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シーア派強硬派「マフディ軍団」 サドル師の統制力は?
朝日新聞 4月7日
http://www.asahi.com/international/update/0407/013.html
イスラム教シーア派強硬派ムクタダ・サドル師が指揮するマフディ軍団に対して7日、駐留米軍が「撲滅宣言」したことで、シーア派地域で続く同師支持者と占領軍との衝突がさらに拡大する可能性が出てきた。同軍団が勢いづくのは、占領統治下で一向に生活が改善されない庶民の不満を吸収しているからだ。銃がはびこる戦後の社会で、民兵による自衛に頼りがちな治安状況も背景にある。
「マフディ軍団」が誕生したのは昨年7月。聖地ナジャフ近郊クーファのモスク(イスラム礼拝所)で金曜礼拝が行われた際、サドル師が「人々の軍」の結成を呼びかけた。「マフディ」は、イラクのシーア派信者が待つ救世主の愛称だ。
呼びかけの翌日から、同師支持者が非常に多いバグダッド東のサドルシティーにあるモスクには、「隊員リスト」に名前を登録しようとする若者たちの長い列ができた。サドルシティーは貧困層が多く住み、失業や犯罪発生率も高い。
同師が軍団結成を決めたのは、米英の暫定占領当局(CPA)が統治評議会メンバーを任命した直後だ。同師は同評議会を「イラク民衆を代表していない」と批判。同師の側近は「新イラク軍は米国人に牛耳られ、イラク人の利益を考慮したものではない。マフディ軍団こそ信仰を持った正当な軍隊なのだ」と結成理由を述べた。
サドル師は当時、同軍団について「悪分子と敵から人々と価値観を守るための民兵組織」とし、武装せずにモスクや宗教関連施設を護衛すると説明した。しかし、地元紙などには「略奪者や米国人と闘う必要が起きたときに招集すると言われた」と、武装闘争をにおわす希望者の話が載った。
旧フセイン政権下のイラクでは最低数年の兵役が課され、成人男性はみな武器の扱いに慣れている。また、旧政権が倉庫に貯蔵していた自動小銃や小型ロケット砲などの武器がイラク戦争直後に市民によって略奪され、社会にはびこっているのが現状だ。メンバーの多くは銃を持っており、軍事訓練も必要ない。
4月4日から各地で始まった占領軍と同師支持者らによる衝突では、黒ずくめの服装で武器を持った軍団の一部メンバーが、銃撃戦の中心になったとされる。メンバーは数千人程度とみられ、サドルシティーの住民が多い。
占領統治開始からほぼ1年がたっても一向に治安は良くならず、生活レベルも向上しない。今回の騒乱をきっかけに、マフディ軍団がCPAや占領軍に対する人々の不満を象徴する存在として、さらに求心力を持つ可能性がある。
(04/07 20:26)