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シーア派対策で誤算、ブッシュ米大統領の支持急落
朝日新聞 4月6日
http://www.asahi.com/international/update/0406/012.html
ブッシュ米政権は、占領統治に反対するイラクのイスラム教シーア派強硬派指導者ムクタダ・サドル師やその民兵組織、支援者らに対し、軍事力の行使も辞さない厳しい姿勢で対応する方針だ。今回の事態の背景には、人口の約6割を占めるシーア派住民に広がる占領への反発や民兵組織化の動きについて、深刻に受け止めてこなかった占領政策の「誤算」がある。
ブッシュ政権は、これまで米軍などへの攻撃を続ける武装勢力について(1)国際テロ組織アルカイダの関係者とされるザルカウィ氏ら外国から流入した過激派(2)スンニ派を中心とする旧フセイン政権の残党(3)両者の協力――による犯行と主張。フセイン政権時代に弾圧されたシーア派住民の多い南部では、治安状況が改善していると説明し、サドル師らによる民兵の組織化についても事実上黙認してきた。
3月末に起きた米民間人の殺害、遺体損傷事件についても、旧政権の基盤だったイラク中部の「スンニ派三角地帯」で起きたことから、あくまでも「例外的なケース」とみていた。
しかし、シーア派住民の「反フセイン」は必ずしも「親米」を意味しない。湾岸戦争直後に南部で起きた反フセインの武装蜂起の際、当時のブッシュ(父)政権はイラクの分裂を恐れて介入せず、フセイン大統領による弾圧を黙認した。米国への不信感は今も根強く、昨年のイラク戦争当時も米側の武装蜂起の呼びかけに応じなかった。
穏健な姿勢をとるシーア派の最高権威シスターニ師も、早期の直接選挙実施を呼びかけ、イラク基本法にも反発するなど、占領当局と距離を置く姿勢を見せている。背景には「異教徒の占領」に対する反発や復興の遅れに対する民衆の不満もあり、「凶悪犯やテロリスト」(ブッシュ氏)と一方的に決めつける米側の姿勢は実態とずれたものになっている。
こうした状況に米国内の見方も次第に厳しさを増している。米ピュー・リサーチ・センターが5日に発表した世論調査によると、ブッシュ政権のイラク政策に対する支持率は前回1月の59%から過去最低の40%に急落、不支持率が37%から53%に増えた。
イラク人の大半が米国の政策を支持しているとみる人は37%にとどまり、反対しているとみる人が48%に達した。イラク戦争自体の支持は57%(反対35%)に上っており、「戦後処理」に対する不満が浮き彫りになった。調査は米民間人が殺害された直後の今月1〜4日に全米790人を対象に実施された。 (04/06 22:31)