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【ワシントン中島哲夫】イラクで急拡大している流血の衝突は6日、米国など6カ国の駐留軍部隊が広範な地域でイスラム教スンニ派、同シーア派の武装勢力と交戦、多数の死傷者が出る展開となり、米政府にとって極めて深刻な局面に突入した。ブッシュ大統領は同日の演説で「我々が殺し屋におじけづくことはない」と強気の姿勢を示したが、ベトナム戦争のような泥沼化の懸念も強まっている。
ブッシュ政権への衝撃が最も大きいのは、やはり米兵の犠牲だ。6日、ラマディで海兵隊員12人前後が戦死したのをはじめ、4日以来の3日間にバグダッド、ファルージャ、北部2都市でも別途10人の米兵が死亡した。ただごとではない。
ブッシュ大統領は6日アーカンソー州での遊説後、テキサス州の私邸からラムズフェルド国防長官らと電話協議を行い、報道官に「我々の決意は固く、揺るがない」という声明を発表させた。
しかし、ケネディ上院議員(民主党)が5日の演説で、イラクは「ジョージ・ブッシュのベトナム」になったと公言。イラク民衆の反発を招く米軍の戦術はベトナム戦争と同じだと指摘する識者もいる。7日付の米紙ワシントン・ポストは、反目していたバグダッドのスンニ派住民とシーア派住民が反米闘争で協力し始めたと報じた。
一方、ブッシュ政権はイラクで多数を占めるシーア派の反発を恐れ、対策を誤ったとの批判も強い。同派の反米指導者、ムクタダ・サドル師と支持者が昨年4月の有力聖職者暗殺に関与した疑いを深め、幹部1人の逮捕状を確保しながら、数カ月も拘束を見合わせてきたと米メディアは報じている。
この間に、昨夏には約500人に過ぎなかったサドル師の民兵組織「マフディ軍」は2万人規模と言われるほどに膨張した。6日、イラク南部の4都市で英国、イタリア、ポーランド、ブルガリア、ウクライナの部隊と交戦したのは、この民兵とされる。
さらに他のシーア派武装勢力も含めて隣国イランからの支援情報がある。パウエル米国務長官は6日、米FOXテレビのインタビューに「不安定を招くような活動をしないよう、彼ら(イラン)に言っている」と述べ、イランの干渉を警戒していることを事実上認めた。これも泥沼化につながりかねない懸念材料だ。
毎日新聞 2004年4月7日 22時51分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/afro-ocea/news/20040408k0000m030129000c.html