戦が本格化している最中だ。
いずれも6月末を目標期限とするイラク人による暫定政府への主権移譲プロセスをにらんだものだが、その中で米英による占領や復興を支援する諸国への反感が募っている事実は否定できない。
事件が伝えられた8日夜、韓国人8人が何者かに拘束され、南部ナシリヤでも英国民間人1人が拘束されたと報じられた。それぞれの組織がどこかで連携して外国人誘拐に出たのか、別々の組織が犯行に及んだのか。話し合い解決に応じる余地があるのかなど、詳細はわかっていない。
しかし、過去1年に及ぶ占領体制や米英に対する反感があるにせよ、このような手段や方法で自衛隊の撤退などの行為を迫るのは断じて認めることはできない。
3人を含めて拉致されたとされる各国の人々は、それぞれの政府や国家主権と直接の利害関係があるわけではない。しかも、このような事件は、結果的にイラク国民の大多数が求める主権移譲のプロセスを遅れさせるだけだ。卑劣な脅迫は復興や治安回復のためにならないばかりか、国際社会も到底容認しないはずだ。
日本政府は3人がなぜ、どんな経路でイラク入国を図ったのか、拉致されたとする状況などについて事実調査を進めており、米政府も解決に向けて全面的協力を申し出ているという。
日本政府はイラク戦争後の国民の窮状を救うために、人道復興支援を目的としてサマワに自衛隊を派遣した。これまでの現地での活動が住民の支持を得ていることも確かな事実だ。
犯行グループはアルジャジーラに送りつけた脅迫状の中で「日本に対して好意を抱いていた」と述べているというが、そうであればなおさらのこと、このような事件は日本国民や国際社会全体をかえって敵に回すような行動だ。イラク国民全体の利益にも反すると言わなければならない。犯人グループは直ちに人質を解放すべきだ。
毎日新聞 2004年4月9日 0時39分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20040409k0000m070146000c.html